「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

改正外国人入管法”見切り発車”で大丈夫なのか

2019-03-31 05:20:31 | 2012・1・1

外国人労働者増を狙った改正入管法が明日、4月1日から実施されるが、これに先立ち法務省から、勤め先の企業を失踪した実習生5218人の聴き取り調査が発表された。これを見て、ロクに国会で審議したとも思えない改正法で、直面している外国人を取り巻く諸問題は解決できるのであろうか。”見切り発車”で大丈夫なのだろうか。

法務省の発表によると、外国からの企業実習生は年々、増加の傾向にあり、平成30年末の実数は32万88360人いる。これにつれて、勤務先の企業から無断で失踪する数も増え、1年間で9052人。これは前年度に比べて1963人も増加している。失踪実習生が現在何をしているのか調査はないが不法労働しているのに違いない。決して少ない数ではない。さらに、僕が驚いたのは、この6年間に実習中の事故死や自殺など171人も亡くなっていることだ。これも少ない数ではない。さら驚きなのは、東京福祉大学で研修生名目の留学生1400人の所在が不明だという。随分とずさんな無責任の話である。氷山の一角でなければよいが。

入管法の問題だけではない。僕が一番問題視しているのは外国人受け入れ先の労働意識だ。法務省の聴き取り調査では、失踪実習生のうち失踪の理由に、最低賃金を貰えなかったが15%、759人もいた。最近も大手企業の下請け会社が、労基法違反で摘発された新聞記事を読んだ。関係者は、外国人受け入れ増に備えて日本語学校の整備などに力を入れている。それも大切だが、問題はそんなものではない。

 


中高年のひきこもり 社会への甘え

2019-03-30 06:38:51 | 2012・1・1

家族以外と半年以上にわたって社会と接触のない、いわゆるひきこもりは若者だけの特異現象かと思っていたら、内閣府の調査では40歳―64歳までの中高年層が全国で61万人もいて若年層より多いという。中高年層は働き盛りの世代である。この層が鹿児島、松山、宇都宮といった県庁所在地都市の人口もいるのだ。日本の社会にとってはゆいしき問題だ。

若者の引きこもり現象が社会問題化してきたのは今世紀初め頃からではなかったか。ニートとも呼ばれていたが、その意味は英語の”not in education、employent or training NEET"からきていて,もともとは、就学、就労、職業訓練を受けていない15歳―34歳層の”若年無業者”を指す。

だから、日本の中高年ひきこおりはニートではない。内閣府の調査だと、ひきこもりのきっかけについての複数回答で一番多かったのは、退職が36.8%、職場関係19.1%と、一度は就職したものの退職した者が多い。さらに、誰が今、生計をたてているか、という質問に対しては”自分”が29.8%、父母や配偶者が17.0%もいる。つまり、働かなくと食べていける環境にあるようだ。

80歳代後半の後年層の僕も最近、加齢と共に足腰が弱り、引きこもりがちになってきた。しかし、気持ちだけはいつまでも社会と接触したい。それが、長寿へのコツだと信じている。人生百歳時代、”中高年”から引きこもって、長い人生どうするのか、社会への甘えに過ぎない。

 


「日本軍は英雄」マレーシアの顕彰碑騒動 無神経すぎる

2019-03-29 07:55:47 | 2012・1・1

マレーシア北西部のケダ州の日本人墓地内に最近建てられた戦争記念碑に「旧日本軍は英雄」と書かれた案内板があるのをめぐって、一部の地元民が反発、騒動になっていると時事通信の現地電が伝えている。問題の場所は、大東亜戦争勃発緒戦、タイ領土から上陸した第二十五軍が国境を越えて英インド軍を追跡、最初にして最大のジットラ作戦があった戦跡の近くである。戦争中の国民学校国定国語教科書(5年)「マライを進む}では”敵は次々に敗軍し敗走する。敗走するにしたがって、橋という橋をかたっぱしから破壊する”と紹介している。

問題の「英雄」は、この作戦に従軍、英インド軍が鉄橋の一つを破壊する直前、ダイナマイトの導火線を切断しようとして命を絶たれた三人の兵士であるが、英文の案内文の記述に「英雄」という記述があるらしい。戦争から70余り年経った今、こんな記念碑や案内説明文が建てられられたのかと思ったら、地元州政府から戦前、1930年代からある日本人墓地の整備に当たって、日本大使館に協力依頼があり、これを受けて日本側の資金で建造したらしい。

墓地の整備や戦争記念碑の建設には賛成だが、大使館はどこまでこの建設に関与したのであろうか。尊い命を落とされた三人の勇士は日本側からっみれば、「英雄」であるが、当時、日本軍と相対して戦った側にすれば「英雄」ではない。とくに戦争中、反日色の強かった中国系住民にとっては憎むべき相手である。今回の騒動も地元の中国系住民が"火つけ”役のように僕には思われる。この騒動に便乗して何も関係のない韓国のネットまで大騒ぎしている。日本の現地大使館がどこまで関与しているか不明だが。あまりにも無神経である。


曽野綾子さん随筆「透明な歳月の光」最終章

2019-03-28 05:57:12 | 2012・1・1

産経新聞に23年間掲載中だった作家,曽野綾子さん(87)の随筆「透明な歳月の光」が3月27日、843回で終わった。同世代の作家が日頃、何を考え、何を感じられているのか愛読させてもらっていただけに寂しい。しかし”「終わり」も貴重な変化”(見出し)である。やむを得ない。

