「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       自民党の敗北は自業自得、自業自縛

2009-08-31 07:29:40 | Weblog
台風11号の首都圏接近の中で第45回総選挙の結果が明らかになった。民主党の
”地すべり”的勝利で、単独過半数を大きく上回る308議席を獲得した。事前にマス
コミが予想していたとはいえ、改めて国民が政権交代を強く望んでいたかを証明し
た結果になった。

新聞に今回の選挙で落選した主な候補者の名前が表になって載っていた。中山太
郎・元外相(85)、海部俊樹・元首相(78)の高齢者は仕方がないにしても、ここ数年
”変な”話題でマスコミを賑あわせた人ばかりだ。あえて話題をあげないが、山崎拓
元副総裁、中川昭一元財務相、久間章生元防衛相、赤城徳彦元農水相、柳沢伯夫
元厚労相、太田誠一元農水相、中山成彬元文科相などなど。

自民党の大敗は自業自得、自業自縛である。政策以前の問題である。その第一は現
職の総理が二人まで任期中に職を投げ出した無責任さである。どんな事情があったに
せよ国民の信用を失った。さらに、おかしいのは自分たちが選んだ総裁なのに、かしま
しい批判だ。これでは党内の不一致を外部に曝け出すようなものだ。

元総理のビッグネーム3人は辛うじて当選した。小選挙区で負けた有力議員が比例で
復活している。後期高齢者の僕は頭が固く頑固な保守主義者だが、その僕でさえ最近
の自民党はおかしくなっていると思う。野に下っても、あいも変わらず、ビッグネームが
口を出し、口をはさむのなら自民党の将来はない。

  選挙に勝っても総理になれなかった鳩山一郎氏

2009-08-30 04:56:46 | Weblog
「政権選択」の選挙に一票を投じてきた。朝早くから有権者が投票にきていたが、
行列が出来るほどではなかった。と、いって選挙への関心が薄いわけでもなそうだ
だ。事前投票者が1000万人を上回ったという。多分、最終的な投票率は前回より
高いだろう。

8月もあと1日、小ブログもこの月は「戦争」に関係するものが多かったが、どうも
記憶の中に戦争中の選挙の記憶がない。子供だったのかもしれないので、調べて
みたら昭和17年4月30日に第21回総選挙があった。いわゆる東條内閣の下での
翼賛選挙で、大政翼賛会という政府の”御用”団体が事前に候補者を推薦する形
の一種のやらせ選挙であった。戦前は25歳以上の男性だけが選挙権を持つ選挙
だったが、なんと投票率が83・1%という高率だった。緒戦の勝利で国民の戦意が
昂揚していた時代だったとはいえ高い。当時あった隣組組織を通じての有権者の
”狩り出し”があったという説もあるが。

翼賛選挙の次の22回総選挙は、戦後の21年4月10日に行われている。女性に初め
て参政権が与えられた選挙である。敗戦後第一回の選挙で政治への関心が非常に
高まっていた時代であり、投票率は高いと思っていたが72・08%と意外に低い。これ
は女性の投票率が66・07%と低かった結果だった。まだ女性の政治意識が低かった
からであろう。

この総選挙で勝利したのは「日本自由党」で,総裁は鳩山一郎氏。現民主党代表、由
起夫氏の祖父で、幹事長は衆院議長だった河野洋平氏の厳父一郎氏だった。ところが
本来ならば、総理に指名される鳩山一郎氏が、GHQ(連合軍最高司令部)によって公職
追放された。一郎氏が総理になったのは、それから8年後、追放解除になってからであ
った。政治の世界は一寸先も闇だとよく言われるが解らないものだ。


        「酒井」 「押尾」の報道はもう結構

2009-08-29 04:26:30 | Weblog
覚醒剤で逮捕されているタレントの酒井法子容疑者が東京地検に起訴された。一方、
同じ容疑の押尾学容疑者は保釈の執行を許されなかった。ただそれだけの事である。
なのに民放各社のニュース・ショー番組は朝から夜までこの話ばかり、昨日の新聞の
テレビ欄を見たら「酒井}と「押尾」の活字の花ざかり。よほど他に話題がないみたいだ。

