「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         無気力相撲か八百長相撲か

2009-05-31 05:36:11 | Weblog
相撲協会の友綱監査委員が五月場所千秋楽の大関千代大海と関脇杷瑠都の相撲に
ついて、敢闘精神に欠ける無気力相撲だとして両力士に注意した。本人たちは、そん
なことはないと弁明しているが、あの相撲をみたものは、無気力相撲、さらにいえば八百
長相撲ではないかと疑ったと思う。千代大海は負ければ大関陥落だし、杷瑠都はすでに
負け越している。立ち会う前から結果は決まっていたようなものだ。

相撲協会によると、過去に無気力相撲として注意を受けたのは昭和47年春場所の琴桜
前の山の大関同士の対決と平成4年の大関小錦に負けた武蔵丸のケースがあるそうだ
が、僕が覚えているのは昭和18年夏場所10日目、竜王山と青葉山が水入り引き分けに
なった相撲だ。敢闘精神に欠けたとして出場停止処分になっている。戦争中なので、引き
分けは戦意向上にならないという理由からだった。

千代大海と杷瑠都の場合は、故意による無気力相撲ではないとして、処分にならなかった
が、故意なら八百長相撲だ。大相撲はモンゴル力士の”敢闘精神”でかろうじて人気を保っ
ているようだ。大関が五人いて、その三人までが八勝七敗なのは、あまりにもなさけない。
昭和30年代の初め,松登という大関は五場所続けて九勝六敗だった。当時のマスコミは、麻
雀用語をもじって松登のことを”クンロク”大関といった。今の大関はそれ以下の成績である。
なんと呼んだらよいのか。不甲斐ない。これでは相撲人気も落ちるのは当たり前だ。

       「Dubai 1962」 「昭和37年 東京」

2009-05-30 05:34:32 | Weblog
1962年、独立前のドバイを撮った同行のカメラマンの写真展「Dubai 1962」が
成功裏に終わったと、現地からメールが入った(小ブログ5月8日ー10日参照)。
三週間の会期中、写真展を訪れた人は3千人を越す盛況で、会場のアート・セ
ンター始まって以来の記録の事だ。関係者の一人として喜ばしい限りだ。

年を重ねると、時代感覚がおかしくなる。僕らがドバイを訪れたのは、もう半世
紀近くも前の事だが、ついこの間のような気もする。ドバイの人たちが写真展を
みて、その変わりように驚き、ノスタルジアを感ずるのは当たり前だ。1962年ー
昭和37年の東京だって考えれば、すごい変わり方をしている。当時、新宿副都
心の高層ビル群はなく、淀橋浄水場脇を都電杉並線が走っていた。もちろん新
幹線も高速道路なかった時代だ。

今年は横浜開港150年、これにちなんで地元のテレビ局が開港当時の古い写
真を紹介している。写真の持つ訴求力だ。開港当時の横浜を彷彿とさせてくれる。
多分「Dubai 1962」写真展もこれに匹敵するものだろう。現地からのメールでは、
展示された写真は写真展のあと、ドバイ文化庁に寄贈され、町並み保存区の一角
にある建物で常設展示されることになる。

昭和30年代がブームだという。ドバイの写真展の成功から、なんとはなくあの当
時の日本に僕もノスタルジアを感ずるようになった。昭和37年は歌で言えば「いつ
でも夢を」「遠くへ行きたい」が流行した年であった。

         対「北」制裁は手詰まりなのか!

2009-05-29 06:29:56 | Weblog
北朝鮮の地下核実験に対する日本の反応報道は少しおかしい。日本独自の制裁強化
を求める国会決議が衆参両院で可決されながら、朝日新聞は政治面で小さく一段扱い。
逆に同じ面のトップで"北朝鮮制裁手詰り”と書いている。はじめから"手詰り”だから意
味がない。だから小さく扱ったのであろうかー。北朝鮮の新聞だったらそれもわかるが。

いつも僕が不思議に思うのは、北朝鮮が傍若無人の行動に出ても、最近、日本人一般
がよい意味では冷静になり怒りを忘れてしまったことだ。いたずらに感情的になる必要は
ないが、朝日新聞のように最初から”覚めて”あきらめることはない。”手詰まり”なら「北」
は”それみたことか”とさらに頭が高くなる。

