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ブルース・リーWBLC 2023参加2日目 『死亡遊戯』を鑑賞!

今日もWBLCに参加したが、今回鑑賞したのはブルース・リーの遺作となったカリスマ大作『死亡遊戯』。

場所は同じくヒューマントラストシネマ渋谷。宮下パークのすぐ前で渋谷駅B1出口からすぐなので、とても便利な場所にある。スクリーンは昨日と同じスクリーン3。

『死亡遊戯』は1978年に公開された映画だが、実は1972年夏に『ドラゴンへの道』完成後に香港にこもり、五重の塔を登って行きながら各階の敵を倒すという構想で、『死亡的遊戯』という新作のアイディアを練っていた。ちょうどそこへ截拳道の生徒であったMBAスター選手のカリーム・アブドール・ジャバールが香港を訪問したタイミングでクライマックスとなるアクションシーンを幾つか撮影。しかし、その後ハリウッドから『燃えよドラゴン』の主演オファーが舞い込んだことから、『死亡遊戯』の撮影は延期となってしまった。そして、そのまま翌年の1973年7月20日、ブルース・リーは『燃えよドラゴン』の全米公開直前に亡くなってしまった為、『死亡遊戯』も未完となってしまった。

そんな『死亡遊戯』の存在を知った世界中のファンや関係者による熱い要望により、なんと権利を持つ製作会社のゴールデン・ハーベストは、『燃えよドラゴン』のロバート・クローズ監督に委ね、5年の歳月をかけて『死亡遊戯』を完成させ、1978年に公開されることになったのだ。クライマックスの20分ほどの映像はあったものの、それ以外の映画のシーンは全く無い為、1本の映画にするのは大変だったことだろう。主役のビリーを映画途中で死んだ設定にして、変装しながら復讐を狙うというのは極力ブルース・リーの顔出しを抑えつつ、そっくりさんなども使うのに何とも好都合な設定。その意味で優れた脚本であった。このように主演俳優が亡くなってからそっくりさんなどを使って映画を完成させた事例は少なく、映画界でもかなりレアでケースであると言える。

『死亡遊戯』が他にも有名になった理由は、その伝説と化したカルト性。映画タイトルを知らない人でも、あの黄色いトラックスーツはみんな様々なところで見かけたことがある筈だ。世界中のCMや映画で多く使われ、映画でも『カンフーパンダ』、『キルビル』、『少林サッカー』など多くの作品にオマージュやパロディーとして登場する。まさに世界で最も有名なカルト映画、ポップアイコンと化してしまったのだ。最近、あのちゃんが歌う新曲でも黄色いトラックスーツで踊る演出が使われており、今でもその影響力は全く衰えていない。僕も愛犬きなこ用黄色いトラックスーツを購入したりしながら撮影を楽しんでいる。

今回また『死亡遊戯』を観て思ったのだが、もちろん細かく粗を探し出すとキリがないし、突っ込みどころも満載だ。例えば、ブルース・リーが着ていた黄色いトラックスーツは濃い黄色なのに対して、そっくりさんが着ているものは少し黄色の度合いが違うので違和感があることや、ブルース・リーの他作品のカットなどがかなり使われているが、その使われ方が結構雑なところや、明らかにそっくりさんとわかってしまうようなチープなシーンも実に多い。

そもそもそっくりさんとブルース・リーでは体つき・筋肉の付き方が全く違うのですぐにばれてしまう。そっくりさんを演じたタン・ロンや、一部スタントで代役を務めたユンピョウはかなり頑張って良くやっていると思うが、やっぱりどうやったって華のあるブルース・リーの動きは別格であり、なかなか真似出来るものではないのだ。今回の4K版も、前回2020年開催の『4K復活祭』と同じだと思うが、ブルース・リーの怪鳥音がちゃんと正しいものに置き換えられた日本公開時バージョンになっているのでほっとした。米国版とかだと、怪鳥音が別の人の声になっており、何とも気が抜けた感じで最悪なのだ。

しかし、それでもやっぱり『死亡遊戯』はハリウッドによる製作だけあって映画としては良く出来ているし、物語として面白い。カメラワークや脚本が実に巧みにできている上、音楽はあの007で有名なジョン・バリーが手掛けており、メインテーマ曲はまさに『燃えよドラゴン』と並び、アクション映画音楽の金字塔となった。そして映画のエンドタイトルで、ブルース・リーの過去作品名場面をバックに流れるヒロイン役・コリン・キャンプが歌う主題歌、『Will This Be The Song I’ll Be Singing Tomorrow』が何とも切なく、ブルース・リーへの追悼曲として心に響く。毎回『死亡遊戯』を観終わると、静かな感動が残る。その意味でスタッフも一流が揃っていた。

もちろん、ブルース・リーファンとして『死亡遊戯』最大の魅力は生前撮影されたラスト20分の壮絶な格闘シーン。これはモノホンのブルース・リーを満喫出来る貴重な歴史遺産だ。しかし映画『死亡遊戯』はそれだけではなく、僕はむしろ映画としての面白さと、数あるブルース・リーそっくりさん映画の中で最高峰の作品という意味でも味わい深い作品である。また、もしブルース・リーのオリジナル構想通りに完成させていたら、どのような作品となったのだろうなど、色々と妄想しながら楽しめる作品という点でも、“愛すべき伝説のカルト映画“としてファンの心にこれからも残っていくことだろう。

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