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クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

家族を問う映画『そして父になる』

2013-10-12 16:46:00 | 映画
先日、映画『そして父になる』を観賞した。
是枝裕和監督、福山雅治主演作品。



今年カンヌ国際映画祭コンペ部門に出品され、
審査員賞を見事受賞したことでも
話題になった。



子供が産まれた病院で、子供の取り違いが
起きてしまったことがテーマとなっている。
本来あり得ない出来事の筈なのだが、
実際に同様の事件は起きているというから
驚きである。



この物語も二組のカップルが同じ時期に病院で
出産し、そして子供の取り違えがあったという
ことが何と6年も経った後に発覚することから
物語が始まる。

それまで自分の子供であるということを
何の疑いも無く、家族で6年間育ててきた息子が
実は他人の子であった、しかも自分の本当の
子供も別の親に育てられていたという事実を
突然突きつけられるのだ。そして、子供を
交換すべきかどうかという選択肢を迫られる
ことになる。



6年間も育てていれば、一緒にいた時間で
情も湧くし、突然自分の息子では無かったと
言われても全くピンと来ない。
しかし、一方では遺伝子上の自分の本当の
息子は別にいるということで悩むわけだが、
まさに過ごした時間 vs. 血の繋がりの間
で苦悩する二組の夫婦がこの映画で描かれているが、
まさに家族とは何か?を問う作品である。

実際に自分がそのような立場になったら
どう思うだろう、どうするだろうと考えてみたが、
やはり難しい問題でなかなか頭の整理が付かない。
人間の血縁関係というものは神秘的で、
深い絆で結ばれているとも言えるが、
同じ環境で一緒に過ごすことで形成されて行く
絆もあるので、血縁だけの問題では無いから
難しいのだ。



福山が演じる野々宮良多と妻みどり(尾野真千子)夫婦は、
かなり裕福なエリートを演じており、
息子の慶多にもピアノを習わせ、
小学校受験を考えているハイソな家庭環境だが、
どこか心が通っていないような冷たさが漂う。

一方、リリーフランキーと真木よう子演じる
もう一方の夫婦である斎木家は、
町の電器屋を営む家庭で、息子の琉晴(りゅうせい)も
元気な男の子。妹、弟に囲まれて賑やかで
明るい家庭環境だが、経済的には野々宮家に比べると
決して楽では無い。



この二組の夫婦における家庭環境のコントラストも
見事に描いており、違いを更に浮き彫りにしている。
生活的には一見野々宮家が理想のように思うが、
どこか野々宮は機械的な冷たさが漂い、
子育ても真の愛情に欠けたような感覚が漂う。
一方、斎木家はガサツでやや貧乏くさい雰囲気が
気になるが、その反面、子供とのコミュニケーションや
愛情には溢れている明るい家庭として描かれており、
福山とリリーフランキーの子供との接し方も
まるで違う。



お互いに子供を交換して、それぞれ新しい
生活を開始するが、野々宮はどこか心が満たされない。
また、子供の心境も複雑だろう。交換した実の息子が
流れ星に“前の家に帰れますように”とお願いする
セリフがあるのだが、これがたまらなく切ない。

そして、野々宮も6年間過ごした息子の慶多が
カメラでさりげなく撮影していた自分の写真を見て、
息子を裏切ってしまったような、
たまらない気持ちになり、ついに慶多に会いに
行ってしまう。

そしてラスト近くのシーンで、会いに来た野々宮良多を
見て家を飛び出してしまう慶多を追いかけ、
“パパも6年間は慶多のパパだったんだ、出来損ない
だったけど、パパだったんだ“というシーンが何とも
切なくて涙を誘う。良多もついに本当のパパに
なった瞬間であった。

子供を交換するなんて、そんなに簡単に割り切れる
話では無いこと、そして血は繋がっていなくても、
6年過ごした絆を改めて痛感するところで終わるが、
その後どうなったのかはあえて描いていない。
やはりここはこの問題の深さを問うた形で
余韻を残しつつ終わるというのが最善のエンディング
だったのかもしれない。

子供達の演技も変にませたところも
無く、ごく普通な子供として自然に描かれているのも
印象的であった。

配役に不満は全くないが、本来は福山雅治と真木よう子、
リリーフランキーと尾野真千子の組み合わせの方が
よりそれぞれエリート家庭と庶民派家庭環境の違いが
強調されるようにも思ったが、あえて逆にしたことでむしろ
リアリティーが出たのかもしれない。



この映画は、スティーブンスピルバーグの製作で
ハリウッドでリメイクされることが決まった。
どのような描き方になるのか今後注目したいと
思う。



光るウルトラセブンをついにゲット!

