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膝蓋骨脱臼の手術

2010-01-12 21:17:03 | Weblog
 土曜日に膝の手術をしたワンちゃん、今日無事に退院していきました。
小型犬に多い、膝蓋骨内方脱臼の手術をしたチワワです。
簡単なようで奥深い分野なので、毎回この手術は緊張します。
リスクはあまりない、でも加減が一頭ごとに異なる気がします。
さじ加減をどのくらいで良しとするか・・・、毎回微妙に悩んでいます。

今回の子は、状態としては膝の皿の骨が溝(滑車溝)からはずれっぱなしのグレード3でした。
膝蓋骨がはまっているべき滑車溝が異常に浅く、筋肉の緊張に耐えられずに外れてしまうのでしょう。
小型犬ではある程度遺伝的な素因があるようです。
でも皆がなるわけでもない。
グレードの4(最重症)は専門医に回す必要があります。
大腿骨が変形していたり、筋肉の長さが変わってしまっているからです。

ごくたまに長期に引きずっていて、うちの動物病院に来院時にはすでにグレード4という犬もいます。
3で手術に踏み切っていただけるといいのですが・・・。
正しい情報が、獣医師や飼い主に伝わっていないのでしょう。
こじれて流れてくるケースが後を絶ちません。
なるべく早く、その分野に詳しい先生に相談や紹介していただけるといいのですが・・・。

私は迷ったり、悩んだりすると、すぐにその道の専門家にすぐ相談してしまいます。
注意点を教えていただけたり、視点が異なる治療方法を教わることも少なくありません。
膝の手術方法もいろいろあるのです。
私は3つの術式を組み合わせて行っています。
ちょっと面倒ですが、確実性を重視しています。
これで満足、という手術は案外ないものです。
毎回反省というか、あそこはもう少し小さく削って、ここはもうすこし角度をつけておけば・・・、
間違ってはいないのでしょうが、「完璧!」と自己満足できる手術はそうそうないような気がします。
精進の道は続きます。

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