「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”薬人を殺さず 医師人を殺す”

2016-07-26 05:21:37 | 2012・1・1
信じられない怖い話である。東京の大学付属病院の医師が「添書文書」の16倍もあたる癲癇(てんかん)治療薬を患者にに投与し、その副作用で患者が亡くなったという。この病院は過去にも人口心肺装置の誤使用による医療事故を起こし、厚労省から「特定機能病院」指定を取り消されている。またかという感じがないでもない。

医師への「添書文書」については個人的にも苦い体験がある。平成22年、僕は糖尿病の治療で、近くの医師から武田薬品の「アクトス」の投与を受けていたが、4か月前手術した膀胱ガンが再発してしまった。薬品会社からの「添付文書」には、「アクトス」と膀胱ガンとの相関関係が記述されており、すでに欧米では発売禁止になっていた。おそらく、医師が「添書文書」をよく読まなかったのだろう。

”薬人を殺さず医師人を殺す”という故事金言がある。福音館の故事金言小辞典にはこう書いてある。「よく効く薬は多かれ少なかれ副作用があるという。副作用のあるくらいのものでないと、またよく効かない。そこで人体に及ぼす影響のバランスを図るのが医師の務めであるわけだ」。転用して「罪は、すべて、そのものにあるのではなく、これを運用する人にある」という意味だ。

”薬より養生””過ぎたるは毒”という言葉もある。昨日、月に1回の血糖値検査をしたら、HbAIC値が先月の7.4から7.1に下がっている。薬を飲んだわけではなく、しいて言えば毎朝食べ始めたオートミルの効果である。医師は引き続き薬はやめましょうとのこと。窓口負担3割の老人には有り難い。