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blue deco design lab

クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

とても惹かれたネコの絵本、『GOMA 黒ネコ、日々色々。』

2025-02-21 16:13:48 | アート

僕は時々お気に入りの本屋に立ち寄り、美術/映画/音楽書籍、絵本コーナーなどをくまなくチェックして回るのが好きだ。そうすると、たまに魅力的な本に遭遇するという素敵な“出逢い”があり、僕のクリエイティブ脳を刺激してくれる。近所の本屋で言えば、青葉台駅にあるBOOK 1stが田園都市沿線では一番書籍の量と質が充実しているのではないかと思うので、お気に入りだ。

そして先日、美術本コーナーで、こちらのイラスト絵本を見つけた。UIKO IKEDAというボールペン画家が描いた絵本である。絵本と言っても118ページもあるので、イラスト作品集とも言える内容だ。絵をボールペンだけで描いているようで、白黒の絵だが、僕も中学生の頃、漫画を描き始めてから長い間ペン画を好んで描いていたので、どこかでとても親近感があるタッチである。白黒なのに、何だか温かみのあるそのタッチに思わず惹かれてしまい、衝動買いしてしまったのだ。

主人公はゴマという名の黒ネコ。どこかヨーロッパ風な町で自由気ままに暮らすネコという設定。町並みがとても魅力的に描かれている。

ボールペンだけで描いているとは思えない表現力で、白黒の絵なのに、どこかカラフルなゴマの日常が描かれているのが何とも面白い。とても温かみと何とも言えない風合いのある絵、そして各ページにさりげなく書かれている言葉にセンスを感じる絵本だ。とても刺激になる本である。

ゴマは自由きままに、毎日元気に暮らしている。本の帯には、『喜んだり、悲しんだり、飲んだり食べたり、恋したり、お金だって稼がなきゃ。ネコもけっこう忙しい。落ち込んだりもするけれど、本能に負けて浮かれたり・・・・。ネコだから?いえ、ヒトもかも。日々のモヤモヤを解きほぐし、前向きに今日を生きる黒ネコ・ゴマがおくる日々のあれこれ。』と書かれているが、まさにそんなゴマの興味深い日常がカラフルに描かれている。

UIKO IKEDAという画家について調べてみたが、これまでインスタグラムを中心に作品の発表をしているものの、活動拠点や年齢など私生活についてはすべて非公開となっているようだ。絵の投稿の他は一切の活動を行って来なかったにもかかわらず、純粋な作品の魅力により国内外で広く支持を得て、現在フォロワー数は 12万人を超えているらしい。

プロフィールには、『ボールペンで気ままに絵を描くことにしました。趣味です。黒ネコ飼ってます。トラネコ飼ってました』と書かれている。自分の飼いネコをモデルにゴマを描いていると思われ、絵の中にピアノも頻繁に登場するが、ピアノを教えているらしいのだ。何ともさりげなく、イラストレーターとして豊かで、素敵なライフスタイルを送られていると思ってしまった。

僕は普段どちらかと言えば、ネコが主人公の絵本などはあまり興味がなく、犬派としてはワンちゃんの本の方に惹かれてしまいがちだ。なので、ネコの絵本を買ったのは本当に久しぶりではないだろうか。絵本で言えば、『100万回生きたねこ』を買って以来かもしれない。

しかし、このゴマはネコながら、ネコにあらず。まさにネコという形を借りて、人間の人生・日々の生活・喜怒哀楽そのものを表現しているのである。その意味では、大げさに言えばちょっと考えさせられてしまう点も多いし、日々の幸せとは何かを色々と教えてくれる絵本でもある。イラストという意味でも刺激を受けたが、ゴマを通して描かれるライフスタイルという意味でも、何だかとても参考・刺激になった絵本・作品集であった。


可愛いワンちゃんを描くイラストレーター、『てらおか なつみ』!

