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最強の薬剤耐性菌が発生したというニュース

2014-05-27 19:58:49 | Weblog
ネットニュースを見ていて、ショックでした。

京都で、淋菌に最強の抗生物質・セフトリアキソンに耐性(効かない)の、
スーパー耐性淋菌が人の喉で見つかったとの報道でした。
他の耐性菌(高耐性のアシネトバクター・緑膿菌・腸球菌・ブドウ球菌等)も、
徐々にその広がりを見せてきているように感じます。
WHO(世界保険機関)は、非常に危機的な状況だとの判断をしている模様です。

使わないわけにはいかないが、下手に使うと墓穴を掘る・・・、
抗生物質にはそういう問題が潜在しています。
何となく(適当に)使用している医療関係者が多いのが実状でしょう。
獣医学生は、まともに抗生物質の使い方や注意点なんて学ばずに卒業してきます。
薬理学の授業では習う・・・国家試験にも出る・・・、
 

   でも実践での使い方は「現場でね・・・」(自助努力ってこと)

うちに流れてくる慢性の皮膚病や、慢性の尿路感染だと、
だいたいが、効かない薬を「感受性を調べもせずに」漫然と使用し続けている・・・、
そういうケースが目立ちます。
せめて効くことを確認して欲しいと感じます。
効果のない(感受性のない)抗生剤を使い続けると、耐性菌を増殖させるだけです。

本屋で人の医学書のコーナーに行くと、様々な書籍やビデオが販売されています。
抗生物質の使い方とか、救急の現場、初診の段階でどう考え、どう処方するべきか・・・、
専門家が解説してくれています。
こういうものを見て刺激を受けることを忘れてはいけないと思っています。

今、記入していることも、将来間違っていると言われるのかもしれません。
それでも今わかっていること、理論として考えられていることに則って、
日々精進していくしか道はないと考えます。

薬剤耐性菌の管理は、「国家のプロジェクト」であるべきです。
アイスランドなどでは、国家で抗生物質の使用に制限を設け、
数年で耐性菌の発生や感染を激減させたと聞いたことがあります。
やればできるのですが、なかなかやらない・・・、
人間とはそういう生き物のようです・

















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