「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

平均寿命は延びたけれども幸せだろうか

2016-07-29 05:26:53 | 2012・1・1
厚労省が27日公表した平成27年度(20015年)の日本人の平均寿命は、男性80.79歳、女性87.05歳で、いずれもこれまでの最高であった。男性は過去4年、女性は3年連続で記録を更新した。長寿国日本、健在で大万歳、ご同慶の至りなのだが。

この平均寿命が新聞に出ていた日、日経新聞がロンドン発共同電として、英国の医学雑誌「ランセット」が、ワシントン大学などが世界188か国を対象に調べた健康寿命を掲載していたが、これによると、日本人の健康寿命は71.11歳、女性75.55歳で世界一であった。

健康寿命とは人間がチューブをつけて栄養を取ったりする胃ろうとか、人工呼吸器を使用せず、自力で健康な生活が送れる期間で、WHO(世界保健機構)が2000年から提唱している。日本人の健康寿命が世界一高いのは、平均寿命世界一以上に喜ばしいことだが、問題は平均寿命から健康寿命の差が男性が平均9.2歳、女性が12.7歳もあることだ。

この差が医学的に何を意味にするのか判らないが、単純に”寝たきり”の状態と置き換えてみると、果たして、平均寿命が延びたことを手放しで喜んでよいものだろうか。厚労省は健康寿命を延ばすために、適切な食事、適切な運動、適切な睡眠を提唱しているが、なかなか、老齢になると、口には言い易いが実行しにくい。すでに、平均寿命をクリアしたが、せいぜい他人に迷惑をかけずに、さらに長生きしたいものである。