今年上半期(1月ー6月)に全国の警察に押収された覚醒剤の量は前年同期に比べて
6・4倍も増えているという。驚くべきことだ。誰が使っているかと思うと、芸能界とか、一
部のスポーツ選手などマスコミにチヤホヤさている人種が多い。先日の記者会見でも
安藤隆春・警察庁長官が”芸能界関係者は薬物の一掃、再発防止に真剣に取り組ん
で欲しい”と言っていたが、まったくその通りだ。

僕がまだ学生だった戦後すぐの時代も覚醒剤「ヒロポン」が作家や芸能人の間で流行
して命を落とした漫才師もいた。「ヒロポン」は戦争中軍隊で抹茶(カフェイン)と混ぜて
特攻隊員に飲ませていた。その"特攻隊くずれ”から「ヒロポン」の飲用が始まったという
が、さだかではない。今思うと、あの時代もまだ先の見えない不安な時代だった。

安藤長官は芸能人による薬物事犯は青少年に対して悪影響になると指摘していたが、
僕の意見も同じだ。それなのに民放番組は手を変え品を変え、これでもこれでもかと「酒
井」「押尾」事件の後追いをしている。過剰報道は、青少年の覚醒剤に対する変な興味
を深めることにもなりまねない。


      高齢者の"孤独”と犯罪

2009-08-28 04:47:53 | Weblog
警視庁が万引で逮捕・補導した1050人を対象に調査したところ、65歳以上の
高齢者の犯罪への動機(複数回答)は"孤独”(24%)や"生きがいのなさ”
(8%)だったという。意外だったのは、この万引をした年寄りの半分が自分を
”裕福”か経済的には"普通”と考えていたことだ。

高齢者といっても前期から後期まで年齢に幅があり、その境遇も色々あって一
概にはいえないが"孤独”や”生きがいのなさ”が万引に走る動機だとすれば
問題である。確かに人間は年をとると誰でも寂しくなる。現役時代に比べ収入は
減るし、体もどこかにガタがでてくる。これはある程度仕方がないものだ。

幸いすでに結婚54年目を迎えた僕ら夫婦は、今のところ足腰はしっかりしている
し、ボケはかなり進んではきているが、日常生活には支障はそれほどない。なに
より幸せなのは二人には孤独感がないことだ。老妻は毎日のように老人会の習
いことや町会の雑務に忙しい。僕も毎日ブログでこんな雑文を書き,出来るだけ用
事をみつけ外へ行くことにしている。

これも幸いなことに僕には80歳後半の従軍世代の先輩が沢山いる。先輩たちにも
いろんな境遇の方がおられるが孤独感は少しも感じられない。僕らは、先輩たちの
生きざまを師と仰いでいるが、一,ニその例をあげると、一日中家に閉じこもっている
人はいない。好奇心のかたまりのような人が多く、たえず新しいものに挑戦されてい
る。長寿の秘訣はこんなところにあるみたいだ。

              自由が丘の”おばけ”冬瓜

2009-08-27 08:02:26 | Weblog
東京の自由が丘の無人スタンドで買ってきた冬瓜です。目方が5キロもある”おばけ”
冬瓜です。毎年、この時季になるとスタンドに出回るのですが、今年は天候のせいか
すくなくお値段も300円でした。でも新鮮で、わが家ではタネの部分まで味噌汁にいれ
て頂きます。

         期日前選挙に問題点はないのか?

2009-08-27 04:47:42 | Weblog
昨日、わが町の住区センターの前を自転車で通りかかると、腕章をまいたテレビ局
の若い人が期日前を済ませた投票者に”出口調査”をしていた。先日発表された期
日前投票者の中間発表によると、前回に比べて1・5倍もあり、このペースで行くと、
事前投票者の総数は1400万人ちかくになるという。棄権防止にはなるが、問題点は
ないのだろうかー。

期日前投票制度は国政選挙では2004年の参院選挙から始まったが,回をおうごとに
増えてきている。確かに投票率のアップには役だっている。わが家でも先日の都議選
のさい、選挙当日旅行を予定していた老妻と娘がこの制度を利用している。しかし問
題点もあるようだ。

