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ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

甲子うまから磨き八割 

2023-11-23 23:59:48 | 食材
甲子うまから磨き八割とは日本酒の銘柄である。きのえねと読む。非常に旨い酒なので、是非とも読者諸氏に紹介したい。純米酒である。最近の筆者は、大吟醸のフルーティー日本酒よりもソリッドで辛口な純米・特別純米酒が好みなのだ。白鶴“丸”のワンカップなども実に旨い。2023年秋の日本では、やや消化不良なまま沈静化しつつあるジャニー騒動を引き継いで、羽生結弦選手のスピード離婚が多くの国民の生きる糧となっている。



この酒の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



① モーリーストーン
甲子うまから磨き八割を見つけたのは、トマトのロゴでお馴染みの“モーリーストーン”というスーパーマーケットである。これはベイエリアの中でもパロ・アルトやバーリンゲームといった富裕層が住むエリアに店舗を構えるスーパーで、やはり何でも高めだ。そのため筆者は滅多に寄り付かない。総菜コーナーが充実している様子は、スーパーマーケットというよりは“デリ”のイメージが筆者には強い。今回モーリーストーンのサン・ブルーノ店を訪ねたのは、たまたま金物屋のACEがこの店に併設されていたからである。因みにモーリーストーンさんのウェブサイトによれば、1986年年に始まったという比較的新しめのスーパーのようだ。



② モーリーストーンの日本酒コーナー
デス・メタル好きのACEの店員と話が弾んだ後、『せっかくモーリー・ストーンにも来たのだから、酒類コーナーでも見物するか』と冷やかし気分で歩いてみると、そこにはなかなかどうして充実したSAKEコーナーがあり、筆者を驚かせた。通常のアジア系スーパーではあまり見ない品が置いてある。高い吟醸酒よりも純米酒が目立ち、北米富裕層は燗酒を好むのかと予想される。その中で筆者がこの読めない品名の酒、“甲子うまから磨き八割”を手に取ったのは、それが千葉県酒々井の酒蔵のものだったからだ。筆者は京成・新京成、北総や東葉高速といった千葉県の民鉄とはかつて浅からぬ関係にあり、酒々井の地名に懐かしさを覚えたのだ。



③ 甲子うまから磨き八割~外観・価格~
正面に貼られたラベル紙は切り口に繊維が残る和紙風のラベルで、その色はまるで参政党のような濃い橙色だ。そこに大きく不思議な書体で“甲子”と書かれている。酒瓶の首元には同じく橙色の小さいラベルがあって、そこにひらがなで“きのえね うまから”と書かれているから、筆者でも商品名がわかる。値段は16ドル、円安化といえども北米で販売される日本酒の相場でいえばかなり安い方で、オレゴン州産の日本酒よりも安い。製造元の飯沼本家さんには、もう少し高めの価格でも買い手がいることを伝えたい。




このお酒が、“うまから”と銘打っているだけあって、常温で飲んでもずっしりとした辛さが胃袋まで下りてくる温かみのある酒で、とても嬉しい。そして甘さもほどよい。今回は同じくモーリーストーンさんで購入した野菜ピクルス盛合せ(これも旨い)、チーズ、羊肉のサラミをつまみながらチビチビと飲んだが、きっとどんな食べ物ともよく合うのでついつい飲み過ぎてしまうだろう。嬉しくなって酒蔵さんのウェブサイトを訪ねたらば、似非30代独身日本式サラリーマンには近寄りにくいほどのお洒落で野心的な内容になっていてやや腰が引けた。バブル期の記憶にすがり続けた団塊世代がすっかり引退し、若い人の力で日本の良いものがもっと良くなっていくに違いない。そんな勢いを感じた。またモーリーストーンさんへ行こう、高いけど。

エジプト・ベスト・ライス

2023-11-20 09:13:22 | 食材
エジプト・ベスト・ライスとは、エジプトで生産されている米ブランドのひとつである。日本ではパン食文化の浸透以来、長く“コメ余り”の状態が続いており、政府はいわゆる減反政策を行ってきた。そのうえ昨今では“脱炭水化物ダイエット”と称する米食の否定がブームとなっていて、米の替わりにブロッコリーを食べている健康志向の人もあるようだ。だが世界を見れば日本米には高い需要があるようで、北米では北カリフォルニア産の日本原種の米は総じて一等高く、2023年の激しいインフレ下において吝嗇な30代独身日本式サラリーマンの頭を悩ませている。だからという訳ではないが今回はエジプト・ベスト・ライスを紹介したい。