北朝鮮への対応は、今のところ国連安保理の制裁決議を中心に動いているようである。
麻生総理の国会答弁でもそれが伺える。日本独自の制裁とは何なのか。自民党議員が
北朝鮮への全面輸出禁止をやるつもりはないのかと質問したのに対し、総理は口を濁し
ていた。一説にはそんな事をやっても中国から物が一杯入ってきているのだから有効では
ない。意味がないのだという。

それでは在日外国人、例えば朝鮮総連幹部の再入国を禁止したらどうなのか。国交のない
国とはいえ、その国の議員が自由勝手に往来しているのは僕にはわからない。対応が甘す
ぎる。朝鮮総連からカネを詐取しようとした元公安調査庁長官に懲役5年の求刑があったよう
だが、まさかこれへの配慮か、あるいは巷間伝わる「北」からの政治献金なのかー僕には
わからないが。


      "木を見て森を見ない” 鳩山民主党代表

2009-05-28 06:35:18 | Weblog
昨日NHKテレビで麻生総理と鳩山民主党代表の党首会談を見た。率直にいって北
朝鮮の地下核実験、ミサイル発射など緊迫した国際情勢を受けて、国の安保につ
いて真剣な討議を期待したが、与野党の野次の応酬だけが目立つ討議だった。

鳩山代表は、東京三鷹市の小学校の地域社会参加による”コミュニテイ・スクール”
を例にあげ、持論の友愛社会を訴え「麻生政権は官僚任せ、私たちは国民、市民、
生活者起点の政権を作りたい」と述べた。僕に言わせれば、鳩山代表は、いささか
”木を見て森を見ない”類の意見のようだ。

鳩山代表が例にあげた学校は、今、東京では流行のようになっている「学校運営協
議会」主導による公立小中一貫校の一つだ。首都圏では数年前、公立校の自由選
択制が実施されて以来、保護者の中には自分の住居から離れた地域の学校に子供
を通学させている。このため、明治以来、わが国公教育の特徴であった地域との絆
が失われてきた。

鳩山代表の意見は本末転倒している。三鷹の例をあげるのならば、今、ある意味では
曲がり角にきている学校制度を含む教育についての民主党のビジョンを述べるべきだった。
僕ら日教組による教育破壊を体験している世代にとっては、民主党代表代行の一人に
旧日教組の幹部がいることが大変気がかりなのだ。

先日NHKの昼の番組で、埼玉県加須市のお年寄りたちが郷土に伝わる芸能や農作業
などをボランティアで子供たちに教えて喜ばれていた。鳩山代表、友愛精神を説くのなら
ば、三鷹ではなく加須市の例を挙げるべきであった。わが国で欠けているのは郷土愛
であり国土愛である。




           気象予報士のタレント化

2009-05-27 05:25:33 | Weblog
NHKテレビの夜の天気予報を見ていたら、若い気象予報士が赤白のストライプの
ジャケットで登場した。とたんに僕は数年前、裁判沙汰になった漫画家,楳図かずお
の「まことちゃんハウス」を想い出した。赤白のストライプを自分のイメージにしてい
る楳図が赤白ストライプの外壁の家を建てようとしたら近隣住民から景観をそこなう
と訴えられた。結局、東京地裁は原告、住民側の訴えを退け、楳図さんは思い通り
の家を建てられたがー。

人の色彩感覚は自由であり、どうのこうのいうことではない。いわんや気象予報士が
赤白のジャケットを着たからといって止めろというのではない。ただ僕のような年寄り
には昔から天気予報は生活に密接したもであり、これを日常生活にはあまりみられな
い色彩の服を着た予報士が伝えると違和感があるということだ。

アナウンサーがただ棒読みしていた時代に比べて、専門家の予報士の登場で天気予
報番組は、格段とよくなってきた。しかし、一方では予報士のタレント化が目について
きた。若い世代がそれを望むのだろうかー。例えば変な日本語の発音である。さきの
NHKの予報士にも時々みられるが、語尾の”○○でしょう”の”しよう”をわざと一字一
字”し”"よ"”う”と発音している。タレントによくみられる発音である。きれいな日本語と
は思えない。

一昔前、気象庁の倉嶋厚氏がお天気の番組を担当していた時は、詩情があった。彼が
どんな服装をしていたのか想い出せない。時代が違うのか。


           白いマスクの日本人”

