じゃ、僕の話をします。

『本気食聡咲』の記事は「居酒屋・和食」カテゴリーよりご覧下さい。/※各掲載店の閉店情報等は基本的に追記しておりません。

札幌のマニアックな映画館の下で、「やきそば じろ」の誠実な焼きそばを食べる。

2022-08-11 | こだわりの専門店
札幌狸小路にある映画館「サツゲキ」。

以前はススキノ中心部の「スガイビル」の中に、「札幌劇場」と言うシネマコンプレックスがあったんですね。

上映作品はハリウッド大作からマニア向けの話題作まで、札幌市内の他のシネコンでは上映しない様なものも含めて、かなり幅広くきめ細かいラインアップで、北海道の映画ファンに愛され続けた映画館。

しかしながら、建物の老朽化もあったんでしょうけれど、ビルごと無くなってしまいました。

閉館に涙した映画ファンは多数。

しかし。

見事に復活したのでした。

元々、札幌のアーケード「狸小路」には別の映画館があったんですが、ほぼ営業休止みたいな状態だったんですね。

そこを改装し、以前からの愛称だった「サツゲキ」として正式に復活。映画ファンは歓喜したのです。

そして、その映画館の下には「ハグイート」と言う、小さめのお店が複数集まった、フードコートの様な施設がありまして。

寿司や豚丼と言った北海道ならではの料理のほか、ベトナム料理なんかもあって、色々楽しめます。

共用のテーブルが中心にあったりして、ここで各店の料理を持ち寄って食べたり、お店で食べつつも他のお店からの「出前」もOKだったりと、フレキシブルに楽しめるんですね。

で、数あるお店の中で、今回は「やきそば じろ」に。

実は以前、新札幌のガード下に「河童」と言うお好み焼き屋さんがありまして。

僕もよく食べに行ってました。

その「河童」さんが移転し、焼きそば専門店として再出発なさったんですね。

カウンターに座ると、背後には無数の映画のポスターが。さすが映画館の真下にあるだけはあります。

映画好きな方なら、コレにも反応なさるのでは。
ハリウッド映画とかで、よく中華料理をテイクアウトして、主人公が食べたりする「あの箱」です。

今、iPhoneでこの記事を打ってますが、「テイクアウト」と入れると、変換の候補にもこの箱が「🥡」と出てくるので、iPhoneさん的にも認定されてる箱ですね。

で、こちらのお店でも、この「箱」でテイクアウトできるんですね。素晴らしい。

そして、映画関係者のサイン色紙も並びます。

「孤狼の血」の白石監督や、「シン・ゴジラ」の樋口監督など、錚々たるメンバーです。

そんな色紙を眺めつつ、ハートランドを。他にも様々なビールがあるのも、こちらのお店の魅力。

メニューには無かったのですが、「河童」の時に毎回食べていたとん平焼きをお願いしたら、「材料があるもので良いなら」と作ってくださいました。

そして、焼きそばです。

随所にこだわりを感じる一皿ですが、やはり麺の食感などは他のお店と一線を画します。

麺を一度茹でて、流水で締めてから焼くので、歯応えが素敵。

ご主人の創意工夫と、手間暇がかかった味がします
「高い」なんて、ネットで野暮なこと言ってる方もいらっしゃるようですけどね。

もちろん、安くてフレンドリーな焼きそばもあります。

それも、確かに素敵。

でも、何でもかんでも安けりゃ良いってのは、多少残念な視界の狭さです。

僕自身、「コスパ」と言う言葉でなんでも語ろうとする姿勢は大嫌いで。

値段には「意味」があると思いますよ。

ブルックリンラガーが飲めるのも有り難い。

ガメラも美味しそうに食べてますし…


「非公認だけど、監督がこれを見てるから実質公認」らしい、シンな感じの焼きそばも。

とある地元FM局の、映画好きで有名なDJさんも、すっかりご常連らしいこちらのお店。

映画を観た後、ここで焼きそばを食べつつ余韻に浸る、なんて贅沢な事が出来る訳です。

そして、もしかしたら不意に映画関係者が隣に座って、同じ様に焼きそばに舌鼓を打つかもしれない、そんな期待をしてしまうお店でもあります。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「白卵懐」

2012-10-27 | こだわりの専門店
長沼町にある、卵かけご飯専門店。『はくらんかい』と読みます。

知る人ぞ知るお店だったようですが、最近は地元のローカル番組でも紹介されて、すっかり人気のお店。

国道を長沼の道の駅から若干、由仁側に進むとお店のノボリが道路沿いに数本立ってまして、そこから砂利道に入った先にあります。

周りは畑しかありません。


たどり着くまでにちょっと不安になります(笑)

お店に入ると、テーブルとカウンターが。

サイン色紙が何枚も飾られていて、あの大泉洋大先生を始めとするチームナックスの面々や、地元のアナウンサーのほか、漫画「クッキングパパ」のうえやまとち先生の色紙なんてのも。

注文票を書いて渡すと、しばらくして運ばれてきたのが…

こちら。

ご飯、味噌汁、卵。あとは漬け物に卵焼き。

潔いです(^_^;)

自信の表れでしょうか。

ご飯のおかわりは追加料金が必要ですが、卵は自由。

まずは直接卵をご飯に。

少し白っぽい感じの黄身。

醤油無しで食べたら、本当に素直な味。臭みは一切無く、滋味深い。キレイな味と言うか、すんなり体が喜ぶ味と言うか。

市販の一般的な卵で卵かけご飯を食べると、何となく後口に独特な風味が残るのですが、それが無い。爽やかで清々しい後口。

これは何個でもイケます。

醤油を垂らすと風味が増すのはもちろんのこと。かき混ぜると、ご飯の熱でごく軽く卵に火が通って、ふんわりしたオムレツのような食感。一気にかっ込みました。

ご飯のおかわりを注文して…

今度は自家製「ニラ醤油」で。

これがまた素晴らしい。

ニラ醤油はその名のとおり、醤油に刻んだニラが入ったもの。ニラの香りと旨味がしっかり移っています。

これを卵に混ぜ込んで、熱々のご飯に。

たまりません。

ニラの香りが立ちこめて、食欲を掻き立てます。食べると、卵の甘味とニラの旨味が渾然一体となって、その香りが鼻に抜けていく…

素直な卵なので、ニラの良さをしっかり受け止めて、さらに引き立ててくれます。

さすがは専門店。

お店は満席だったのですが、お客さんは皆、唸りながら食べてました。

卵の販売もしていて、思わず1パック買ってしまいました。

自宅でも卵かけご飯にしてみましたが、やはりポテンシャルの高い卵だなぁ、と。

新米を楽しむのにも最適な卵ではないでしょうか。

でも、まず最初は是非お店で味わっていただきたい。

ほのぼのとした田園風景の中、美味しい空気と共にいただく卵かけご飯は、心を豊かにしてくれる味わいでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする