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クリエイティブが大好きなのに、なぜか商社マンになってしまった私のマニアバース!

三谷幸喜の傑作時代小説、『清須会議』!

2012-07-23 00:08:00 | 小説・エッセイ
先日、TBS『王様のブランチ』で三谷幸喜の新作歴史小説、
『清須会議』が紹介されていたが、そのとても面白そうなテーマに
思わず興味が湧いてきてしまい、すぐに本屋で購入した。



読みだしてみると、これが何とも読みやすい!
先の展開が楽しみになって、どんどんのめり込んでしまう。
普通歴史小説等は、言葉遣いも含め難しくなりがちだが、
この本は現代語訳となっている点でも読みやすく、
そして何よりも三谷幸喜らしい、とてもユーモアラスな解釈が
与えられているのが何とも面白いのだ。
“実際、こんな感じだったのかもなあ”なんて
思いながら読めてしまう、そんな味のある作品である。
正直、こんな面白い本は久しぶりに読んだ。

『清須会議』とは、実際に歴史上あった出来事。
明智光秀に暗殺された織田信長の後継者を誰にするかを選ぶという、
戦国時代に終わりをもたらせたこの重要な決定事項が、
戦場では無く、清須城での“会議”という形で行われたのだ。
そもそも、城好きで、戦国時代や安土桃山時代が大好きな
僕としては、この清須会議という題材自体興味のある
テーマであったが、これを一つの小説の舞台にしてしまうという点が
如何にも三谷幸喜ならではの着眼点で素晴らしい。




会議ということで、普段は歴史の教科書等では軽く流されて
しまう出来事だが、本来その登場人物は豪華で多彩。
しかも密室にも近いドラマ設定が、全体に緊張感を与えていて面白い。
中心となるのは織田信長を支えた4家老。
天下を狙う豊臣秀吉、それを阻止したい柴田勝家、
頭脳明晰な丹羽長秀、そして流れに乗るのが巧みな池田恒興
という主要会議メンバーを中心に、
これを取り巻き、利用される織田信長の次男である織田信雄と
三男の信孝、信長の弟である信包、そして、
それぞれ自分の思惑がある信長の妹、お市の方、
秀吉の妻の寧、秀吉のブレインである黒田官兵衛など、
様々な人物が登場し、清須会議前後の計5日間の息詰る攻防を
見事な笑いとドラマに満ちた駆け引きに仕上げている。



実際の会議が始まる前に、双方水面下で絶妙な
駆け引き合戦が行われるわけだが、それぞれ相手の性格を
掴んだ上でのユニークな攻防が何とも功名。同じシーンを
それぞれ違う人物の立場・視点で描く点で
物語に深みを与えており、そして三谷幸喜らしい
笑いが随所に散りばめられている。



この多彩な登場人物設定は、三谷幸喜作品に不可欠な要素だ。
そしてこの小説、来年には三谷幸喜により
映画化されることが既に決まったらしいが、
誰が豊臣秀吉や柴田勝家を演じるのか、とても楽しみである。
きっと『ステキな金縛り』にも負けないような
豪華キャストな作品になること間違いなしである。
映画にも注目したいが、まずはこの傑作物語を、ぜひ
本で読まれることをオススメしたい。


美しき狂気の世界、『ヘルタースケルター』

2012-07-21 00:01:00 | 映画
今話題となっている映画、『ヘルタースケルター』を今日観賞してきた。何かとお騒がせの沢尻エリカ様、久々の主演作ということで注目していたが、個人的には監督の蜷川実花にも以前から興味を持っており、とても楽しみにしていた映画である。



まず、蜷川実花と言えば、言わずと知れたあの蜷川幸雄の娘。有名監督・演出家の娘で共に才気溢れる女流映画監督という点で、フランシス・フォード・コッポラ監督の娘であるソフィア・コッポラとも比較されることが多いが、どちらの女流監督も、親に負けず、実にオリジナリティー溢れる独特な感性で作品を発表している。

蜷川実花の初監督作品、『さくらん』は、
花魁の世界を独特の色合いと世界観で描き、
土屋アンナを起用したことでも話題となったが、今回の『ヘルタースケルター』は一体どんな映画になってしまうのかとわくわくしながら、今回シネコンに足を運んだ。