2009-05-26 05:11:52 | Weblog
新型インフルエンザは、幸い猛威を振るわず終息の方向にあるみたいだが、ここ
へきて海外で"白いマスクの日本人”文化論が盛んなようである。

ニューヨーク・タイムスの5月22日付の電子版は、白マスク姿一杯の地下鉄の写
真を掲載し”日本人は外国発の感染症についてparanoia(偏執症)だ”と新型イン
フルで混乱する日本の姿をからかいぶりに扱っている。一方、朝日新聞には韓国
人ジャーナリストが"白いマスクの日本人”というコラムでソウルの商店主の言葉
を借りて”以前の日本人は精神的に強かったが、今の日本人はびびっている”と
白マスクの日本人観光客を皮肉っている。

昨日、杖をついて英国観光旅行から帰国したたばかりの旧友と会って"土産話”を聞
いたが、彼もロンドンの観光地に白マスクの日本人がめだった、と驚いていた。日本
人も驚くのだから多分、現地の人には異様に映っていると思う。

前にも小ブログで書いたが、僕もサウジアラビアの技術研修員から"白マスク”の日
人について”あれはどういう人だ”と質問を受けた事がある。昔からのわが国のめだ
つ良習であり、政府広報も”新型インフル感染防止にマスク着用”と訴えている。
僕はこれに異議を唱えるつもりはないが、誰もががPTOを考えずに、白マスクを着用
するのは、どんなものだろうかー。小ブログは民主党の小沢代表代行のマスク姿を
批判したことがある。



         厚労省分割前に内部点検を!

2009-05-25 05:08:15 | Weblog
自民党が次期衆院選を前に厚生労働省の分割再編を政策マニフェストに盛り込む案
がここへきて浮上してきた。先日参院予算委の審議をテレビでみたが「新型インフル」
に始まって「雇用対策」「年金記録」「介護医療」などなど升添大臣は応答答弁に大車
輪の活躍。たしかに厚労省の機能ジャンルは肥大化しているように見える。

厚生労働省は旧厚生省と旧労働省とが2001年に統合してできた役所だ。当時の行政
改革の波にのって出来たのだが、略称「厚労」が示すように二つの役所がたんに一つ
になったにすぎない。効率化を置き去りにし、役人の数も多すぎるという批判が強い。
なのに、先日、麻生総理は厚労省の分割に関連した発言の中で、役人の増員を示唆し
ていた。

すこし近視眼的だが、小ブログ(2008年5月26日)「英霊は泣いている 厚労省の暴挙」
の中で厚生労働省民間援護局援護企画課外事調査課の「海外民間慰霊碑整理事業」
の無意味な税金のムダ使いを批判した。一口で言うと、先の戦争で戦地で亡くなり戦
後、英霊を悼んで戦友や遺族が建てた慰霊碑を整理しようという事業だ。慰霊碑を再建
しようと言うのではない。この事業の杜撰さにいても小ブログ(2008年9月13日)は書いた
が、”小人閑居して”の類で、閑な役人の馬鹿な発想なのだ。

戦後60余年、放置されたままの遺骨収集、不発弾の未処理など「戦後処理」は、まだ
終わっていないが、こんな馬鹿げた「民間慰霊碑整理事業」に2千万円近い税金を使って
いるのは厚労省の昔ながらの体質の現れである。分割前に内部機能の再点検を!


            独身男の孤独死

2009-05-24 06:25:42 | Weblog
東京のベッドタウン千葉県松戸市で昨年1年間、誰にもみとられずに孤独死した
人が111人もあり、そのうち1割は死後1か月以上たって発見された、と新聞が伝
えていた。これは同市と市内の大規模団地「常盤平」自治会が明らかにしたもの
で、孤独死の8割は高齢の男性だったという。同性の僕としてはショッキングなニュ
ースである。

最近、僕の周囲にも結婚しない(できない)男性が目立ってきている。50歳をすぎて
も結婚しない男女の事を「生涯未婚率」という言葉で定義するそうだが、国立社会保
障・人口問題研究所の調査によると、2005年の男性の生涯未婚率が急激に増え、男
性生涯未婚率は15・9%(女性7・25%)と30年前の8倍である。この傾向は1990年生
まれの男性生涯未婚率を27・0%と推定しており、歯止めがかかっていない。