この米の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。


①エジプト・ベスト・ライスとの出会い
筆者がエジプト・ベスト・ライスと出会ったのは、2022年の秋から冬にかけてコネチカット州で長期出張をしていた頃である。カリフォルニアの長屋から帰任者の払い下げ品の炊飯器を持ち込んで、ホテル(主にファーミントン市のエクステンド・ステイ・アメリカ)で自炊生活をしていた。そのホテルから近い場所に半分ヒスパニック半分中華の総菜屋があり、筆者はそこをよく利用していた。その店の隣には小さな中東系のグローサリー・ストアがあった。総菜の出来上がりを待つ間に冷やかしでそのストアをうろついているときに、エジプト・ベスト・ライスを見つけたのだ。


②エジプト・ベスト・ライスの購入
米国の中東系コミュニティは大きくないので、概して中東系スーパーは小さい。見栄を張って“冷やかし”と言ったものの、気弱な似非30代独身サラリーマンには“狭い店内に客一人”という状態では、何も買わずに店を出る黒田勇気がない。なので店内を物色していると、小ぶりな黄色いプラスチック袋に入る米を見つけた。装丁はピラミッドをバックに駱駝に乗る男の黒いシルエットが描かれた格好良いデザインで、さらに商品名が『エジプトで最高の米』である。筆者の知識ではエジプトには米よりも麦のイメージがあったので俄然興味が湧いた。透けて見える米粒を見れば、インドなどで見られる細長い粒でなく、姿かたちが日本米に近いのも筆者には不思議に思えたので、購入してみることにした。


③エジプト・ベスト・ライスの炊飯
ホテルに戻り、エジプト・ベスト・ライスの袋を開けて、米粒を手で掬い取ってみると、やはり粒状は日本米に近い。鼻に近づけてみれば、ほんのわずかに異国の香りがするものの、日本米と同じ匂いといってよい。さっそく払い下げ品の炊飯器に放り込み、よく研いでから炊いてみた。炊きあがったエジプト・ベスト・ライスの見た目は、高級米に見られるような粒の輝きは全くない。しゃもじでよそった感じでは、日本米のような粘性は少なく、一粒一粒がソリッドな形を残していてる。それでも箸を使えば塊でつまむことができるほどの粘りがあって、まるで水を少な目に炊いた日本米のようだ。口に放り込めば一粒一粒の存在感がしっかりとした舌触りに、なかなかの弾力、それと米の香りが合いまって意外に美味で驚いた。モチモチ米よりパサパサ米を好む人にとってはよい米に違いない。かくしてエジプト・ベスト・ライスは筆者のコネチカットでの食生活を支えることとなったのだ。


さて、カリフォルニアに帰って来てから、何の気なしに久しぶりにヒルズ・デイルにあるアラジン・スーパーマーケットに足を運んだ時に、またエジプト・ベスト・ライスに出くわしたので、買ってみることにした。中東系の帽子を被った店員に『これはエジプトの米だぞ!?これが好きなのか』と訝しがられたので、『うーん、日本米に似てるんだよ』と答えて長屋に戻り、気になってエジプト米について調べてみると、在エジプト日本大使館のページに以下のような記載があった。なんとエジプト米の原産は日本米だったのだ。サンフランシスコの街中にはコシャリが食べられるエジプト料理屋もありようだ。また面白そうなものが見つかった。



~エジプトのお米は日本米!? 在エジプト日本国大使館 ~
国民食と言われるコシャリをはじめとして,エジプトでは古くから 一般的にお米が食されています。そして,そのお米のほとんどが日本由来の短粒種ヤバニ米(ジャポニカ米)を元に品種改良が行われ,エジプ トに根付いたものです。 今から約 100 年前の 1917 年,エジプト政府は国内の人口増大を見越 して,米を生産奨励品目に指定し,生産拡大に向けて品種改良に着手し ました。その際,スペイン,イタリア,アメリカ,中国,インド等世界 各国から約 250 種の米を集め,比較検討した結果,最もエジプトの気 候に適し,生産性が高いとして選ばれたのが日本由来のヤバニ米です。 その後も品種改良が重ねられ,さらに 1980 年代から 1990 年代にか けて行われた JICA による稲作の機械化や精米処理に対する支援等もあ り,エジプトの米生産は大きく増大し,今では日本由来のお米がエジジプ ト人の間で広く親しまれています。

ピナパイタン・ミックス

2023-09-26 11:12:20 | 食材
ピナパイタン・ミックスとは、サウス・サンフランシスコ市にあるアジア系スーパー、パシフィックスーパー”で売られているモツ肉ミックスのことをいう。そう、筆者はサンノゼを離れてサウス・サンフランシスコへ移ってきた。北米で拠点を替えるのはもう4回目だ。2023年の日本の夏は気象庁の観測史上最高の暑さだというのに、サウス・サンフランシスコは朝から昼前までは太平洋から冷たい風が吹きすさび、Tシャツで外に出ると震えるほどだ。新しい町へやってくると、以前はウキウキしてすぐに散策に出てみたりしたものだが、似非30代独身日本式サラリーマンになってからは正直外出するにも力が要る。それでも食材は買わなくてはいけないので、スーパーマーケットには行く。



この食材の特徴は以下のとおりだ、参考にしもらいたい。



①パシフィック・スーパーマーケット
サウス・サンフランシスコ周辺は駐在員の居住区から遠いため、ニジヤなどの日本人向けスーパーはない。そして筆者の長屋から一番近いアジア系スーパーがこの“パシフィック・スーパーマーケット”である。とはいえ敬愛する細野晴臣の名盤と同じ名前のスーパーなので悪い気はしない。エルカミ通り沿いにあるこのパシフィック・スーパーマーケットには、昭和時代に建てられた日本の水族館のような古びた風貌がある。駐車場の舗装状態も悪く、いかにも貧民層のスーパーといった感じがにじみ出ている。中に入ってみると、アジア系なことは確かなものの、ベイエリアのその他のスーパーに比べて国籍が不明確だ。当然日本式スイーツや日本酒の在庫はない。そしてライオン・スーパーですらある店内のBGMすらない。



②ピナパイタン・ミックス
ピナパイタン・ミックスは精肉コーナーの左隅にパックされている。それはハチノス、レバー、マル腸と、それに肩肉のような肉の4種盛で、発見時の筆者の心は少なからず踊った。長く北米のモツ肉事情を研究したきた筆者ではあるが、いわゆる“盛り合わせ”を見たことはなかったからだ。長屋で一人でモツ焼きパーティーを開催するためには、数種のモツ肉パックを買い込む必要がある。だがどれも所謂北米サイズなので3、4種のモツ肉を買い込めば、30代独身日本式サラリーマの冷凍庫はたちまちモツ肉で一杯になり、まるで遺体でも隠しているような状態になるのだ。



③モツ肉祭りですよ。
パックの中央にはモツ肉たちに包囲された状態の小さなプラスチック容器があって、中にはナメック星人のような怪しい緑色の液体が入っている。おそらくこれが“ピナパイタン”なのだろうが、筆者が求めているのはモツ肉のみなので無視をする。パックから取り出した肉たちをコチュジャン、醤油、それとごま油と混ぜてよくよく練り込んだらば、モツ肉パーティーの開催である。これが楽しい。正直『要らない』と思った肩肉も噛み応えがあってなかなかどうしてモツ肉祭りに貢献する。



だが、筆者はまだ“30代独身日本式サラリーマン”としての好奇心を保持している、そのうえ情にもろいタイプである。寂しそうに居座る緑色の液体に興味と哀れみを感じ、指をつけてそっと舐めてみた。『オェ!これがかなり苦い!』ピナパイタンについて調べると、フィリピン北部の郷土料理で、牛モツを牛の胆汁でスープにしたものなのだという。この“胆汁”に苦味が強く、慣れない人にはハードルが高いのだそうだ。どうやらパシフィック・スーパーマーケットはフィリピン色の強いスーパーのようだ。牛の胆汁は緑色なのだろうか。

