横書きの文と、縦書きの文を読む速さには違いがあるだろうか。人によって違うのかもしれない。
慣れているほうを速く読めるという想像は簡単だが、細かく読むのではなく書いてあることを見つける、あるいは逆に見落とすということについてはどうなのだろうか。水平方向に広がる視野は、縦のスクロールによって面を見定めることができるようになる。
垂直方向に広がる視野は、横のスクロールによって面を見定めることができるようになる。
見つけるということは、視野に入った面からそれを拾い上げること、見落とすということは拾いそこなうことだ。
見落としについて考えていたら、横書きは横を見落としやすく、縦書きは縦を見落としやすいのではないかとふと思った。
パソコンのページは、横のスクロール幅がごくわずかだが、縦のスクロールは無限と言ってよいほどの長さに続けることができる。
どこまでも続いているようなWebページを追いかけていると、ページ面を縦列に分割して載せてある記事のどこかを見落とすことがしばしばある。
こういう見落としの癖は、スクロール症候群、あるいはヨコの見えない馬車馬症候群とでも名づけたらどうか。
そんなバカなことを思いついたのだった。