美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

心の距離、家族の距離

2014-12-15 15:17:41 | Weblog

以前コラムで人と人の心理的距離感「パーソナルスペース」について触れたことがあります。比較的すいている電車に乗れば、皆ある程度離れて座ろうとする感覚です。日本人より韓国人の方がパーソナルスペースは狭いのではとも書きました。中国人もこの距離感の違いは感じるようです。例えば親しい友人同士が腕を組む、切符などを買うときに並ぶ順番待ちでの前後の距離感など、どちらかと言えば韓国人に近いかも知れません。また純粋な意味での心理的距離感で言えば親しい人間を「自己人」と呼び、まさに自分と相手を同一と見做すものです。ある中国の留学生が、ふざけ合う高校生同士、親しい友人間でも頻繁に「有難う」「ごめんなさい」という言葉を使うことに違和感を覚えたといいます。「自己人」つまり自分に感謝やお詫びを言う必要はないということでしょう。

他人との距離感は別として、最も近い関係である家族はどうでしょうか。一つのマーケティング・リサーチがあります。あなたの近くの人との心理的な距離を「m(メートル)」で表現したとき、「理想の距離」と「現実の距離」はどのくらいか?を調査したものです。(「日本人の平均調査」2014レポート、株アサツーデイ・ケイ)調査結果は興味深く、衝撃的?なものでした。まず家族全体では、全て理想の距離が現実の距離より短いというもので、お互いにより近づきたいと感じているようです。また母親の場合、20代では子供との距離は最も短くかつ理想と現実もほぼ同じ距離であるのに対し、父親は30代で子供との距離が最も短いものの理想に比べるとかなり遠く、歳をとるごとにそのギャップは広がっていきます。母親がうまく子離れするのに対し、父親はこの独立が受け入れられずにいるようです。そして家族の中で最も遠く感じられているのは父親で、最も近いのがペット。某携帯会社のCMに登場するお父さん犬は、この結果を逆手に取ったものだとしたら脱帽です!(ちなみに韓国だった父親の役を犬にするなどはトンデモナイでしょうネ!!)

父親は遠くにあって思うもの・・・親の背中を見て育ってもらうよう、精々私を含めて世の父親たちは背筋を伸ばして生きる覚悟が必要です。

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