2025-01-17 17:42:59 | アート

先日、お店でこちらの小さな可愛いイラスト作品集を見つけた。てらおかなつみというイラストレーターによるワンちゃんのイラストが描かれた作品集だったが、そのワンちゃんたちがあまりにも可愛くて思わず手に取ってしまった。

しかし、このイラスト、どこかで見たような気がするんだけど・・・・と思いながら、思わずイラスト集を衝動買い。3,000冊限定での販売のようで、1冊毎にシリアルナンバーが入っていて、表紙には直筆サインも入っているのが嬉しい~。

こちらの可愛いキャラクターのクリップも記念に購入。

イラストレーターのてらおかなつみさんのことが気になってちょっと調べてみたところ、1992年生まれなので、今年で32歳になる方だ。広島の高校から、京都精華大学 デザイン学部 グラフィックデザイン学科を卒業し、2016年からフリーランスのイラストレーターとして活動しているようだ。

色鉛筆と鉛筆を使って絵を描き、メインは可愛いワンちゃんを中心にしているイラストだが、良くみるととてもシンプルなデザイン。しかしどこか暖かく、ほっこり・まったりした感じのタッチがとても可愛くて癒される。どこかミッフィーを少しソフトにしたような感覚もある。

今回購入した作品集は、『犬の絵 作品集 vol.2』というもの。まずは僕の大好きなネイビー色の背景に、可愛い白いワンちゃんが描かれた表紙に惹かれてしまったのだ。色も構図も、まさに僕の大好物と言えるデザインである。そして、収録されているイラストはどれも可愛いワンちゃん(一部猫も登場)。だっこしたり、毛布の上でまったりしていたりするシチュエーションが、まるでうちのきなこを見ているようで、どのイラストも見ているだけで癒されてしまう。すっかりてらおかなつみさんのマジックにかかってしまった。

そして、作品集を眺めれば眺めるほど、前にどこかで見たような気がしてならない!と思いながら考えていたところ、2023年に出版された僕の好きな作家、川上未映子のエッセイ、『深く、しっかり息をして』の表紙を飾っていたことが判明。これを見て、どこかで覚えていたのだ。当時表紙のイラストを見た時も可愛い絵だなあ、と思っていたものの、結局誰が描いているかわからないままだった。しかし、てらおかなつみだったということがわかって何だかすっきりした。

これからも日本全国での展示会やイベントなどもありそうなので、これからてらおかなつみさんの作品を気にしながらウォッチしていきたいと思う。


想像力を搔き立てる雲の面白さ!

2024-12-10 22:52:52 | アート

僕は時々空を見上げて、雲を眺めるのが好きだ。普段はなかなか雲をゆっくり眺める余裕がないが、たまに眺めると思わぬ発見があって面白いものだ。

ちょっと前にこちらの雲を見つけたが、良く見るとだんだんと街を襲う巨大なゴジラが見えてきた。これも見方の問題なので、全くそうは見えない人も多いかもしれない。でもちょっと輪郭を描いてみたが、どうだろうか?背中の尾びれがゴジラっぽく見えるではないか・・。

そして、別の位置にはアンギラス(ゴジラ映画第二作、『ゴジラの逆襲』に登場する怪獣)のような別の怪獣も見える。これからゴジラと対決するのだろうか・・。そういう風に見だすと結構面白い。

こちらの方は雲をじっと見ていると、そこにジャンプしているワンちゃんの顔が見えてきた。こちらも少し輪郭をなぞってみたが、どうだろうか?愛犬きなこのことを意識し過ぎで、ついに雲までワンちゃんに見えてきてしまったのかもしれない(笑)。

別の日に空を見上げると、なんと巨大なUFOの集団が飛来!恐るべき宇宙人の地球侵略がついに始まってしまったのだ(笑)。

これらはほんの一例だが、雲を見ていると色々なものに見えてくるから面白い。ちょっとした癒しのひと時となることに加え、想像力を掻き立ててくれるので良い刺激にもなる。これからも時々は空を見上げ、雲で想像力を膨らませられるような、そんな心の余裕をもって日々過ごしたいものである。


オシャレトロでカッコいい!“SHAG”の世界観!

2024-11-29 18:18:40 | アート

先日神保町の古本屋でたまたま気になる洋書のアートブックを見つけて、表紙を眺めていたら、どこかで以前見たことのあるようなイラストが。1970年代の南カリフォルニアでトレンドとなっていた、ハイソサエティー界隈によるパーティーライフ系のイラストが描かれており、どこか懐かしい、何ともオシャレトロな感覚がたまらないアート作品集だ。これまでCMやポスターアートでも見たような気もする。