先日、知人の一人が長期海外出張のため公示日の翌日、事前投票へ出かけたが「最
高裁裁判官国民審査」ができなかったという。総選挙の日同時に行われるこの審査は
法の規定で審査投票の7日前からではないとできない。知人はみすみす国民の権利の
一つを行使できなかったわけだ。

期日前投票制度は外国では昔から実施されていたようだ。昨年の米国大統領選挙では
有権者の30%、つまり3人に1人が事前投票した州もあったようだ。わが国でもこれから
この制度が定着すると利用者が増えてくるに違いない。そうなると、候補者陣営はあらか
じめそれを見込んだ戦略戦術が必要になってくるのかもしれない。僕個人的にはどうもこ
の制度にしっくりいかないものがあるが。

        わが家でもゴーヤが二つ獲れました

2009-08-26 04:59:44 | Weblog
階下に住む娘夫婦が植えたゴーヤの蔓が上に延びてきて二階のわが家のベランダで
実を二つつけた。5月にスーパーで105円で買ってきたもの。果たして実がなるかどうか
半信半疑だったのだが。早速、1個ずつ分け、わが家ではゴーヤ・チャンプールにして
食べたが、東京産にしては結構な味だった。

僕が初めてゴーヤを食べたのは昭和63年、もう20年も前、石垣島に1か月滞在してフィリ
ッピンの女性研修員のガザミ(蟹)の養殖技術の研修を手伝った時だ。小さな食堂でジュ
ーシー(沖縄まぜご飯)とゴーヤ・チャンプールの定食を食べた味は今でも忘れられない。

ゴーヤの正式名は「蔓涼瓜」(つるれいし)といい、一般には「にがうり」の名で一部では知
られていたが、沖縄料理が今のようにポピュラーになるまで東京では、あまり食卓には上
る野菜ではなかった。ゴーヤがスーパーでも売られ、家庭菜園でも簡単に栽培されるように
なったのは、せいぜいこの10年だ。

ゴーヤ・チャンプールの"チャンプール”は、インドネシア語(マレー語)のcampur,混ぜるとい
う意味からきている。長崎ちゃんぽんも語源は同じだ。沖縄、とくに八重山地方にはインドネ
シア語に似た言葉が多い。宮古島ではお化けをパントゥというが、インドネシア語ではhantu
という。

石垣島の民謡「安里屋ユンタ」の一節に「マタハリヌチンタラカヌシャマヨ」がある。これは八重
山方言で”また逢いましょう。美しい人”という意味だそうだが、昔からこれはインドネシア語の
”matahari cinta kamu"(太陽がお前を愛する)から来ている、という人がいる。真説はわからな
い。だけど16世紀から18世紀にかけて琉球王国とマラッカ王国との間に交流があったのは事
実である。

     ドラマのある高校野球 中京大中京の勝利

2009-08-25 04:51:37 | Weblog
高校野球の決勝戦をテレビ観戦した。中京大中京が10対9の接戦を制し43年ぶりに
優勝旗を持ち帰った。試合は最終回、相手校の日本文理(新潟)の猛反撃にあい手
に汗を握る好試合、これぞ、ドラマのある高校野球。その面白さを堪能させてくれた。

中京大中京は戦前、全国中等野球大会当時、中京商業の名前で第17大会(昭和6年)
から19大会まで三連覇している。この連覇の時も球史に残るドラマがあり語りつがれ
ている。19回大会の準決勝、明石中学との試合である。延長35回、4時間55分という
熱戦を中京商の吉田正男投手が336球を一人で投げぬき勝利をもたらした。

この試合を含め甲子園で23勝している吉田投手の記録は今でも破れず、のちに吉田
さんは野球殿堂入りしている。たまたま戦後まもない頃、僕はアルバイト先の藤倉ゴム
で吉田さんをお見かけしたが、身長165cmぐらいの小柄の方で、とても球史に残る大投
手とはお見受けできなかった。

