日々の出来事

当院の出来事を紹介します

しこりを切り取る前に・・・

2007-06-06 22:30:57 | Weblog
今日来た猫の患者さんは、体に小さなしこりができて他の動物病院に行ったら、すぐ手術と言われて予約を入れたそうです。しかし不安になって当院にセカンドオピニオンを求めてやって来ました。
しこりに針を刺して中身を顕微鏡で確認する細胞診という検査を受けましたか?と伺うと、そんな検査はしていません、との答え。これではしこりの中身が腫瘍なのか炎症なのかが全く考慮されていません。万が一肥満細胞腫という悪性の皮膚腫瘍ならば、マージンを大きく取っての切除が必要となります。
当院で細胞診を実施してみたところ、中身は化膿性炎症と判明しました。必ずしも切除する必要はない、しこりでありました。私なら当分は手術はしないことを伝えました。なんでも切ればよい、という時代ではないわけですね。