稚内、函館、釧路…どこも、美味しい洋食系のお店が多い。
でも、小樽の海の男達はストレートに肉を求めたんでしょうか。
何か、老舗感をビシビシ漂わせる焼肉屋さんも多い。
その中でも特に気になってたのがこちら。
この佇まいは力強いです。言い方を変えると入りづらいです(笑)。
それ故に、躊躇し続けてましたが…今回、意を決して暖簾を潜りました。
すると、もう、昭和初期で時間が止まったような居心地のよい空気感。
換気はほぼ自然に行われてる感じで、目線の高さの空間は既に煙で霞んでる。
カウンターに座ると炭火がドカッと置かれます。
まずはホルモンとサガリ、瓶ビール。野菜も一人前オーダー。
お母さん二人がザザッと、大胆にテキパキと準備して、ドンッと肉が目の前に。
良いですね。すごく良いです。たまらんです。焼肉はこうでなくては、と言うザックリ感。煙の匂いが体に染み付く事なんて気にしちゃ野暮ですね。
ガンガン焼いてガツガツ食べる。これが街の焼肉の作法だよ、と言わんばかりの迫力に恐縮しつつ、分厚いサガリを口に運ぶ。
なんせ、一見で恐る恐る入りながら、周りの常連さんらしき方々のオーダーの仕方などを横目で見つつ、手探り状態で座ってた訳ですが、暫くしたら多少は慣れました。
…ん?…隣のお客さんが「カルビ」って頼んだけどメニューには無いなぁ…
…ああ、壁のメニューに「バラ」って書いてるけど、アレがそうか…後で頼もう…
…あ、お母さん二人は手が回らないから、瓶ビールの追加は入り口近くの冷蔵庫から自分で取って、お母さんに自己申告するのね…とか勉強しつつ食べ進める。(一応、一見なので厚かましくならないように、瓶ビールは三本目から自分で取った)
でも、これはテンション上がる焼肉ですよ。写真では伝わりにくいかもしれませんが、このサガリはかなりの厚み。ホルモンも味わい深い。
で、かなりあっさりした味付け。クドさは無いです。そのせいか、翌日も胃もたれとかしませんでした。
そして、小樽ならではの焼肉文化がコレ。噂には聞いてましたけどね…
食べ終えたタレにスープを入れてもらって、それを締めに飲むんですね。
そのオーダーの過程も、隣のお客さんの様子を横目で見ながら勉強してたので(笑)、その通りに真似を。
熱々のスープが注がれて、それを蕎麦屋さんの蕎麦湯が如く啜る。
焼肉明けに熱いスープを飲むと、確かに脂が洗い流される様な感覚でさっぱりしますね。
お会計時にはお母さんから「いっぱい食べたし、飲んだねぇ」なんて言われたりして、妙に和む(笑)。懐かしい和み感。
これは再訪したいですね。ちゃんと煙を浴びても良い様な服を着て。
帰り際、小樽駅の売店でもう一つ小樽名物を。
小樽に祖父母が住んでいたときは、訪れる度に団子を買ってくれたんですよね。
「花園だんご」が有名ですが、こちらのメーカーも創業は大正。
小樽の歴史と文化は奥深いですね。