高山のパイズリケーキ

2023-07-05 00:23:55 | 食材
高山のパイズリケーキとは、筆者がサンノゼ市の中華スーパーで見つけたケーキのことである。告白するが、筆者は人生において“パイズリ”を経験したことはほとんどない。にも関わらずVHSやDVDやネット動画などで“パイズリ”を永く愛で楽しんできた。それほどに“パイズリ”は、30代独身日本式サラリーマンには(いや、案外既婚男性ほど・・)憧れがあるというものだ。さて最近は仕事のストレスが大きく、週末は長屋でじっとしなながら、仕事を“ファイヤー”して実家でぐうたら暮らす夢想に浸りがちだ。だがその夢想を現実に近づける毎に、ストレスフルな両親のことを思い起こして悶々としてしまう。30代独身日本式サラリーマン読者諸氏はどうだろうか。


このパイズリケーキの詳細は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。



①高山のパイズリケーキを見つける
サンノゼのアジア系スーパーマーケットのライオン・スーパーは、いつもレジの手前にお買い得商品が山積みにされていて、レジ待ち客の購買欲を煽る仕組みになっている。とはいえそのようなお買い得商品には、筆者の目に留まるものがまるでないので、普段は素通りするばかりだ。2023年6月下旬、いつものようにそのレジ周辺を素通りするも、僅かに視覚に入り込んだ“パイズリ”のカタカナ文字が、筆者の脳に特攻の拓並みの『!?』を与え、思わず振り向いて確認してしまった。高級感のある四角く黄色い箱には、確かに“パイズリケーキ”と書いてある。これは恥ずかしい。だが買いたい。数秒ほど迷った挙句、ついに手に取って買い物かごへ放り込んだ。レジ係の中年婆の心なしか冷たい視線が気になるが、彼女は日本語は解らないはずなので、これは筆者が勝手にドキドキしているだけである。



②高山のパイズリケーキの外観
高山のパイズリケーキの黄色く四角い箱は、ポップさと高級感を兼ね備えた、女子が好みそうな装丁だ。箱の正面中央にはホルスタイン牛が大きく描かれ“北海道産牛乳使用”と謳っている。また左上には赤く高山の屋号が載り、伝統ある洋菓子メーカー商品の風格がある。それでいて端部には調理具や果実などのかわいい絵柄が並んでポップな雰囲気を出している。中国語の商品名は“抜絲肉松蚕糕”なのだが、日本語ででかでかと“パイズリケーキ”との訳が併記されている。その他の中国語メッセージにも日本語訳が付されているが、『口のブラシは柔らかく、柔らかい』や『塩辛い甘いブレンドシルク靭性』などの意味不明な日本語ばかりで困惑する。



③高山のパイズリケーキについて調べる
高山のパイズリケーキは、神奈川県川崎市の高山商事というところが取り扱っているが、表記された住所を調べても小さなアパートしか出てこないので、かなりの零細企業もしくは日本では個人宅を事務所としているようだ。その他に中国や米国ニュージャージーやカナダにもオフィスがあるとの表記があるが、何だか怖くなったのでこれ以上の調査を止めることにした。パイズリでありさえすれば、あとは筆者にはどうでもよいことだ。



④高山のパイズリケーキの味
箱の中には小分けにされた丸型のカップケーキ風のパイズリケーキが入っており、その小袋にも『北海道風味』としっかりと記されている。その小袋を開けると、何だか保存剤のような薬品の臭いが強くて食欲が減退する。一口食べると、確かにしょっぱいような甘いような中途半端な風味で、それよりもやはり薬品臭が強くて耐えられず、ごみ箱へ放り込でしまった。この臭いはコネチカットのアドン・スーパーマーケットやフォスターシティの99ランチマーケットでたまに嗅ぐ臭いを強くしたものだ。このパイズリケーキは、見た目ほど気持ちよくないものだった。



さて、この高山のパイズリケーキの原文、“抜絲肉松蚕糕”について調べると、“肉松”という乾燥肉を粉末にしたもののケーキで、中国では一般的な食べ物なのだという。確かにアジアスーパーでは奇妙な肉紛を多く見かける。一般的には日本人が苦手な味ということだ。筆者の感じた臭いもこれのものだろうか。数か月前だったろうか、生乳の価格が下がってしまい国産の生乳を廃棄する羽目になっているというニュースがあったのを思い出す。もしかすると高山商事はそのときの北海道酪農家へ救いの手を差し伸べた業者なのかも知れない。ネーミングに失敗しているが、もともと日本人向けの商品でもなさそうなので問題ないのかも知れない、筆者のようなもの好き中国人が“パイズリってなんのこと?”と、グーグル検索しない限りは。

