旧あわら病院ブログ(2016年度までの軌跡)

福井県の北の端にある「独立行政法人国立病院機構あわら病院」の
2008年11月から2017年3月までの記録です。

緩和ケア認定看護師が誕生しました!

2011年09月02日 18時20分22秒 | 看護部

あわら病院は、急性期の積極的な治療の後に住み慣れた地域での療養を望まれる、がん等の亜急性型終末期の患者さんや、高齢の慢性型終末期の患者さんの、身体的苦痛、精神的苦悩を軽減できるよう支援する「緩和ケアチーム」を平成216月に発足させました。しかし現状では、院内に緩和ケア専門医、緩和ケア認定看護師が不在で、緩和ケアチームの医師、看護師、薬剤師が各種研修へ参加したり、他施設の状況を見学して、手探りで緩和ケアを行っていました。 

当院は特別の緩和ケア病棟を設置せずに、緩和ケアチームが病棟を横断的に活動して、入院療養中に生じる様々な問題をサポートするシステムをとっています。これまでも看護師がチームのコーディネーターとして活動していましたが、この度、1病棟のS副看護師長が2011年度の認定看護師審査に合格し、緩和ケア認定看護師の資格を取得しました。 

 

 

Sさんが緩和ケア認定看護師を目指したきっかけについて聞きました。

 

看護学生のころに実習で受け持たせて頂いた膵臓がん末期の患者さんとの出会いでした。

徐々に状態が悪化していく患者様を目の前にして、何をしたらよいのかわからず、ただ、身寄りのないその患者様の傍にいることを続けましたが、実習中にその方は他界され、私は「何もしてあげられなかった」と不全感を残したまま実習を終えました。 

 

緩和ケアを学ぶ中で、普段の看護の中に緩和ケアが存在していることに気づきました。

「何かしてあげる」ではなく、患者様に関心を寄せ、患者様が必要としていることに気づき、手を差し伸べることが緩和ケアだと思います。

緩和ケアの精神の中に、「心にかける」という言葉があります。それは、共にいること、共に泣くこと、共に苦しむこと、共に感じることであり、痛みを共にすることを意味します。たとえ治癒が難しくても、医療者として最後まで「心にかける」ことはできると思います。緩和ケアを学んだ今、看護学生の時、患者様に関心を寄せ傍に寄り添い続けたことは、その時私にできた精一杯の看護だったのではないかと感じています。今後、私は緩和ケア認定看護師として一人ひとりの患者様に、「心にかける」ことができるような看護をめざし、日々頑張っていきたいと思っています。

 

 

 

 

認定証。5年ごとの更新が必要です。

 

 

 

 

 

認定看護師の徽章です。

 

徽章のデザインは、月桂樹、光(灯火=科学、看護、希望など)をアレンジしたものだそうです。

 

左側が緩和ケア認定看護師のもの、右側は認定看護管理者に合格したカメラマンCのバッチです。(おまけ

 

 

 

 

台風が近づいてきていますが、あわら病院は今日も元気です。

 



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