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難治性てんかんにiPS細胞で研究が進む

2013-05-03 19:42:36 | Weblog
今日のネットニュースで、難治性てんかん(癲癇)の研究に新知見が得られる見込みが発表されていました。
iPS細胞を利用することで、健常者と難治性てんかんの患者さんの違いがはっきりわかってくるようです。

福岡大学と慶応大学が、健常者の皮膚の細胞から作成されたiPS細胞を用いて作った神経細胞と、難治性てんかんの患者さんの皮膚細胞から作成したiPS細胞を用いて作った神経細胞の違いを、確認したとのことでした。脳の神経細胞の興奮を抑制する仕組みに異常がおきていることが明らかとなったようです。

犬や猫にもてんかんがあります。人間と異なり、発作時にしか脳波の異常(てんかん波形)が検出できないと聞いています。脳波計を備えている動物病院はほとんどないのが実情です。人の医療と異なり、CTやMRIが簡単に撮影できない現状があるため、通常の動物病院では、発作を起こす病気は低血糖や不整脈、高アンモニア血症などの頭以外の病気を先に除外してから、脳の病気を診断していく流れが一般的です。てんかんは「除外診断」を行う、他の病気がないからてんかんでしょう・・・という診断の仕方が一般的です。

いつもお世話になっている獣医大学の先生の一人が、てんかんを研究されています。まだまだわからないことがたくさんあるようですが、iPS細胞を用いた研究で新たな展開がおき、治療に結びついて行くと思われます。臨床に応用されうる研究の底力を感じさせてくれる発表でした。

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