大きいことはいいこと?
韓国経済は日本に追いつき追い越すことが一つの目標として、戦後日々努力してきています。半導体や液晶・造船など日本を凌駕する分野もありますが、全体的な規模、構造では残念ながらまだ追いついたとはいえないかも知れません。しかし、90年代に既に追いつき追い越し、さらに差を広げている分野があります。青少年の平均身長です。
1993年に男女高校生の平均身長は0.2センチ差で逆転し、その後も差を広げ、現在は3センチ近く上まっています。(男子173.9cm 女子161.1cm)元来、半島の民族は体格的に恵まれており、戦後、栄養的に恵まれず、十分に成長できなかったのが、経済成長と共に本来の身体的特徴を取り戻したとも言えるでしょう。それだけに、高身長を良しとする価値観は、日本以上のものです。(日本はむしろ、小さいもの、細かいものに対する美意識があり、李御寧教授が‘ 縮み志向‘と表現しました。)実際、私が韓国を訪れた1980年代当時は、まだそれ程背が高いというイメージはなく、肥満者も少なかったように思います。しかし、身長を尋ねると、どうみても私より低いと思われる男性が、本人の申告では私より高いというのが珍しくありませんでした。女性も、顔以上に高身長の男性を好む傾向があり、男性陣の‘水増し‘もそのためだったかも知れません。
動物の世界では体の大きいものが、支配的な立場になることはむしろ一般的な現象ですし、村のリーダーはやはり体格の立派な、力の強いものがなることが多いでしょう。アメリカ大統領選で背の高い候補が、背の低い候補に負けたケースは1968年までなかったそうです。(このときの勝者はニクソンです。)アメリカ大統領=パワー=長身であることの象徴でしょうか?しかし、最近、女性のほうが背の高いカップルが以前より多くなってきた気がするのは、男性以上の女性の発育のせいか、パワー関係の変化かはわかりませんが・・・・・
『東洋経済日報2008.掲載』
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