まず、見終わった率直な感想として、色々な意味で“強烈”の一言!思いっきり打ちのめされてしまった。そして、沢尻エリカの美しさは作品中際立っていた。



全身整形を重ね、スターに上り詰めていくリリコ。しかし、彼女が次第に狂気の世界に堕ちていく姿を沢尻エリカが、強烈なインパクトを持って熱演している。



沢尻エリカを主役に抜擢したのは、とても紙一重で危うい選択では無いかと思ったが、蜷川実花も一か八かの賭けに出たというわけだ。私生活でも何かとお騒がせな沢尻エリカは、リリコを地で行く感じもあって、ある意味一世一代のハマリ役が回ってきたとも言える。元々演技に定評があった沢尻エリカだが、『クローズドノート』以来映画主演から遠ざかっており、その意味では今回あまりにも強烈な形でのカムバックを果たした。しかも、今回はヌードや強烈なセックスシーンなどもこなし、何とも衝撃的!まさに体当たりの演技であった。



そして、リリコ役の沢尻エリカを、桃井かおり、寺島しのぶ、哀川翔、窪塚洋介、大森南朋、水原希子等、個性豊かな役者陣が固める。



映画全体を支配する、蜷川実花の極彩色な世界。そして、狂気に堕ちていくシーンは、ヒッチコックの『サイコ』さながらの、オカルトチックな音楽と演出がとても印象的。全体的に、映画というよりは、アート作品を見ているような狂気と幻想に満ちた世界観を持たせながら、うまくリアリティーを融合している点で、芸術性の高い、秀逸な作品であったと思う。



衝撃的なラストも含め、見終わった後にどっと疲れる映画であったが、インパクトという意味では今年ナンバー1の映画だろう。
そして沢尻エリカの美しさと見事な怪演は一見の価値有り。蜷川実花もまた凄い映画を作ってしまったものである。


今年の夏も、やっぱり村上春樹のエッセイ集

2012-07-19 23:24:00 | 小説・エッセイ
ちょうど昨年の8月のブログで、村上春樹のエッセイ集、
『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』を
読んだことを取り上げたが、今年も夏場に差し鰍ゥった
この時期に、エッセイ集第三弾、
『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』が発売され、
またまた購入してしまった。



今回もまた、興味を惹かれるユニークなタイトル。
そして、相変わらず大橋歩さんのイラストが実にいい。
シンプルながら秀逸な装飾デザインを含め、
なんとなく手に取って読みたくなってしまう本である。

兎に角、力の抜けた脱力感のあるエッセイが読みやすい。
アンアンに連載された、全52編から構成されているが、
1編がそれぞれ大橋歩さんのイラストページを入れて4ページ。
通勤電車で読んでいると、一気にスラスラ読めてしまうのだ。
今回も大橋歩のイラストが描かれた栞が付いているが、
エピソードの1つに登場する犬のイラストで、
なかなかおしゃれである。



読みやすさもさることながら、“あるある!”と
思えるような、共感出来るエピソードが多く、
勝手に村上春樹の生活を疑似体験出来たような気になってしまう。

今回共感したのは、アメリカのボストンで有名な
ブルーリボンビールに関する話。村上春樹も
書いているように、確かにこのビールは値段も高く無い普通のビールで、
労働者向けビールという位置づけだが、
これが意外にもさっぱりして美味しいのだ。
僕もアメリカに出張に行く時、必ず飲むビールに
サミュエルアダムズ(これもエッセイの中に登場)やアンカースティームがあるが、
このブルーリボンビールも見つけた時は、つい飲んでしまう。




そして、各エピソードの最後に、『今週の村上』という
独り言のような一行コメントが載っているが、
和んでしまうものが多く、とても面白い。

例えば、
- 「高田馬場と裸のばばあ」ってわりに聴き間違えやすいですよね。そんなことないのかな?
- 太田胃散はいつか世界遺産になるんでしょうか。どうでもいいことだけど。
- 「何回読んでも難解だ」という文章が、意味もなく頭から離れません。何とかしてほしい。
- 市川海老蔵さんと食事をするとき、海老天丼を頼んだりするとやはり失礼にあたるんでしょうか?
- レレレのおじさんって、どんなちりとりを使っていたっけ?思い出せません。
- 誰か暇があったら、世田谷区に「用賀ヨーガ教室」をつくってくれませんか。
- 洗面所に入ってTOTOというロゴを目にするたびに、つい「ロザンナ」を口ずさんでしまうのは、僕くらいかな?

という具合に、かなり“あるある!”系で面白い。すっかり癒されてしまう。

この村上春樹のエッセイは、何だか“ヤクルト”みたいである。
それぞれの話は短く、ヤクルトで言えば、”もっと飲みたい、1リットルサイズがあればなあ~”、
と思ってしまうが、やっぱりこれは短いから良いのだ、と。


新たなTシャツデザイン、『Blue 3』を製作?

