「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”気違いに刃物” 精神保健福祉法の緩和が原因 相模原事件

2016-07-27 07:01:37 | 2012・1・1
差別用語とお叱りを受けるかもしれないが、今回の相模原市の障害者福祉施設で起きた史上最悪の事件は、まさに”気違いに刃物”を地で行く事件であった。手元に「明治.大正.昭和事変.事件史」(昭和11年発行 森田書房)という冊子がある。この事件を契機に改めて読んでみたが、維新後の近代日本には、一度にこんなに大量の人間を殺傷した事件はない。ウィクぺディアによると、最大殺人は昭和13年、現在の岡山県津山市で発生した事件の30人があるが、傷害者まで入れると、今回が史上最悪である。

マスメディアの報道によると、犯人の男(26)は、事件のあった施設に2年間、勤めていたが、今年2月、突然衆院大島議長公邸を2回にわたって訪れ、”身障者460人を殺す”という作戦計画を議長に渡してくれと依頼した。この計画書には相模原市の施設の名前も記されており、計画も実際と同じだったようである。犯人は同じころ施設の関係者に対して”収容者を安楽死させた方がよい”と発言したため、施設は警察に連絡している。警察は市の精神精神保健病院に連絡、病院も尿などを検査、大麻反応があったっため強制入院させている。

ここまでの手続きは正しいと思うのだが、病院は何故か10日足らずで、回復したととして犯人の男を退院させている。”後の祭り”かも知れないが、、議長あて文書をみると、こんな男を野放しにするのは大変危険である。退院させるに当たって警察に連絡、警察も保護観察するなどの措置がとれなかったのだろうか。2011年に国連人権理事会が、日本の精神保健福祉は、患者の人権を無視し強制入院させ過ぎると勧告、政府はこれに基づき措置をとっているが、この緩和策が末端の病院にまで影響していたとすれば問題である。