秋浜悟史の戯曲「おもて切り」に「あなたの中味と慣れあって」というせりふが出てくるそうである。(「考える愉しみ」中村雄二郎著 )
「裏切り」というたちのよくない行為があるが、「おもて切り」というのはその逆なのか、それともほかの意味があるのか。 芝居を観ないとわからない。 戯曲の本を探して読む手もあるが、およそ戯曲を活字で見るには相当な苦痛を伴うので、はじめから気乗りがしない。 さて、いろいろな場面の想像できる「あなたの中味と慣れあって」から思い浮かんだのが、2月9日に記事にしたMLである。 「慣れあい」には「照らし合わせる気持」が働いているだろう。 MLはまさに汝と汝、あなたとあなたの関係 (1:1) の集合体、つまり慣れあいシステムではないか。 小さなグループのことならまだよい。己を失ったものの集まり、それが「おもて切り」の真似事をしながらまつりごとをつかさどったとき、その国の行く末はどうなるか。
そこには汝と汝、なれとなれという関係がある。
n(1:1) とあらわしてみたが、それは、
n(1:1)=n:n となる。
こうなると、情報、情念の発信者としての自分 1 が消え去る奇天烈なシステと化すことになる。
これは大いなる「裏切り」行為ではないか。