中国の書物「韓非子」によりますと龍という獣は普段はとても大人しい性質ですが、唯一ヶ所顎の下の逆さになった鱗に触れられると怒り狂って手が付けられなくなります。これを講じて、王様ような偉い方の怒りを買うことを逆鱗に触れると言います。
今回の題材は、彼のHPの難易度第1位(23.2402P)の「逆鱗」と名付けた作品で、次の図です。
まず、解き易くします。
整理します。
最初の一手は「U字型・・・(KITAMURA)」が使えます。上段ユニットで、9は▢で3と三回同居で9-3の磁石候補の時8と同居しないので9と8は同種です。また、▢で9は3と一回同居で9と3は異種です。どちらかは誤りですので、8と3は同種になります。同種は同居しませんので、8は削除されます。
進めて、
この図になります。しかしここで止まります。いくら考えても手も足も出ません。上段ユニットが逆鱗だったようで、アリの這い出る隙間も有りません。鑿と玄能で自ら穴を開けるしかないようです。数日考えて屁理屈ならぬ屁論理を捻り出しました。
屁論理の始まりです。
下段ユニットで、5を基準とします。
6は▢で、6-9の磁石候補とすると5と同居しないので、6-9と5は同じ側になります。そして、▢で6は6-8の磁石候補とすると5と同居しないので、6-8と5は同じ側になります。これは基準となる5が移動しますので、どちらも正しいかどちらも誤りとなります。それ故6-9と6-8は同じ側になり、6と9と8は同種になります。これを「Lonely Gas TypeⅠ」略して「LGTⅠ」とします。
次に、2を基準とします。
6は▢で、6-9の磁石候補とすると2と同居しないので、6-9と2は同じ側になります。そして、▢で6は6-4の磁石候補とすると2と同居しないので、6-4と2は同じ側になります。「LGTⅠ」により6と9と4は同種になります。従って、4と6と8と9は同種になります。
6は▢で6-9の磁石候補の時5と同居しませんでした。そして、▢で6は6-4-8の固定になり、やはり5と同居しません。従って5は同種になり、同じ手法で2も同種になります。それ故2と4と5と6と8と9は同種になります。これを「Lonely Gas TypeⅡ」略して「LGTⅡ」とします。
7は▢で6-9の磁石候補に入りますので、7-6-9の3数字固定です。そして▢では7-2-5の3数字固定です。これで7も同種になります。
2と4と5と6と7と8と9の7個は同種ですので磁石側です。それ故3回同居するか同居しないかになります。2と4・2と6・2と9は同居しません。同じように4と7・4と9・5と6・5と8・5と9・7と8・8と9も同居しません。それ故▢では5と7、または8が入ります。▢では4と7の片方と8と9の片方が入ります。▢には5と9のどちらかが、そうすると▢には2と6のどちらかが入ります。
従って、1と3と6は削除されます。
ここまでが屁論理です。
進めて、
7個の数字の同種が決まりましたので、3数字固定が確定します。6は▢▢▢で6-7-9の3数字固定です。
そして、▢▢▢で6-4-8の3数字固定です。
しかし、どちらが正しいのか判断できません。しかし決まり事が有ります。それは赤のルートも青のルートも一ヶ所で重なるということです。
これは7を物差しにしても同じで、▢で重なります。ですので、どちらかが誤りとなるのです。
1は▢で1-3-9の候補です。
そして、1は▢で1-2-8の候補です。
また、▢で1は1-4-5の候補です。
▢と▢は重なりません。これはどちらも正しいか、どちらも誤りとなります。しかし、ユニットの中に同じ数字が入る3数字固定が2種類出来る訳が有りませんので、どちらも誤りとなります。
1-3-9は▢で1-4-5と、そして▢で1-2-8と重なりますので、これが正しいことになります。この論理は屁論理ではないと思います。そしてこれが怒れる龍を大人しくさせる急所でした。
従って、6と7と4と5と2と8は削除されます。
やっと最初の数字が確定しました。3で進めて、
1で進めて、
8で進めて、
6で進めて、
2で進めて、
6で進めて、
4で進めて、
5で進めて、
三国同盟で、
二国同盟で、
二国同盟で、
4で進めて、
3で進めて、
7で進めて、
8で進めて、
2で進めて、
5で進めて、
4で進めて、
三国同盟で、
8で進めて、
6で進めて、
9で進めて、
3で進めて、
7で進めて、
2で進めて、
1で進めて、
6で進めて、
たぶん、正解だと思います。
この作品は6ユニット全てが3数字固定の可能性がありました。以前にも記しましたが、磁石と鉄の区別が付きにくい3数字固定のユニットは「U字型・・・」の天敵なのです。その天敵に敢えて屁論理という捻くれた手法で挑んでみました。結果良しでしたがこの手順で解けたと云えるかどうか。私の頭脳ではこれが精一杯でした。
次回は、いちごナンプレ研究所さんが Yahoo!知恵袋へ「いちごでないと解けない問題です」と、投稿された作品で、下の図です。
いちご・解けないで思い浮かんだのは、氷イチゴです。私はこの作品を「かきごおり」と名付けました。そして、イチゴシロップ以外(通常)で挑戦してみました。はたして解けたでしょうか。
ご覧頂きまして有難うございました。