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10年ぶりに瀬戸内海の“弓削島”へ!

今回、今治の母方の祖母や親戚に会うことと、2008年に亡くなった祖父の墓参りに加えて、もう一つ大きな旅の目的があった。それは、瀬戸内海の弓削島にある父方の祖父母と先祖のお墓参りをすることである。

弓削島は愛媛県に属する瀬戸内海/上島町の島の一つ。父方の実家なのだが、祖父は太平洋戦争で戦死しており、祖母も10年前くらいに既に亡くなっているので、実家は本来父が相続していたが、父も頻繁に弓削島に帰れないことから、今治に住んでいた妹夫婦にかなり前に資産譲渡をした。しかし、今年妹(叔母さん)が82歳で亡くなり、妹の旦那さん(義理の叔父さん)が今は一人で住んでいる。今回、弓削島を訪れるのは10年ぶりくらいだろうか。今治に行くことはあっても、なかなか弓削島まで足を運ぶことが出来ずにいた。

弓削島はしまなみ海道近くの瀬戸内海に浮かぶ小さな島だが、今治港からは芸予汽船の快速船で約1時間。途中で幾つかの島に立ち寄ってから進むが、この快速船がなかなかスピード感もあって結構僕は好きなのだ。電車とも飛行機とも違う海の景色と、波に揺られながら進む独特な雰囲気や船の匂いが何だか懐かしい。幼少の頃は良くこの快速船やフェリーに乗って弓削島に行っていたのが良い思い出としてよみがえる。

途中の岩城島などには大きな造船所などもあって、やはり今治造船に代表される船の町であることを痛感する。

弓削港は、弓削島の下弓削という島の南側にあり、父の実家がある島の北側となる上弓削までは車で5分くらい。すぐに一周出来てしまうような小さな島なので快適なのだが、しかしタクシーなどもなく、バスも2時間に1本くらいの本数しかないので車が無いと結構不便だ。また弓削島はしまなみ海道と陸続きになっていない島なので、一度フェリーで因島まで渡らないといけない。このことから、ある意味メジャーな島にならずに田舎度合いが上手く保存されてきたとも言える。しまなみ海道にリンクされていない弓削島、岩城島、生名島、佐島の4つの島は橋で結ばれており、ゆめしま海道と呼ばれている。長閑で手付かずの自然とキレイな海が最大の魅力だ。

実家は本当に“古民家“と呼ぶにふさわしい、古い家だ。戦前から存在していたので、恐らく築80年くらいになるのではないだろうか。昔ながらの町屋風なつくりで、玄関を入ると中庭がある。そしてコの字型に家があり、その昔は離れのお風呂が五右衛門風呂だったし、トイレはもちろん汲み取り式だった。さすがに叔父が住むようになって色々とリフォームして、今は最新のトイレとお風呂になっている。

古民家の空き家問題は弓削島でも深刻なようだが、近くの古民家は100万円くらいで売られて、新たにリノベーションなどをしてお店にするような新しい動きも加速していた。隣の家を持つ大家の息子が家をオシャレなカフェに改装しており、となりはすっかりオシャレな庭の空間まで出来ていたのには驚いた。どうやら最近は外国人が移住してきているケースも増えており、またしまなみ海道をサイクリングする若者も多く、若者をターゲットにしたレストランやカフェも増えているようで、素敵なガイドブックなども出来ていた。

裏の狭い路地などが実に多く、人も殆ど歩いていないのだが、これがまた絵になるというか、風情があっていい。

ド田舎だとばっかり思っていた弓削島に新たな息吹が芽生えていることが感じられた旅であったが、また実家を違った視点で見ることが出来たように思うし、海と自然に恵まれた弓削島の良さを再認識することも出来た。

父が守ってきた祖父母と先祖の墓は、海を遠くに見下ろす丘の斜面の墓地にあるのだが、かなり抜群のロケーションだ。久しぶりに訪れたが、何故か知っていた筈のお墓も、違った風に見えてしまい、このお墓の素晴らしさも再認識してしまった。

夜は弓削島にある唯一のホテル、“インランドシーリゾート フェスパ”に宿泊。ここはド田舎の弓削島とは思えない素敵なリゾートホテルで、全室オーシャンビューで眺めが素晴らしいのだ。そして今回露天風呂が付いている部屋を予約したので、まさにリゾート気分を満喫することが出来た。少しは母への親孝行になったのではないかと思う。

そして、今回父のお骨を少しだけ分骨して、実家に置いているミニ骨壺があるのだが、父を弓削島に帰らせてあげたいと思い、今回一緒に持ってきた。フェスパの露天風呂から弓削島の景色を見せてあげることが出来たが、父も良い里帰りが出来たのではないかと思う。

翌日はフェスパから弓削港に移動し、今治に戻ることに。この後、今治から松山まで更に電車で移動し、夜は松山市内で一泊したが、また松山の模様は次回に続く・・・・。

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