かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

見上げてサクラ、うつむいてコケ。

2011-04-05 13:56:55 | 近所のコケ

▲道ばたのゼニゴケとサクラの花びら(東京・池袋にて)


ここ最近、テレビやネットを見ていると、
あまりの情報量に頭がパンク寸前で。

ちょっとアナログ生活に入っていた。


私の住んでいる東京はここ1週間は計画停電も実施されず、
最近はスーパーの品薄状態もだいぶ解消されてきている。

それなのになんとなく、
ずっとけだるい感じが抜けなくて、
頭が痛くなったり、急に眠くなったり。

昼間に小一時間ばかり、横になる日も多かった。


そのうえ、どうやらついに花粉症が発症したようで、
鼻水が止まらず、一日中「鼻セレブ」が手放せないシマツ・・・(なんてバッドタイミング!)。

鼻が詰まるとよけいに頭が働かない。

そのせいもあってかこのブログも
なかなか書き進められずにいたのだった。



でもこんな自分に比べたら、
もっと大変な思いをしている人が
東北にはたくさんいる。

それは事実。

でもそう思うことで自分の気持ちに
蓋をして続けていたのも、また事実なのかもしれない。


先日、厄除け(実はワタクシ後厄デス)に一緒に行った友人に、

「被災地の人ほど大変じゃないのはもちろんなんだけど、
 でもやっぱりなんか心も体もしんどいんだよね」

という話をしたら、

「そうそう、わかる!」

という返事が返ってきた。

あぁ、彼女も口に出せないしんどさを抱えていたんだなと。

東京には、そして他の地域でも
被災地の人に比べたら・・・なんだけど、
やっぱりしんどい、心が苦しい、
そういう人が実はたくさんいるのかも。



私たちはあの地震の日から
まるで違う世界にすべりこんでしまったみたいで。

いつもの生活に早く戻りたい。
でも前と同じ生活にはもう戻れない。

とはいえ逆手にとれば、
前以上に心豊かな生活を築けるかもしれない。

今がまさにそういう分岐点なのだろう。


時間が許すかぎり休んだあとは、
ずっとこうしてちゃいけない気がして、
髪をとかして日焼け止めを塗って外に出てみたりする。

歩いていると、足裏の神経が刺激されてか、
ちょっとずつ頭のモーターが回転し始める。

顔を上げると道沿いのサクラが
もう咲き始めていて、あぁきれいだなと思う。


この時季のサクラは、
すべての植物をおして
圧倒的な美しさがある。

でも、うつむくと、
それはそれで、
ひたむきに生きる
小さな草花たちの存在(もちろんコケも!)。


誰に見られるのを期待するでもなく、
ただ自然の摂理に従って、生命力のまま、
陽のさすほうを向いている。

ツメクサ、ホトケノザ、ヨモギ、タンポポ、
ゼニゴケ、コツボゴケ、ハリガネゴケ、ギンゴケ、

いろんな顔の植物がそれぞれに精一杯やっている。


見上げるサクラには一瞬で、
人の心を華やかにしてくれる力があるが、
顔を上げてがんばるのがちょっとしんどいとき、
うつむいてこそ出会える彼らの存在は、ひとつの救いである。




▲ゼニゴケの雄株。背の高いヤシの木形の雌株(トップ写真参照)に対して、
 こちらは背が低く、クローバー形なのが特徴。


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ここ最近読んだ本・読もうと思って買った本。

<小説>
・「ざらざら」(川上弘美)
・「体は全部知っている」(吉本ばなな)
・「茶 利休と今をつなぐ 」(千宗屋)
・「暴いておやりよドルバッキー」(大槻ケンヂ)
・「笑い飯全一冊」(ヨシモトブックス)

<漫画>
・「大阪ハムレット1~5」(森下裕美)
・「今日の猫村さん5」(ほしよりこ)
・「新 味いちもんめ」(倉田よしみ)


コケについてはそもそも書物が少なく、
手持ちのものはすでに読みつくしてしまった感あり。

会員として所属している「岡山コケの会」の会報誌最新号を再び熟読。
うん。私もそろそろコケ観察へ出かけようっと。