潺菜~モン・トイ~

2023-04-09 03:47:08 | 食材
潺菜~モン・トイ~とは、筆者がサンノゼ市のライオン・スーパーマーケットで見つけた素晴らしい野菜のことである。コネチカット州での長期出張からやっとこさ解放されて戻ってみれば、ベイエリアの天候は例年にない荒れ模様で驚いた。暴風により街路樹が倒された所為でそかしこで停電だし、市内に点在する普段はカラカラの洪水調整用の貯水池も満水状態で波打っている。おまけに寒い。ニューイングランドの断熱仕様の家屋とは違い、ベイエリアの長屋は隙間風がどこからでもやってきて、暖房なしでは寒くて辛い。“カリフォルニアへ帰るのか!?ニューイングランドの冬から逃げるんだな!”と筆者を冷やかしたコネチカット人たちに見せてやりたい。さて今回は潺菜~モン・トイ~の紹介である



この野菜の特長は以下の通りだ、参考にしてもらいたい。



①葉物野菜を買うならやはりアジア系スーパー
潺菜~モン・トイ~は“菜”と付くだけあって葉物野菜である。筆者の研究によればアジア人は葉物野菜をよく食べる。北米のアジア系スーパーは葉物野菜の種類が豊富で、日本でもあまり見ないようなものもあって研究のしがいがある。それにベトナム中華系のライオンスーパーは、漢字とアルファベットで名前が表示されているのも面白い。ただたいてい一袋の量が多いので30代日本式独身サラリーマンにとっては手に取りにくい。潺菜~モン・トイ~は一袋がハンドボールくらいの手ごろなサイズだったので、見つけてすぐに買い物かごに放り込んだ。ちなみにアジア系といえどもフィリピン系スーパーでは葉物野菜はさほど見かけない。




②潺菜~モン・トイ~
“潺”という文字は初めて見た。何となく不吉な意味を想像させたのだが調べてみると、“せん”と読み、“水の音、さらさらと流れるさま”とのことである。袋を開けてみると葉っぱや茎にしっかりとした弾力があり、多肉植物っぽい感触がある。またゼンマイのように茎の先端が少しだけらせん状になっているのも特徴的だ。筆者はこういった葉物野菜は大きな鍋で一気にサッとゆで、適当に切ってタッパーに入れ、上からふりかけなどをかけておく。これが簡単30代独身日本式サラリーマン風おひたしである。




③料理
潺菜~モン・トイ~についても同様にサッと茹でてまな板に載せたときに、筆者は異常に気が付いた。ヌルヌルなのだ。それも並大抵のヌルヌルではない。オクラなどは相手にならない、まさにウチワサボテン級のヌルヌルだ。そう、何を隠そう30代独身日本式サラリーマンは食べ物でも何でもヌルヌルしたものが大好きなので、台所で一人でデストラーデ選手のようなガッツポーズを決めてしまった。確かに水分を多く含むため“潺”の文字は間違ってはいないが、“サラサラ流れるさま”とは言い難い。“ヌルヌル菜”の方がよいようだ。



④味や活用法、潺菜~モン・トイ~の正体
味もよい。苦味がなく食べやすい。うどんやそばの具として利用するのもよいようだ。それに多くのヌルヌル食材と同様に腸内清掃にも相当有効なことが確かめられた。さてこの潺菜~モン・トイ、日本では“ツルムラサキ”という名で知られているのだという。熱帯地方原産で暑さに強いツルムラサキは、栄養価の高さもあって日本でも栽培が盛んになっているのだそうだ。ウィキペディアの記事は非常に詳細で、『ベトナム料理ではモントイ(ベトナム語: mồng tơi)と呼び、スープの具にすることが多い』との記載まであった。



ヌルヌル好きの筆者は潺菜~モン・トイ~をすっかり気に入ってしまったので、しばらくは新しい葉物野菜に挑戦することはなさそうだ。タカハシユキヒロさんに引き続き坂本龍一まで死んでしまった。ベイエリアはまだ肌寒いのだが、少しずつ樹木の花が咲き始めていたり、冬には姿を見せなかったカルガモや七面鳥のつがいが出てきたりと、確実に春が来ている。坂本ちゃん、坂本九、坂本一生、坂本慎太郎、坂本弁護士や坂本金八、河村隆一などの画像を旧友に送り続けてみたが忙しいのか返信がなく、一人で部屋でヌルヌルニヤニヤしている。