今年も7月20日を迎えた。
7月20日と言えば、僕にとっては特別な日だ。ブルース・リー師匠が亡くなった命日なのである。1973年の7月20日に香港で他界してから今年で早51年。昨年は没後50周年ということで映画の4Kリバイバル上映や、多くの出版物なども新たに出版されて大いに盛り上がった1年となったが、今年は命日にこそ行けなかったものの、3月末にシアトルでお墓詣りが出来たことで、また自分の中では大きな節目とすることが出来た思いだ。
そして、今年の命日前にタイミング良く、ブルース・リーの記事を取り上げた雑誌が出版されたので、早速購入した。株式会社ヘリテージが年4回発行している男性誌『昭和40年男』の最新号(Vol.86 2024年8月号)である。この雑誌は、1965年生まれの男性あたりをターゲットに絞った、かなりマニアックな昭和ノスタルジーが楽しめる雑誌で、僕もかなり近い世代なので時々特集によっては買ったりしている。
今回の8月号は、『昭和英雄列伝 アクションヒーローのように』がテーマ。イラストレーター菅原芳人が描いたカッコいい仮面ライダーが表紙を飾っているが、まさに1960年後半代から70年代にかけて、当時の子供たちを熱狂させた“ヒーロー”にスポットを当てた企画だ。仮面ライダーを中心に、人造人間キカイダー、イナズマン、アイアンキング、シルバー仮面、ライオン丸、鉄人タイガーセブン、電人ザボーガー、レインボーマン、コンドールマン、ダイヤモンド・アイなど、当時乱立していた特撮ヒーローものを多く取り上げ、演じていた当時の俳優などへのインタビューなどを纏めているので、ファン必読のレアな内容となっている。僕はこの中で全てを観ていたわけではないが、やっぱり仮面ライダーとキカイダーは良く観ていたので思い出深い。そして意外にもイナズマンとライオン丸もかなり印象に残っている。
そしてヒーローとして、やっぱり“生身の人間でここまで出来るのか!”と当時衝撃を持って捉えられたアイコンとして、ブルース・リーが存在しており、その後のドラゴンブームなども含め多くのページを割いて取り上げている。特に1973年に『燃えよドラゴン』が公開された時は、誰もがこんなに強いアジア人が世の中にいたということに驚いたわけで、まさにブルース・リーは僕を始め多くの人にとっての“スーパーヒーロー”になったのである。
雑誌の中で、錦織一清と大槻ケンヂの”俺たちのアクション・ヒーロー対談”も収録されており、この中でもブルース・リーの衝撃について語られているのが面白い。
雑誌では多くのヒーローもののイラストを手掛けた菅原芳人に関してもかなりのページを割いて紹介しており、彼は仮面ライダーのイラストが特に有名だが、実はブルース・リーのイラストも多く手掛けている。下記リンクの通り、以前僕のブログでも菅原芳人の描いたブルース・リーイラスト集について取り上げたことがあるが、とても素敵なイラストを描くのでかなり気に入っている。
素晴らしいブルース・リーのイラスト集! - blue deco design lab (goo.ne.jp)
また、この雑誌ではafterブルース・リー、beforeジャッキー・チェンの1970年代にカンフーブーム・ドラゴンブームを牽引した倉田保昭にもスポットを当てており、彼の映画やインタビューなども紹介しているが、生前のブルース・リーと会ったことのある数少ない日本人として、今となってはとても貴重なレジェンド的存在である。この特集を読んでいて、思わず倉田保昭主演映画を改めてじっくり観てみたくなってしまった。そして彼の代表作、『帰って来たドラゴン』が7/26から新宿武蔵野間などでリバイバル上映されるというのも嬉しい情報であった。
『昭和40年男8月号』はブルース・リーに関しても良いヒーロー特集記事となっており、今年の命日に振り返るにはとても良い内容であった。