気になってその場で検索してみたのだが、なんとSHAG(シャグ)の愛称で知られている、Josh Agleというアーティスト・イラストレーターで、やぱり南カリフォルニア出身。SHAGというのは、名前のJosh Agleからshとagを取って組み合わせた遊び心のあるアーティスト名だが、スラングとしてSHAGは”セックス”という意味もあり、特に70年代のサイケでヒッピーな時代に良く登場するトレンドワードだ(映画『オースティン・パワーズ』にも頻繁に登場)なので、これまた何とも面白いネーミングである。

このオシャレトロなイラスト集に思わず惹かれてしまい、この洋書を衝動買いしてしまったが、2005年に出版されたもので、今ではなかなか手に入りにくいものらしい。全148ページで、ソフトカバーだが、2005年出版の割にはとても新品のようでキレイな状態だ。本のタイトルは、『SHAG, LTD. Fine Art Limited Editions』というもので、これもなかなかセンスがいい。SHAGのシリアルグラフのプリント作品を多く収録した内容になっており、なかなか刺激的で見応えのある作品集だ。

カリフォルニアスタイルの部屋(主に広いリビングルーム)や、高台に建つ高級住宅街のプールサイドなどでホームパーティを繰り広げる男女が描かれているものが多く、また裸のセクシーな女性も多く登場。しかし、そのタッチが洗練されたデフォルメになっているせいか、変なやらしさはなく、とことんオシャレトロなテイストで、デザインや構図的にはとても参考になる。特に僕はプールサイドが描かれている作品が気に入ってしまった。家の設計や、部屋の中に描かれているインテリアも、70年代に流行ったレトロなテイストでとてもオシャレ。

また僕が昔好きだったモンキーのイラストで有名なアーティスト/ブランド、Paul Frankとコラボした作品や、マイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』をテーマにした作品もあり、これもクールなトーンでなかなかオシャレ。

ディズニーをテーマにしたプロジェクトも多く手掛けており、その作品には古き良き70年代のディズニーランドを垣間見ているような楽しさがある。

また、お酒ブランドのプロモーションに起用された作品も多く、レトロなイラストタッチとの相性も抜群だ。

これまで日本を含め、世界中で展示会などを実施しているようで、アメリカのパーム・スプリングスには”SHAG STORE”というショップもあるらしく、そこでもシリアルグラフのプリント作品を販売しているようだ。

“SHAG”は今まで知らなかったイラストレーターだが、その作品は色々なところで見たことがあるものだったことで、どこか懐かしさを覚えた。しかしそれと同時に、そのレトロ感が今の時代には逆に新鮮でオシャレな感覚もあり、久々に刺激的なイラスト集を手に入れることが出来た。こういう新たな出会いがあるのも、神保町の面白いところである。


懐かしのトーマス・マックナイト!

2024-10-15 19:56:35 | アート

僕はアートが好きで、高校時代を過ごしたニューヨークでは美術部に入り、自分でも精力的にアート作品制作(主にペン画とポップアート)に取り組んでいた。この頃に美術部の先生だったナタリー・シファーノ先生に指導頂き、描くこともさることながら、アートを観賞することも自分の趣味の一つとなった。

80年代で特にハマったのがアンディ・ウォーホルとロイ・リキテンシュタインで、他にも時代の寵児となっていたキース・へリングも好きだったが、他にも摩訶不思議な絵が魅力だったエッシャーや、ピカソ、モネも好きで良くMOMA (NY近代美術館)に通っては観賞していたものだ。

そして、その後80年代の後半から結構好きだったのが、トーマス・マックナイトである。一度はどこかで観たことのあるかと思うが、当時はその洗練されたオシャレなセンスとポップな雰囲気から一世を風靡したと言えるほどの人気で、マックナイトのポスターを部屋に飾るのがオシャレの定番になっていたように思う。まさに時流にも乗ったアーティストであった。日本で言えば、同じ80年代に活躍した永井博 (大瀧詠一の名盤『ロング・バケーション』のジャケットイラストを手掛けたことで有名)や、『ハートカクテル』で人気となったわたせせいぞうにもどこか色使いやオシャレなタッチが似ており、画家というよりはイラストレーターの域に近いかもしれない。マックナイトは日本の景色なども描いており、これは神戸を描いたものだ。