最後の随筆の中で僕が同感したのは、曽野さんが元号について”日本人は人それぞれ元号によって思い出を刻み、それぞれの年に深い思い出をもっている。だから、西暦だけが採用されるようになったら寂しいに違いない”と書かれている。曽野さんも僕も学年は違うが、同じ昭和6年(1931年)生まれである。その半生の大半は昭和の御代だった。それが西暦だけで、’30年、’40年ー’80年代と言われても、生きてきた時代がわからない。

あと1か月少しで平成の御代が終わりを告げる。しかし、昭和の御代と違って、僕には平成30年を共通してくくる思い出がない。しいて言えば、バブルだが、僕ら世代が体験した戦争とは雲泥の差である。しかし、昭和も40年、50年代生まれ日本人にとっては平成の30年間はそれなりの思いがあるのかもしれない。

新しい元号が何になるのか。人生100年時代といっても僕ら世代が生きる新しい年号の時代は、昭和、平成より少ないが、終わりは貴重な変化の始まりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


品川寺の枝垂れ桜

2019-03-27 16:19:20 | 2012・1・1

火の用心、竈(竈)の神様として江戸時代から信仰のあつい旧東海道筋の古刹、海雲寺の春の大祭に参詣した後、老妻が隣接する同じ古刹、品川寺境内の枝垂れ桜を写真におさめてきた。昨年は満開だったが、今年はまだ五分咲きといったところか。


ゴラン高原のイスラエル占領を認めるトランプの無謀

2019-03-27 06:00:58 | 2012・1・1

トランプという男はたえず物事を構えていたいトラブル.メーカーだ。ここしばらく国際ニュース面から消えていた中東情勢にまた無意味な一石を投じてきた。1967年6月の第三次中東戦争(6日間戦争)で、イスラエルが分捕った、シリア領ゴラン高原の主権をイスラエル側にあるという文書をネタ二ヤフ首相との間に署名した。来年の大統領選挙向けに米国国内のユダヤ人票を狙いにしたものだが、この一石がまたぞろ、中東情勢に大きな波紋になるのか、トランプは知らないのだろか。

僕は新聞社の外信部時代、第二次(スエズ戦争)と第三次(6日間戦争)中東戦争をカバーしているが、当時、米国は直接中東にはコミットしてこなかった。第一次戦争のときは、米ソ冷戦下でありながら、アイゼンハワー大統領(当時)は、のブルガーリン.ソ連首相と調停にまわり停戦に持ち込んでいる。第三次の時は米国が介入する前に、アラブ側が6日間で手をあげてしまった。

トランプが大統領になって以来、米国の中東政策は、明らかに親イスラエルだ。首都のエルサレム移転が最たるものである。パレスチナ問題の根源なのに、あまりにも無神経である。今回のゴラン高原承認は、それにダメ押しするものである。これで中東和平は永遠に遠ざかってしまった。シリアなど各地でくすぶり続けている火が燎原の大火にならなければよいが。

 

 

 


活字の特性を生かせないフジテレビ開局60周年新聞広告

2019-03-26 06:26:21 | 2012・1・1

3月25日付産経新聞(首都圏版)は4ページにわたってフジテレビ開局60周年お祝い全面広告をのせる奇抜な紙面構成をしていた。”おかげさまで60周年”と大書した見出しで熨斗(のし)袋を模した奇抜な広告である。普通、熨斗袋といえば、一般的には進物に添えて贈られるものだが、進物が何なのだか、わからないのに共に祝えない気持ちがしないでもない。

フジテレビといえば、かっては”面白くなければテレビではない”と豪語し、長年にわたって視聴率三冠王の座を独占していたが、ここ数年の凋落ぶりはひどすぎる。原因は何なのか。1980年代から90年代にかけて約10年間、フジテレビ系列の地方局に勤務したことがある僕からみれば、はっきりした報道姿勢がないのが一因にも思われる。

テレビ朝日は「朝日新聞」TBSは「毎日新聞」とバックの新聞色が反映しているが、フジテレビに「産経新聞」色はない。逆に数年前はBSを中心に”韓流ドラマ”が多すぎるとお台場の本社に毎週のようにデモがかけられたりした。韓国政府から特派員が在宅起訴されたりしている産経新聞とはねじり現象である。

4ページの広告はどれだけ効果があるのだろうか。新聞広告は活字による訴求力である。やはり、常道通り、新番組や特番の内容を記事で詳細に説明すべきではないだろうか。韓国が何故反日色が強いのか、「文在寅」特番でも放送したらどうだろうか。


大関 明暗二題

2019-03-25 12:34:35 | 2012・1・1

大相撲大阪場所(3月)千秋楽一番で大関の栃ノ心が二場所続けて負け越し、大関から転落、一方、関脇貴景勝が10勝目をあげ、内規の3場所計、33勝をクリ場所大関昇進を確実にした。貴景勝の勝った相撲は、同時に受賞した殊勲賞にふさわしい見事なもの。明暗をはっきり分けた。

この熱の入った大一番の1時間ほど前で、大ケガで序二段まで番組を下げている元大関,照の花が序二段優勝決定戦で、日本の高校の後輩で1月場所入門したばかりのモンゴルの後輩,狼雅に立ち上がりから一気に押されて負けた。ケガをしたとはいえ、元大関だ。相撲にケガはつきものと言え無常だ。

大関の座から転落した栃ノ心も数年前、小結まで昇進しながら、左ふと股に大けがして、4場所休場、幕下まで転落した。しかし、ケガに屈せず精進し、幕下,十両4場所続けて優勝して大関にまでなった。協会の規定によれば、関脇に落ちてもその場所、10勝以上すれば大関に復帰できる。過去にも何人か復帰した名大関がいる。