読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「自分」とは何かを問う、「続・働く理由~99の至言に学ぶジンセイ論~」(戸田智弘著)

2009-01-29 04:45:01 | 本;エッセイ・評論
◆目次◆
はじめに
01 ニーチェ
1.可能性を見つける
2.「やりたいこと」と「できること」
3.自分の価値観を知る
4.仕事で自分を表現する
5.幸福 vs 成功
6.仕事 vs 労働
7.迷う力、決める力
8.挑戦する力、持続する力、適応する力
9.良い自分探し VS 悪い自分探し
10.自分探しと”世界探し”
11.豊かさのパラドックス
12.人生の意味
13.生きるとは自分の物語をつくること

本書の前作にあたる「働く理由」は読んではおらず、書店に立ち寄った際何気なく買ってみた本です。最初は中高生向けにはいい本だと思って読み進めてみると、仕事、自分、人生について実に深い箴言に交えて、著者の多少強引と思える人生観が綴られていて、弱気になりがちな私にとっては勇気づけられる内容でした。たとえば、こんなふうに・・・

~われわれは、安逸と贅沢が得られなければ
人生の幸福はあり得ない、と考えているが、
実際に人を真に幸福にするものは、
何か我を忘れて取り組める事柄を持つことである。~チャールズ・キングズリ(牧師)

「我を忘れて取り組めるような「何か」を持てることが最大の幸福の条件であるような気がする。キングズリの言うように我を忘れて仕事に取り組んでいるとき、心は“何か”で満たされている。その状態こそが幸福の正体である。無心になると心が“何か”で満たされるというのは面白い」。

~「たましい」はいろいろな人や、人と物とを「結びつける」はたらきをもっており、そこには「語り」が生じてくる。したがって、「おはなし」は「たましい」との関係が深いのである。一本の木がある。それを切り倒そうと、無視しようと人間の勝手である。ところが、「この木には、昔、あるときに・・・」などという「おはなし」があり、それに心を惹かれると。その木を勝手に切り倒すことはできないし、しめ縄を張って拝んだりさえする。多くの伝説は、「もの」に「たましい」があると感じさせる力をもっている。~河合隼雄(心理学者)

「たましいのこもった仕事、たましいのこもっていない仕事という言い方がしばしばされる」。

「たましいのこもっていない仕事とは「割り切った仕事」だと言える。「仕事はお金のためだ」と割り切ってする仕事である。何か別の目的のためにする仕事。別の時間を充実させるためにする仕事である。逆に「たましいのこもった仕事」とは割り切っていない仕事である。「仕事の報酬は仕事である」と言い切れるよな仕事である」。

「また、自分といろんな物事がつながっているという感覚を持ちながらできる仕事とも言える。自分の体と自分の心がつながっている、自分と他者がつながっている、自分と自然がつながっている、自分と地域がつながっている、自分と仕事の対象となるものがつながっているというようにだ」。

先人の言葉は、人生の先輩としての、私たちの未来への言葉であります。


戸田智弘 Tomohiro Toda;ライター&キャリアカウンセラー。1960年愛知県生まれ。北大工学部、法政大学社会学部卒業。著書に『働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。』(ディスカヴァー)、『50歳からの海外ボランティア』(双葉社)、
『妻が夫に書かせる遺言状』(主婦の友社)、『海外リタイア生活術』(平凡社新書)、『元気なNPOの育て方』『狙われる日本人』(NHK生活人新書)、『職在亜細亜 職はアジアにあり!』(実業之日本社)などがある。

<みんなの仕事塾<戸田智弘のブログ>>
http://toto2000.blog.ocn.ne.jp/shigoto/rss.xml

<戸田智弘さん かしこい生き方のススメ - COMZINE by nttコムウェア>
http://www.nttcom.co.jp/comzine/no059/wise/


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2 コメント

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生きるとは何でしょう。。。。 (冬目漱石)
2009-01-29 16:44:29
はじめまして。

人間が生きて行く途上で、様々な試練や悩みがあります。
最近、「生きる意味が分からない。死にたい」という人が急増しているように感じます。


明日に希望が持てない不安な時代でもあるからでしょう。

しかし、こんな言葉を最近聞いたことがあります。
「あなたが”死にたい”と思って無駄に過ごした今日は、昨日死んで行った人が懸命に”生きたい”と思って努力した明日なのです。」

人は一体、何のために生きているのでしょうか。
人はどこから来て
何のために、勉強し、働き、生きて
どこへ向かっているのでしょうか。
なぜ、人は孤独なのでしょうか。
愛とは何か、生きる意味、死とは何かなどのことについて、ブログで分かりやすく聖書から福音を書き綴って来ました。
ひまなときにご訪問下さい。
http://blog.goo.ne.jp/goo1639/

「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」(聖書)                   

「生きる目的は一体何か」
http://blog.goo.ne.jp/goo1639/m/200705

「人生の目的と意味は何か」:
http://blog.goo.ne.jp/goo1639/d/20060519

   


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冬目漱石さん、おはようございます (asongotoh)
2009-01-30 04:55:40
貴重なお話ありがとうございます。そちらのブログへも寄らせていただきます。
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