トーマス・マックナイトは1941年生まれで、今年83歳。マックナイトは、モントリオール、ニューヨーク、ワシントンD.C.の郊外で育ち、コネチカット州ミドルタウンの小規模なリベラル・アーツ・カレッジ、ウェズリアン大学に通った。大学3年時にはパリに滞在。ウェズリアン大学を卒業後、コロンビア大学で美術史を学び、その後、1964年にタイム誌からの仕事を得て8年間働く。1972年に、マックナイトはタイム誌を離れ、ギリシャのミコノス島に避暑に向かい、そこで本格的に絵を描き始める。1979年、ミコノス島で休暇に訪れていたオーストリア人学生レナーテと出会い、翌年に結婚。1980年代を通じてマックナイトは、制作数が限定されたセリグラフ(シルクスクリーン)で人気を得るようになった。現在はニューヨークの北にあるコネチカット州に住んでいるらしい。

正直、マックナイトの絵は、ポップアートと呼ぶべきかちょっと迷うところだ。何か主張したいことがある絵というよりは、オシャレなタッチで描いた、今の時代の“風景画”、“イラスト”とも言えるからだ。マックナイトは一貫して窓の中から外の景色を眺める風景画を描き続けている。物凄い数の作品を制作しているが、パステル調で捉えたリゾートなどの風景を描き続けているが、インテリアとしてポスターを部屋に飾るにはちょうどいい洗練されたタッチで、変な癖が無いので万人受けしやすい作品だ。マックナイトの絵を飾るだけで、部屋が一気にオシャレになるのだ。その意味では商業的なアーティスト/イラストレーターでもあると言えるので、この観点ではポップアートともとれるが、これも独特な作風 & 個性であり、決してアーティストとしての価値を下げるものではない。

描いた景色は基本リゾートが多いが、マックナイトが一番愛し、絵を描くことになった原点でもあるギリシャのミコノス島を描いた作品が一番多い。他には主にカリフォルニアやフロリダにありそうな海沿いの美しいゴルフコースが見える窓辺、アリゾナやニューメキシコにありそうなカラフルでポップな建物を眺める窓辺、そしてニューヨークなどの摩天楼を見つめる高層アパートメントからの眺めなどを好んで描いた。欧州では主にギリシャ・ミコノス島、ベニスなどが多く、アメリカ国内はかなり幅広くリゾート地を描いているが、どれも統一感のあるクオリティで、オシャレな風景画となっているのだ。そして、そこには常に“窓”がある。

僕も80年代当時凄く好きで、それ以降もアメリカの住まいで、フレームに入ったマックナイトのポスターを部屋に飾ったりしていた。本物のシルクスクリーンではなく、あくまでも印刷されたポスターなので、絵としての価値は無いが、いつも部屋を楽しく彩ってくれていた。実は、今でも2枚のポスターを持っている。1枚は正方形で中盤サイズのフレーム付きポスターだが、もう20年以上も自宅のトイレに飾っている。それがこちらの『Golden Gate』というタイトルの絵だ。これはサンフランシスコの市内にある丘にあるアパートの窓から、ゴールデンゲートブリッジとアルカトラズ島を眺めたもので、僕の大好きな街であるサンフランシスコを描いた作品で、このパステルブルー調の色合い含め、昔からお気に入りのマックナイトポスターだ。

もう1枚は実家の廊下に飾っているこちらの大型フレームポスター。確かこれは以前サンノゼのアートギャラリーで見つけて気に入ってしまったもので、パステルブルーの木製フレームが美しい、かなりの大型ポスターである。ポスターよりも、むしろ木製フレームの方が高いかもしれない(笑)。正方形ではなく、縦型の大型ポスターという点も結構レアだ。タイトルは『Monte Carlo』ということで、まさにモナコの海岸線を描いた作品。グレース・ケリーが大好きな僕としては、モナコは特別な場所なので、この絵も気に入っている。

1990年頃に購入したこちらの大判マックナイト画集、『Windows On Paradise』を所持している。テーマ別に彼の作品を掲載しており、大判だけに見応えも抜群。この画集も時々懐かしくマックナイトを思い出した時に眺めて楽しんでいる。

トーマス・マックナイトの描く窓からの景色は、かなりデフォルメされているので決して写実的ではないのだが、それでいて崩し過ぎでもなく、見事にその景色を再現しながら、現場の美しさや空気感までオシャレに届けてくれるような気がして、その景色にとても癒される。上記本のタイトルにもあるが、彼の絵は一貫して“窓”というものを通して、理想郷へと誘ってくれる。そんな魔法の窓を見せてくれるのが、トーマス・マックナイトなのである。