始めに言っておくが、僕は昔から大のジャイアンツファンだ。昨年に続き、今年も見事にぶっちぎりでセ・リーグ優勝。若手も育ってきて、4番岡本も本塁打王と打点王を獲得、エース菅野は14勝で最多勝を受賞し、坂本は2,000本安打を達成。何とも素晴らしいペナントレースになった。しかも、コロナで開幕が大幅に遅れた関係で、過密な試合スケジュールとなり、選手もファンも大変な1年であったと思うが、本当に選手たちも良く頑張ったと労いたい気持ちで日本シリーズを迎える筈だった。
そして、そんな素晴らしいペナントレースを終えて、ついに読売ジャイアンツ vs. ソフトバンクホークスの日本シリーズが開幕したが、あっという間に終了してしまった。
結果は、昨年に引き続き、今年も0勝4敗のストレートでジャイアンツがソフトバンクホークスにあっけなく敗れ去った。開催前から、ある程度負ける可能性は高いとは思っていたが、さすがに2年連続で4タテされるとは、ジャイアンツファンとしてはかなりのショックであった。しかも、昨年よりも今年の方が内容酷く、完膚なきまで叩き潰されたという印象が強い。もはや、“罰ゲーム”に近いものがあった。それは例えて言うならば、高校球児がプロ野球チームに立ち向かっていたかのようなレベル差が歴然と存在したことが本当に辛い。まさにジャイアンツとしては歴史的な屈辱を味わったシリーズとなった。
全4試合の結果は下記の通り。
第1戦 巨 1 - ソ 5 (勝ち投手: 千賀、負け投手: 菅野)
第2戦 巨 2 - ソ 13 (勝ち投手: 石川、負け投手: 今村)
第3戦 巨 0 – ソ 4 (勝ち投手: ムーア、負け投手: サンチェス)
第4戦 巨 1 – ソ 4 (勝ち投手: 松本、負け投手: 畠)
全4試合でジャイアンツが上げた得点は、なんと僅か4点。しかも、第1戦はエース菅野が打たれ、千賀の見事なピッチングにG打線は全く付いていけず、完封される目前の9回で、何とか犠牲フライによる1点を取るのがやっという始末。
第2戦はソフトバンクの巨力打線が火を噴き、13得点を上げられて完敗。ジャイアンツのシリーズ唯一のホームランによる得点をウィーラーが打つのがやっとこさ。
更に酷かったのは第3戦。9回までノーヒット。あわやノーヒット・ノーランをやられてしまう寸前であったが、こちらも9回に丸がヒットを打ち、何とかノーヒット・ノーランだけは免れたものの、見事な完封負けで手も足も出なかった。
そして3連敗で迎えた第4戦。坂本のタイムリーで、シリーズで初めてジャイアンツが1回の表で1点を先制した喜びもつかの間。1回の裏に早速畠がソフトバンク打線に捕まり、すぐに逆転を許すと、結局この日ジャイアンツが上げた得点はこの1点だけ。大した見せ場も無く、最終的には4-1で終了し、ソフトバンクは見事4年連続日本一に輝いた。
それにしても、酷い内容だった。何が辛いかって言えば、短期決戦で調子が出なかったとか、今回はツキがなかったとか、もはやそう言った次元のレベルでは無かったことだ。
ペナントレース終盤、優勝を決めるまでの数試合は、かなり内容がお粗末であった。この辺りは、終盤の疲れもあったとは思うが、なんとも詰めが甘いという印象で、中継ぎ陣のふがいなさも目立つようになっていたので、これではソフトバンクにやられてしまうなあ、と思ってしまうほど終盤の内容が悪かった。また、今年はセ・リーグのクライマックスシリーズが無かった為、日本シリーズまでかなり間延びしてしまったのも大きな不安要因ではあった。
そして、この不安は見事過ぎるくらいに的中してしまったのだ。でも、やっぱり調整不足などというものでは説明できないくらい、根本的な実力差があったのは、残念ながら否めない。そもそもエース級の投手はあまり打てず、2番手、3番手ピッチャーが出てきた時にヒットを畳みかけるという傾向は昔からジャイアンツにはあったが、まさにソフトバンクのエース級投手には手も足も出なかった。
菅野は一流の投手だと思うし、そう大量点を相手に与える投手ではない。その意味でセ・リーグを代表する投手であることに変わりはないが、ソフトバンクの投手は、気迫も球の勢いも、今回菅野を上回るものがあったのは明白であった。
問題は投手だけの差ではない。捕手のリードも大きな要因だった。甲斐はさすがにジャイアンツの各打者をどうやったら封じ込めるかを熟知していた。果たして、大城はそこまでソフトバンク打線を分析出来ていたのか、甚だ疑問である。
打線にも大きな差があった。セ・リーグの中では、息も付けないジャイアンツの強力打線でも、ソフトバンク打線の前ではすっかり霞んでしまった。坂本、岡本、丸のクリーンアップ打線が何とも大ブレーキであったことか。試合を見ていると、バットのスウィングスピードもかなり違うので、完全にみな振り遅れていた。ジャイアンツ打線のあのバッティングでは、パリーグのエース級投手には苦労するだろう。
そもそも、セ・リーグ各チームのふがいなさがジャイアンツを甘やかしてしまっているという面も否めない。そして、いつの間にか、ジャイアンツは“井の中の蛙“になってしまっていたわけだ。ジャイアンツの今の実力はセ・パ全球団を混ぜて1リーグ制にしたら、恐らく4位-5位争いをしているチームだろう。今のロッテと西武の方が恐らく強いと思うからだ。その意味では、セ・リーグ全体がもっと切磋琢磨出来る土壌を作らないと、いつまでもレベルが上がっていかないし、パ・リーグとの実力差は埋まらないということかと思う。
来年のジャイアンツは、セ・リーグのぬるま湯にあぐらをかくことなく、もっと1試合1試合を厳しく、勝ちに拘るプレーを各選手が心鰍ッる必要があるだろう。終盤戦のお粗末さはかなり目に余るものがあった。
菅野は来年ャXティングシステムでメジャーリーグに挑戦する可能性がある。そうすれば、14勝上げていた投手がいなくなるわけで、ジャイアンツはかなり苦しくなる。やはりしっかりローテーションをキープ出来るエース投手が2-3人は欲しいところだ。昔で言えば、江川、西本の2本柱、桑田、槇原、斉藤の3本柱みたいな厚みが欲しい。その意味では、菅野が抜けた方が、若手が奮起して、育って行くという面はあるかもしれない。1≠Q年は優勝できなくても、その間に成長してくれるのであれば、それも価値のあるプロセスかもしれない。そこには、戸郷、畠辺りが更に成長して行くところをぜひ見たいものだ。
また、ジャイアンツの4番岡本は、かなり成長してきたとは思うが、もっと表情に厳しさが欲しい。どうもボケっとした雰囲気があって、相手投手に対して凄みを与えない。そして、技術的にももう一段ステップアップして行く必要があるだろう。その時に、真のジャイアンツ4番として歴史に名を刻むことが出来るのだと思う。
ソフトバンクにリベンジする機会を楽しみにしたいが、まずは根本的なレベルアップに向けて、来期は厳しく励んで欲しい。そして結果として、日本一をまたジャイアンツが成し遂げる日を楽しみにしたい。