男性の未婚が増えているのは、独身主義者が増加しているのか、それとも結婚した
くとも出来ないのか。女性の生涯未婚率が男性の半分なのは何を意味しているのか。
ある調査によれば、結婚しても何もプラスにならないと考える男性が多くなっていると
のことだ。

後期高齢者の僕にいわせると、確かに若い時は独身のほうが自由で勝手でよい。しか
し、歳をとると、男はからっきし弱くなる。男性の平均寿命は79歳、いぜん世界で3位。
松戸の孤独死の記事をみて、高齢必ずしも幸せのバロミーターにあらずと思った。


            泰緬鉄道の枕木

2009-05-23 05:43:26 | Weblog
靖国神社境内にある軍事博物館「遊就館」に泰緬鉄道で使用した蒸気機関車、C-56
が展示されている。映画「戦場にかける橋」で連合軍捕虜や地元住民を酷使したという
あの鉄道の機関車だ。少し無神経ではないかという批判もある。ところが、先日NHKラ
ジオ”深夜便”「こころの時代」を聞いていたら、かっての英国軍捕虜の生き残りの方が
靖国神社を参拝したあと遊就館に同時展示されている泰緬鉄道の枕木まで観たという
話を聞いた。"枕木一本捕虜千人”-と酷使の象徴とまでいわれるものだ。

番組「こころの時代」で話をされたのは、山梨学院大学教授、小菅信子さんで「戦争和解」
に取り組み、これを研究テーマにされている戦争を知らない昭和30年代生まれの方だ。
教授の話によると、留学先の英国の大学の町、ケンブリッジに留学中、たまたまさきの
戦争中にこの町の部隊が日本軍の捕虜となり、泰緬鉄道工事現場で使役に従事して多
数の犠牲者が出て、これが原因で反日住民が多いのを知った。そして、ある催しに参
加したのがきっかけで教授は「戦争和解」運動に取り組むようになった。

僕はかって泰緬鉄道建設に従事した日本の鉄道連隊の方々から当時の話を聞く機会が
あり、当時のご苦労をよく理解している。戦争という状況下では犠牲者が出るのもやむを
えない。だが犠牲者側の心情を考えれば、靖国神社の境内に機関車を展示するのは、ど
んなものかという気持ちもあった。

小菅教授は2日間の番組の結論として「戦争和解」にはきちんとした「歴史認識」が必要
だ、といわれていた。僕も同感である。感情に走れば、他人を赦せないし和解は出来ない。
靖国神社を参拝、泰緬鉄道の枕木を直視できた元捕虜の方は、ごく一部の英国人であろう
が、歴史を整理してお互いの立場を理解できれば、和解も可能な一例だ。

          新型インフル 共通の情報を!

2009-05-22 05:18:32 | Weblog
わが家で購読している朝刊紙が一面で"目黒区でも感染者”と米国帰りの女性が新型
インフルに感染、隔離入院していると報じていた。僕は初めて、この記事で近隣にも新
型インフルが発生していた事を知った。新型インフルは弱毒性で、季節インフルと変わり
がないということを知っているから、驚かないし過剰反応はしない。

僕が問題にしたいのは、新型インフルに対して情報を共通に公開してもらいたいことだ。
昨日の昼前、中学2年の孫(男子)が、学校から早退してきた。娘が事情を聞くと学校の
検温で36・9℃あったから帰宅させられたという。その時点では、一般にはまだ目黒区内
に新患者が出たとは報じられていないし、学校からも、その説明がなかった。

多少の推測だが、孫の通う中学校の近くに国立の大きな病院があり、多分、新型インフル
の患者は隔離入院しているのだろう。学校長は関係筋からこの情報をえており、自分の
判断で早退措置を決めたものと思う。厚労省は繰り返し情報の公開を約束している。この
ような中途半端な個人判断はデマの発生源にもなりかねない。

首都圏では川崎の女子高校生についで新型インフルの感染は二回目のケースである。東
京区部に限れば、発生は始めてであるが、同一区内の住民でさえそれに気がつかないほど
冷静である。過剰反応はしていない。何故、昨日の段階で中学校の校長はきちんと情報を
整理して父兄に伝えなかったのか。36・9℃の元気な子供に給食も食べさせずに早退させる
のは過剰反応である。東京都も共通情報公開の原則に基づいて学校側にしかるべき措置を
求めるべきである。