
久々にこの映画がむしょうに観たくなり、アメリカよりブルーレイを取り寄せ購入することに。この映画は日本では公開されていないので知らない人が殆どで、後に日本でVHSが発売されたそうだが、ブルーレイは発売されていない。よってアメリカで買うしかないのだ。ブルーレイなら、リージョンコードなど無いので、日本でも普通に観れるから嬉しい。

実はこの映画、ショー・コスギという日本人がハリウッドで主演を果たした忍者映画なのである。ショー・コスギって誰?って声が聞こえてきそうだが、このショー・コスギこそが、あの日本でも有名になったケイン・コスギの父親なのである。


この映画は、1980年代に公開された一連の忍者映画シリーズの第二作。第一作は、『Enter The Ninja』という、まさに『燃えよドラゴン』の英語タイトルをもじったタイトルの作品。そして、第三作には『Ninja III The Domination』という作品があり、いずれもハリウッドでヒットした。
そしてこの映画で特筆すべき点は、あのケイン・コスギも子役時代に出演していて、親子共演を果たしていること。子供の頃からキレのあるアクションを披露しているが、まだ可愛いケインを見ることが出来るのが貴重だ。




物語は日本で始まる。画面に金閣寺が現れ、“TOKYO, JAPAN”というテロップが流れるのがウケるが(笑)、当時のアメリカ人の日本に対する理解はその程度だったとも言える。

ショー・コスギは日本の忍者の末裔で美術商をやっていたが、屋敷にいた家族が謎の忍者集団に襲われる。そこへショー・コスギとアメリカに日本美術商のお店を出店しないかと誘うアメリカ人の友人が帰宅し、忍者集団と戦って追い払うが、家族は皆殺しにされ、赤ちゃんであった息子と自分の母だけが奇跡的に生き延びた。


家族を失った大崎ことショー・コスギは、友人の誘いに乗って息子と母の3人で渡米し、お店を開くことになった。しかし、実は友人が、日本での忍者襲撃を裏で指示していたことがわかり、出店も店に展示されている商品に麻薬を隠し、店を麻薬取引所とすることが狙いであったのだ。小学生になっていたケインが、ある時麻薬の秘密を知ってしまったことで誘拐されてしまう。

そしてアメリカで忍術を封印していたが息子を救う為、ついに立ち上がる。



悪の忍者であった友人との対決に向かう。ラストの忍者対決はビルの屋上で繰り広げられるが、アクションシーンは今見てもなかなか良く出来ており、かなり激しい忍者アクションが楽しめる。久々に観たが、何とも懐かしい。ハリウッドらしい忍者映画だが、当時の日本映画には出せないダイナミックなスタントアクションもあってかなり素晴らしい。




途中、女性とのお色気対決などもあって、結構笑えるが、こういった点も含めて当時のアメリカではヒットしたのだ。


この映画、全体的にはB級映画と言わざるを得ないが、ショー・コスギによってアメリカで忍者ブームを巻き起こした記念すべき映画であることと、ケイン・コスギの子供時代が楽しめるという意味で味わい深い忍者アクション映画である。