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内視鏡のトレーニング

2014-04-03 20:51:45 | Weblog
昼休みから午後にかけて、内視鏡検査のためのトレーニングを受けました。

今回導入した最新型の内視鏡は、昔のモノとはかなり勝手が違います。
細かなことができるようになった反面、「覗くだけ・・・」
では済まなくなってきているからです。

私が研修医だった20数年前は、獣医大学にもまともな内視鏡は存在していませんでした。
エコーはカラーじゃなかったし(テレビみたいだ)、
CTはまさに「断層」撮影で、狙った特定の一画面しか描出されませんでした。
(今のヘリカルCTは、一気に全体が撮影できます)

内視鏡にも軟性鏡や硬性鏡、関節鏡や外耳用、内視鏡外科手術装置など、いくつかの種類があります。
それ相応の使用方法は、トレーニングしないとまともに使えるようにはなりません。
昔の「胃カメラ」は、すごく単純で楽だったんですけどね・・・。

今日は、当院のトムくん(ゴールデン・レトリーバー)にモデルになってもらいました。
動物の場合、咬んでしまうと困るし恐怖心を与えないためにも麻酔下での操作になります。
食道から胃・十二指腸まで観察した際、胃の入り口に見慣れない変化が・・・。
トレーナーの方も、こんな病変見たこと無い・・・という反応。
三カ所バイオプシーして、検査結果待ちです。
とほほ。

大腸は案外容易、ただし検査前の浣腸が非常に重要だと思い知らされました。
洗浄や消毒、片付けのほうが、意外とたいへんだなと思います。
看護師さんも、器具の管理・洗浄など、しばらく慣れない作業が続くでしょう。

無症状の自分ちの犬に、ヤバそうな病変が見つかってしまい、
定期健康診断の重要性を痛感しました。
血液検査でなんでもわかれば、こんなに楽なことはないのですが、
実際には検査にはそれ相応な特性があります。
口腔から歯、消化管全般の内科と外科を追求したい私にとっては、
必要不可欠な道具なので、「消費税増税前」に導入してしまいました・・・。