「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

年寄りには解からない認知症の”D(ディリ)カフェ”

2016-07-18 05:32:53 | 2012・1・1
僕の住む東京の区の公報誌(区報)に区内の”D(ディリ}カフェ”と”コミュニテイ.カフェ”を紹介していた。”Dカフェ”とは”認知症の方を支える交流の場で、”コミュニケーション.カフェ”は認知症方だけでなく、広く老人介護の問題を抱える人たちが誰でもが気軽に立ち寄りお茶とお菓子で楽しく交流する場とあった。

老人福祉介護の問題、とくに認知症の問題が深刻化していることは85歳の僕でも承知しており、その解決策の一つとして”Dカフェ”や”コミュニテイ.カフェ”の紹介には大賛成である。しかし、肝心の高齢者のどれだけが”カフェ”について知っているだろうか。残念ながら、僕も言葉は聞いたことはあるが、出かけたことはない。

”カフェ”とは今様の喫茶店を指すようだが、戦前昭和の時代を多少知っている僕らには風俗喫茶を想い出す。永井荷風の小説に出てくる女給さんが、きわどいサービスをした”カフェ”である。僕が育った五反田の中通り街もネオン輝くカフェ街で、戦争中はここに出入りする学生は警察に逮捕された。

若い世代が新語、流行語を使いたい気持ちは、マスコミ経験者として理解できる。しかし、役所の広報誌はどんなものだろうか。”D(デイリ)カフェ”としているが、デイリは何の意味なのか。多分デイサービス”から来ているのだろうが判らない。戦争中、英語は敵性語として学ばなかった老人たちである。出来るだけ横文字は避けて貰いたいものだ。カフェは何もカフェと気取っていわず、喫茶で十分である。介護は老人の視点でも見てほしいものだ。