「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

他人事ではないドイツ難民少年の犯罪

2016-07-20 05:56:37 | 2012・1・1
南ドイツのビュルツブルクで走行中の列車内でアフガン難民の少年(17)がいきなり持っていた手製の斧で乗客を切りつけ4人に重傷を負わせた上、射殺された。少年は2年前に単身アフガンからドイツにやってきて現在,難民申請中だったという。ドイツのメルケル政権はEU内では難民に対して最も寛容だとされているが、一方、難民にからむ犯罪が急増中で大きな国内問題化している。ドイツ連邦刑事局(RKA)の2016年度第1.4半期の統計によると、なんと6万8000件(未遂を含む)の犯罪が起きており(ロイター電)、言ってみれば、この事件は氷山の一角とも言えるのだ。

しかし他人事ではない。わが国でも表面化していないが、難民の犯罪が増加していている。それは難民入管法違反(不法滞在者)の急増だ。その大半は外国人技能実習制度で来日、実習先から無断で失踪した”実習生”である。法務省によると、2016年度までの10年間に2万5000人もおり、平成26年度1年だけで4800人もいる。つい最近東京の天王洲アイルの運河で発見されたスーツケース入り女性の遺体遺棄事件の被害者も容疑者も数年前、京都市の自動車部品工場から失踪した中国人実習生であった。

ドイツの場合は、難民救済保護について歴史があり、法も整備されているが、わが国はまったくないに等しい。2万8000人もの不法滞在者がいても、あまり問題にはされない。さいわい治安が良いからだが、熊谷のペルー人による連続殺人事件のようなケースもある。これだけ問題になっている「技能実習制度」である。抜本的な制度の改善が緊急に必要である。