かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

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1月と2月の読書

2013-02-27 01:36:52 | コケの本棚
今年はなるたけ本を読もうと
試みている自分のための備忘録として、
いきなりだがこのブログにその月に読んだ
本について書き留めておきたいと思う。

コケに関係ないものも多々出てくるのでご容赦を。
そしてもともと読むスピードが遅いため、冊数も大したことなく。

さらに1月は書くタイミングがなくて、
さっそく2か月分のまとめるという横着ぶりデス・・・。


余談になるが、思い返すと2011年は
本を書かせていただいたりと、
わりとバタバタしていたという理由もあるが、
震災直後から昨年の暮れくらいまで、
なぜだかあまり本を読みたいという気分になれなかった。

目の前の日常が急に状況が一転し、それに伴って
ものすごい量の情報がものすごいスピードで目の前を通りすぎていった。

それらをどう咀嚼して、自分の中でどう判断するのか、家族と決めていくのか、
そういうことに精一杯で、本から知識を得たり、感情を豊かにしたりという
本来当たり前のようにあった日常のささいな欲求にまで、心が届かなかったのかもしれない。

従来は読書や映画鑑賞などわりと「静」な手段が
自分の中のストレス解消法や心の支えがだったりしたのに、
あの頃は旅行やハイキングに出かけるなど、
わりと「動」な手段が心のモヤモヤを解消してくれていた気がする。

なんだかんだあったが(そしてそれはまだ続いているが)、
あの震災は来月でもう2年前のことになるのだ。



<1月>

『おしかくさま』(谷川直子・河出書房新社)



「第49回文藝賞」受賞作。新聞の書評で絶賛されていて、気になるあまり年末に購入。
銀行のATMを神とあがめる新興宗教にはまる主婦集団と、
次第にその宗教活動に巻き込まれてしまうと家族の物語。

久々に買ったハードカバーの文芸本。
2日のうちに読み切った。

語り手が私・姉・母・父と順番に変わっていくのだけど、ややこしくはない。
話の筋は常に明確で、その誰もの気持ちに感情移入ができる。
最後は怪しい新興宗教の主婦集団の論説にもつい納得してしまった。

読後感は爽快で書評や帯にあったとおり、面白かった。


『ときめくきのこ図鑑』(文:堀博美、写真:桝井亮、監修:吹春俊光・山と渓谷社)



キノコ本は本当にたくさんあるので、
毎回視点を変えた本を出すのは大変だろうなぁと
おせっかいながら職業柄、勝手に思ってしまうのだけど、
本書も従来とは視点を変えた初心者向けの入門書となっている。

図鑑部分が3/4位のボリュームを占めているが、
「さまざまな愛のかたち」の章では、
文を書かれた堀さんとその周りのきのこ好きの方々の
キノコ愛がひしひしと伝わってくる内容。

この「ときめく図鑑シリーズ」は他にも
星空だったり鉱物だったりのテーマで出ていて、
おそらく若い女子を読者対象に想定しているのではないかなと思う。
でも、なぜかどれも文字が小さくてちょっと読みにくい。
女子向けにかわいさ重視ということなのか…そこだけが気になる。


<2月>

『そして生活はつづく』(星野源・文藝春秋)



ミュージシャンで俳優である星野源がひそかに好きだ。
でもハードカバーで同書が出ていたのは全然知らなくて、
つい最近、文庫版が出ていたところを本屋さんで見つけて購入。

その名のとおり生活をテーマにしたエッセイなのだが、
淡々と書かれていながらも、わりとしっかりオチもついていて笑えた。
同感する部分も多々あり、もともと星野ファンということもあって、癒されながら読んだ。


『長生きしたけりゃ肉は食べるな』(若杉友子・幻冬舎)



なんともすごいタイトルだ。そしてタイトル通りの本だ。
友人のススメにより友人から借りて、1~2時間で読了。
自分からはこの手の本は絶対手に取らないので、ある意味刺激的。
ちょっと極論すぎると思うけど・・・。


『コケの自然誌』(ロビン・ウォール・キマラー<著>、三木 直子<翻訳>・築地書館)



去年11月に発売早々購入したものの、
文章が独特ゆえに冒頭がちょっと読みづらく、
そのままにしていたのだが、今年から再度挑戦。

しかし気合を入れ直してページを進んでいくと、
今度はむしろどんどんはまっていき、
最後は読み終わるのがもったいなくなるほど、
自分にとっては発見と感動の多いすばらしい作品だった。

このようなコケ本を翻訳出版してくれて、
築地書館さんありがとう!と言いたい。
いまや私は著者・キマラーさんのすっかりファンである。

なお値段は2,525円とわりと高めだが、
コケに興味のある人なら買って損はない。

初心者には最初ちょっと難しいと感じてしまう内容だが、
フィールドワークなどでコケを知りながら、
この本をたびたび読み返していけば、
かなりコケへの理解が深まると思う。

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