2013-10-08 00:32:00 | 特撮ヒーロー
先日、ウルトラセブンの目が光る
大型ヘッドフィギュアをAmazonで見つけ、
ついにゲットした。




ファミリーマートの企画で、
『一番くじ ウルトラセブン』というのをやっていて、
500円でくじを引くと、色々なウルトラセブングッズ
が当たるというものだったが、この中で、
このウルトラセブンの光る
大型ヘッドフィギュアがあり、
欲しくても数が少なく、
一番当たる可能性が低い商品だった。
特にクジ運が悪い僕はまず当たる確立は
ゼロに果てしなく近かった。



非売品にて手に入らずに終わるかと思っていたが、
何とAmazonで売られているのを見つけ、
ついに購入してしまった!これは貴重である。

かなり大きなヘッドフィギュアでなかなかの迫力。
電池を入れると目が光る仕鰍ッでかなり楽しめる。



最近、仕事が大変で平日はなかなか寛げる暇が無いが、
ウルトラセブンを眺めていると不思議と癒される。
僕のウルトラセブングッズコーナーは
僕にとって最強のパワースャbトだ。


Scandal快心のニューアルバム!

2013-10-06 08:01:00 | 音楽
僕がお気に入りな4人組ガールズバンド
Scandalが新しいアルバム『Standard』をリリースした。




前にリリースされたベストアルバムについては
以前ブログで紹介したが、
今回のニューアルバムも元気いっぱいながら、
サウンドにどこか引き締まった完成度と
統一感が増しており、なかなかの傑作である。



収録曲は下記全13曲。
1) Brand new wave
2) OVER DRIVE
3) 打ち上げ花火
4) オレンジジュース
5) メトロノーム
6) Weather Report
7) 8月
8) 会わないつもりの、元気でね
9) 下弦の月
10) 恋のゲシュタルト崩壊
11) キミと未来と完全同期
12) 涙よ光れ
13) Standard

Harunaのボーカルもクオリティと安定感が増し、
アニメ声のTomomiのボーカルは相変わらず
冴え渡っているもののやや抑え気味で、
そのせいか逆に二人のボーカルのハモリレベルが
格段に上がってバランスが取れているように感じた。
ツートップボーカルのフォーメーションは
盤石であり、益々磨きがかかっている。



収録曲はどれも甲乙つけ難いくらい素晴らしいが、
特に好きなのはシングル曲の『Over Drive』、
『会わないつもりの、元気でね』、『下弦の月』に加え、
『打ち上げ花火』、『オレンジジュース』、
『キミと未来と完全同期』。やはり、どの曲も
クオリティーが高く、聴いていて心地良い。
アルバム全体で捨て曲が無い。



Scandalはやはり今の日本の音楽業界で
かなり特異な位置付けにあるように思う。
メンバー4人、ルックスもなかなか良く、
アイドル全盛の波にある程度歩調を合わせながらも、
本格派ガールズバンドとしてのコアアイデンティティ
を持っているのが最大の強みだ。
しかも、アニメ声のTomomiがいることで、
ファン層の広がりが多いに期待出来る。そして、
僕のように、クールで可愛いMamiのギターが
好きなファンもいることだろうし、
Rinaのドラムもなかなか迫力があって魅力的だ。



そろそろアイドル時代にも陰りが
見え始めている昨今、これからはScandalの
全盛期が訪れないかと密かに願っているが、
ニューアルバム『Standard』は、そんな
期待を見事に満たしてくれる傑作である。