真夏の野球といえば、昭和30年代頃までは、高校野球と同じくらい都市対抗野球の人
気があったが、今は昔ほどではなくなった。今年は80回の節目の年だが、主催の新聞
社以外マスコミの話題に上らない。先日大リーグのレッドソックスで勝利投手となった田
沢純一は昨年の都市対抗の優勝投手だそうだが、あまり知られていない。やはり野球
は勝負だけではない、ドラマがあってこそ面白いのかも。

     「朝日新聞」 ”つくる会”教科書のどこが悪い

2009-08-24 05:15:27 | Weblog
横浜市教育委員会が「新しい歴史教科書をつくる会」編纂の教科書を採択したのに対
して朝日新聞の社説(8月23日首都圏飯)が遺憾だといっている。その理由は”天皇や
神話を重視し近現代史を日本に都合よく見ようとする歴史が色濃く中国への侵略、朝鮮
半島の植民地支配について不十分なままだ。沖縄戦の集団自決にも触れていない。
ーということのようだ。

「半面教師」として「朝日新聞}を読んでいるが、この社説を書いた論説委員は”つくる会”
の教科書を本当に読んだのかー読んだとしても”邪心”をもって目を通したに違いない。
多分、この若い、戦後生まれの社説子は、戦後の変な歴史教育に毒されて、それから
解かされていない不幸な記者だ。

先日、僕はインドネシアの独立記念式典に参加した。(断っておくが、僕はインドネシアの
独立は日本による”傀儡”だ、なんて思ってはいない)。式典は長い植民地支配から解放
されたインドネシア国民の喜びが式の中に凝縮されており、国旗掲揚、独立宣言の朗読
などなど厳粛なものだ。そして、そのあと在留インドネシア人は大人から子供まで全員、大
使公邸の庭で綱引きや百足競走などを楽しんでいた。

わが国にも建国記念日(2月11日)があるが、祝日は形骸化していて、国民の中にはなぜ、
この日が建国記念日なのか知らない。不幸なことだ。日本国の象徴である天皇のご先祖
初代の神武天皇が即位した日として、なぜ学校で教えては悪いのか。

社説氏は”つくる会”の教科書が沖縄の集団自決に触れていない、と批判している。あの
時代、僕も敵の本土上陸に備えて軍の管理下で運河の拡張工事に動員されていたが、
軍から命令がなくとも手榴弾があれば、敵のなかに突っ込む心情だった。この心情は同
じ時代の空気を吸っている者だけしかわからない。同時代の人間でも意識的に集会参加
者の人数を水増して報道する新聞社もあるが。

      選挙妨害 マスコミの無責任な事前予想

2009-08-23 04:52:32 | Weblog
昨日、昼寝を妨害されて電話の受話器をとったら”NHKです。東京三区の意識
調査をしています。ご協力を”と若い女性の声。僕の住む区の選挙区は五区なの
で、その旨伝えると”すみません”とガチャリ。本当にNHKであるかどうか、わから
ない。もしかすると年寄りを狙った新手の振り込め詐欺かもしれないが。

8月30日の総選挙まであと1週間、マスコミの当落事前予想が花ざかりだ。朝日
新聞は、18,19両日行った電話調査の結果「民主党が300議席をうかがう勢い」
と報じ、毎日新聞は、320議席と予測している。さらに読売新聞まで「民主党は単
独過半数を超え、自民党は100議席前後になる」と報道している。選挙が,その時
の一種のムードに支配されることは前回2005年の小泉郵政選挙で証明済みだ。

マスコミのこういった選挙の事前予想は、どこまで信憑性があるか疑問だ。僕もか
ってのマスコミ経験者として、過去を振り返り忸怩(じくじ)たるものがある。マスコミ
の予想は”勝ち馬に乗り遅れぬな”といった無責任なムードに加担する危険性があ
る。選挙妨害にもなる。

叱られることを覚悟でいえな、大方の有権者は政党のマニフェストを読み比べて投
票などしない。テレビの政権発表もろくそっぽ見ない。残念ながら、マスコミの流す
情報に左右されがちである。競馬の予想とは違う。興味本位な無責任な予想にまど
わされないようにしよう。