2012-07-18 07:24:00 | My Artworks
青いヌンチャクの話はこの前ブログに書いたが、
青いヌンチャクを使った新しいTシャツ向けの
ロゴとして、前々から温めていたデザインが、
ようやくこの程完成した。その名も『Blue 3』。



これは僕の師匠であるブルース・リーへのオマージュとして
“ブルー・スリー(Blue 3)”にしたお遊びだが、
3の数字を好きなブルーにすることでまさにBlue 3となり、
そこに理想である青バージョンの死亡遊戯ヌンチャクデザインを
配置したわけである。

このデザイン、どうでしょう?
一見かなり単純なデザインのようだが、
これでも何度となくデザイン変更を繰り返し、
ようやくしっくりいくデザインに辿り着いた。
3のフォントや全体の配置、そして色合いなども含めて、
最終決定するのに時間が鰍ゥってしまったが、
結局、10バージョンくらいは作っただろうか。

ヌンチャクを使ったデザインは、以前に下記
『No Chucks (朝8時から夜8時迄はヌンチャク使用禁止)』
という作品を制作したが、これに次いでの作品となる。



今年の夏は、このロゴのTシャツを製作してみようかと考えているが、
胸に大きく配置するか、袖にさりげなく配置するかを
含めてこれから検討してみたい。


松田聖子のライブに初参加!

2012-07-15 10:56:00 | 松田聖子

7月13日の(金)、武道館で行われた松田聖子のライブツアー、
『Very Very Concert Tour 2012』に参加した。
松田聖子は昔から大ファンであったが、何とライブに
参加するのは今回が初めてで、思わず興奮してしまった。



やはり予想していた通り、ファン層は30-50代が中心で、
若い子はあまりいなかったが、逆に自分としても落ち着く
雰囲気ではあった。会場前方には恐らく昔からのファンクラブ
常連が陣取っていると思われるが、かなりの盛り上がり!。



しかし、今でも最前線で活躍する松田聖子のライブを
生で見れたのは、ファンとしては本当に感慨深い。
僕が最も松田聖子の曲を聴いていたのは、
小学生から中学生にかけてであり、
1982-1984年くらいが聴いていたピークでは無いかと思う。
僕の好きな曲トップ4は、順に『瞳はダイヤモンド』、
『夏の扉』、『チェリーブラッサム』、『秘密の花園』だが、
今回見事にこの4曲を披露して
くれたのは、まさに鳥肌ものであった。

セットリストは下記の通り。今年6月に発売されたニューアルバム
『Very Very』からも数曲披露しているが、名曲のヒットメドレーや、
面白いMCも多く取り入れ、ファンサービス満点。



1 涙のしずく
2 You are everything~あなたがすべて~
 MC
3 あなたと生きること
4 あなたに逢いたくて~Missing You~
 ブリッジ(bless you)
5 瞳はダイアモンド
6 小麦色のマーメイド
 MC
7 Sweet Memories
 MC
8 秘密の花園(途中でバンド紹介)
9 白いパラソル
アンコール 秘密の花園(再度バンド紹介)
 MC
10 赤いスイートピー
 ライブのメイキングビデオ上映
 (大切なあなた~輝いた季節へ旅立とう~赤いスイートピー)
11 The fantastic world
12 Your Magic
13 Very Very!
14 Let's talk again(ダンサー紹介)
15 ヒットメドレー
  Rock'n Rouge
  時間の国のアリス
  渚のバルコニー
  天国のキッス
  チェリーブラッサム
  夏の扉
アンコール
 20th Party
 30th Party

しかし、松田聖子も今年50歳とは驚きだ。
肌艶といい、とても50歳には見えない美貌だが、
そのライフスタイルを含め、既に人間を超越した
“神”の域にも達していると言える。



十代でアイドルとしてデビューし、
常にトップアイドルとして日本の音楽業界を牽引し、
走り抜けてきたその功績は大きい。
プライベートでも多くの恋、結婚、そして出産などを重ね、
いつもその言動がマスコミにさらされながらも、
新しい女性としての生き方や価値観を持つ“強い女性”として、
独特のャWショニングを確立してきた。
常に山口百恵とも比較され、そして同年代のアイドルとしては、
小泉今日子とも比較されることが多いが、
小泉今日子も歌手業もやりながら、ドラマや映画などでも
成功をおさめ、松田聖子も歌手、そして実業家としての
圧涛Iな存在感を持ち続けており、80年代に活躍したアイドルの
パワーには本当に脱帽してしまう。



往年の名曲とニューアルバムからの新曲も聴けて、
とても感慨深いライブとなった。