要するに、また仕事で東京に行ってきましてね。
今回、初日は移動日だったので、夕方に羽田に降り立ち、そのままホテルへ。
早速、夕食を食べるべく、夜の帳が下りてゆく街へ。
向かったのは、そこで供されるトンカツが「上野三大トンカツ」の一つ、と謳われる御徒町駅近くの「ぽん多本家」。以前から行きたかったお店でして。
…一瞬、奥の黄色い看板もとても魅力的に感じたのですが(笑)、そこは当初の予定通りに。
老舗の佇まいを感じる、ずっしりとした扉を開けると、目の前に四席のカウンターがあり、その後ろに厨房が。オープンキッチンですね、つまり。
そして二階にも客席がある模様。夕方の早い時間ながらも、常連さんらしき方々が、「ご馳走さま」と口にしながら階段を降りてきました。
職人さんがキビキビと仕事をされている、その姿を眺めつつ…
まずは一杯。
お通しは角煮。想像通りの柔らかさ。ホロホロです。脂身の甘味も嬉しい。
店内にはBGMも無く、清々しさすら感じる心地よい静けさの中、ただ職人さんが仕事をこなす音のみが響きます。
キャベツをサクサクと刻む音。
それと共に聞こえる、まな板に包丁が当たる音。
時折、揚げ油がパチパチと弾ける音。
パン粉を整える音。
豚肉を叩く音。
トントンと、パン粉の中でカツを成形していく音。
こうした音を聞いてるだけで楽しい。確かにBGMは要りませんね。そんな音を楽しみつつ、ビールを飲んでました。
そして、シュワっと言う、カツを油に解き放つ音が響いてから暫くして…
何とも上品なカツレツが目の前に。
メニューには「トンカツ」ではなく、「カツレツ」とあります。
洋食屋さんなので、そう呼んでるんでしょうね。この日はメニューには残念ながら無かったのですが、ビーフシチューも人気だとか。
そしてこのカツレツ。
ソース無しでもおいしいと。
ならば、まずはそのまま何も付けずに口へ。
…まず、とにかく柔らかい。
噛むと期待通りの肉汁が溢れて出て…確かに、しっかり程良く味が付いている。
豚肉の旨さや香り、甘味を感じるには、この上なく。
結局、カウンターの上にあったウスターソースを付けて食べたのは…ふた切れ。
後はそのままか、辛子をちょっと付けて。
これが老舗の味かと、唸りながら食べておりました。
次はビーフシチューも食べてみたいですね。
気付けば、お店は満席状態。さすがの人気です。
幸福感に包まれつつ、すっかり日の落ちた御徒町をブラブラ。
途中で見つけたバーに入り、カクテルを数杯。実は有名なお店だったらしく。オーセンティック、と呼ばれる雰囲気でしたが、バーテンダーさんは気さくな方で、ゆったり過ごせました。
スタンダードなカクテルを色々お願いしましたが、カクテル用のレモンジュースやライムジュースを使っていて、いわゆる「ハイカラ」さと言うか、東京らしさを感じる味。
結構、酔っ払ってしまい(笑)、小腹も空いたので…
東京を代表する庶民派の味。憧れておりました。
やはり食べるならコロッケ蕎麦だなと。富士そば=コロッケ蕎麦、というイメージだけはありました。実際、券売機の一番目立つ所にコロッケ蕎麦のボタンが。
券を店員さんに渡したら、あっという間に出来上がりました。流石の速さ。
コロッケを箸で軽く突き、蕎麦つゆに浸す。その中で崩れゆき、汁を含んだコロッケは確かに素敵な味わい。
コロッケ自体も良い味わいで、この「庶民派マリアージュ」はそりゃ人気になるよなぁ…と思いつつ、蕎麦を啜っておりました。
ミニカレーがこれまた素敵。なんて事ない感じが逆に孤高。
上野・御徒町の夜をすっかり楽しんでホテルへ戻りました。
翌日はしっかり、朝からちゃんと仕事しまして(笑)。
その日の仕事を終えて、札幌へ帰るべく夕方過ぎに羽田空港へ。
この夕飯時の羽田空港、お弁当類は大抵売り切れてまして。さすがに「あの」お弁当も無いだろうなと思ってたんですが。
この崎陽軒のシウマイ弁当。東京出張時の最大の楽しみなのです。
まさかの再会に、意気揚々と缶ビールと共に購入。
待合室で空港の夜景を眺めつつ、呑気に食べておりました。冷めても美味しい、ちょっとホタテの風味もするシュウマイは、ご飯にもビールにもぴったり。
この時は、この後の「トラブル」なんて全く予想してませんでしたから、そりゃもう、呑気の極みでしたよ(笑)。
9時過ぎ。飛行機は予定より遅れて新千歳空港に到着。
さぁ、電車で札幌まで向かおうか…と、JRの新千歳空港駅へ降りるエスカレーターに乗っていたその時に。
ガン、と来ました。激しい横揺れが。最初はエスカレーターが壊れたかと。
2月21日に北海道を再び襲った大きな揺れ。
交通機関は麻痺し、帰宅困難者が続出。
しかし。
色々、運が良かった事もあり、真夜中過ぎには自宅に戻っていました。ありがたや。
飛行機が遅れなかったら、恐らく途中で立ち往生した電車に乗り込んでしまっていて、朝方まで閉じ込められてたでしょうね。
σ(^_^;)
タイミング良く、バスにも乗れたのですが、乗れなかったら空港泊まりだったはず。
普段はひたすらツイてないのですが…
こうゆう時のために溜め込んでたのかも。
それにしても。
折角の東京での思い出も吹っ飛びましたよ。
地震には勝てません。
まだまだ、気が抜けませんね。