ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

クマーズ・アイランドマーケット

2022-04-04 07:18:08 | 生活
 クマーズ・アイランドマーケットとは、サンホゼ市のダウンタウン近郊にある小さなスーパーマーケットのことである。いつものように暇な週末にグーグル散策していると、サンホゼ市ダウンタウンの東にリトル・ポルトギーという名の地区があるのを見つけ、”ポルトガルからの移民の雰囲気が残るエリアかも知れない”と散策に出てみたのだった。ロシアとウクライナの争いで世界情勢は緊迫感を増しているが、今のところガソリンの高騰以外に生活に影響はなく、“エビゾー麻耶騒動”などの平和なネットニュースを眺めていられるほどには心の余裕がある。


このスーパーマーケットの特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。



①リトル・ポルトギー地区散策
リトル・ポルトギー地区はやはりゴールドラッシュの頃にやってきたポ人によるコミュニティなのだが、ジャパンタウンやチャイナタウンほどその名残が色濃く残ってはいない。メインストリートのサンタクララ通りには数件のポルトガル料理屋はあるものの、周辺はメキシコ人コミュニティの勢力に押されている感が否めない。数本南側の通りにはベトナム仏教寺院などもあるし、多様な人々が暮らすエリアになっているようだ。サンタクララ通りと101の交差するところには南欧風の立派なカトリック教会聖堂があったので、『お!』と思ったものの、これはハイスクールに併設されて比較的新しく建てられたもののようで、ポルトガル移民の歴史とは関係ないもののようだし、日曜の午後は教会の扉は閉ざされていた。



②クマーズ・アイランドマーケット
リトル・ポルトギー地区の見どころの少なさにややがっかりした筆者であったが、カトリック教会の通りを挟んで向かい側に小さな商店を見つけた。それがクマーズ・アイランドマーケットである。シンプルな看板に『フィジー・トンガ・サモア』と、南太平洋の島国の名が書いてある。筆者はポルトガルのことなどすっかり忘れ、入ってみることにした。 オーストラリアの東部にはたくさんの島があり、日本の世界史や地理の教科書にあまり登場しない国々がある。コネチカットで働いていた頃はトンガ出身の仲間がいた。やはりラグビーをしており、がっちり体形の持ち主だった。彼らの顔を見ると日本人のルーツの一部には確実にポリネシアンが入っていることがわかる。小学校時代のクラスメイトだった橘高さんや、大学時代の友人の諌山君などはポリネシア人に近い風貌だった。



③クマーズ・アイランドマーケット
店内は3人も客が入れば動けなくなるほど狭く、それに商品がけっこう雑然と積み上げられていているので選別しにくい。まず目につくのが南太平洋諸国の国旗をデザインしたTシャツやワッペンの類、そして首飾りなどの装飾品である。小さな島国の人々が母国をアイデンティティにして暮らしていることが見て取れる。食材は調味料や缶詰類がメインで、特に筆者の心を揺さぶるようなものはなかったが、なぜか日本製の乾パンが売られていた。これはカニヤという山梨県の会社の製品で、白い袋に背景に麦の穂、全面に蟹が黒一色で描かれた絵柄が格好いい。これは購入した。これはアマゾンでも売られていて米国からのレビューが多く、どうやら愛好家のいる商品のようだ。



 30代独身日本式サラリーマンの来店に店員の男は興味深々で、『日本人か』と尋ねてきた。『そうだ』と答えると、なんでも冷凍のトロやウニを取り扱っているようで、通常価格よりも随分安いのだという。どうやらどこかの日本料理レストランにも卸しているようだ。しかし話を聞けばけっこう大量に買わなくてはならないようで、冷凍のウニやトロを何キロも持っていても仕方がないので、『またの機会に・・』と断ったのだった。そして例のカニヤの乾パンとカップ麺と、それと何故か売られていたゴシゴシボディータオル(黄色)を購入し、店を後にした。帰宅後、新しいタオルで風呂に入り、その後乾パンをつまみに赤ワインを飲む。それは大変に素朴な味でワインによく合う。カニヤさんのホームページがこれまた素朴であり、楽しいものだった。何でもこの商品は油脂を使っていない “小麦発酵品の象徴” とのことである。自信作のようだ。やはり南洋諸島への輸出がメインとの記載があったが、ポリネシアの人々は何故日本の乾パンが好きなのだろうか。