美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

人の魅力、国の魅力

2008-10-06 20:10:25 | Weblog

 

人の魅力、国の魅力

 野球の金メダルをはじめ、北京オリンピックでの韓国選手の活躍には、韓国人の多くが歓喜し、勇気付けられたのではないでしょうか? オリンピックが政治的に利用され、商業主義的に傾いている面は否定できないかもしれませんが、スポーツの中で、人間が極限まで鍛え、努力し、競い合う姿はやはり感動的です。

 ただ、今回のオリンピックで報道された内容で、気になったのが中国観衆の嫌韓?感情です。例えば韓中の試合は当然としても、韓日の試合でも中国の観衆は、日本を応援するとのことです。それ以前から、インターネットの世界では、歴史問題から 一部韓国側との中傷合戦が、ありましたが、今回、韓中の国民感情はさらに悪化しているのではないかと危惧します。韓日関係も独島問題等でぎくしゃくする中、アジアにおける孤立化が心配されます。

 人の魅力とは、魅力的な顔とは何かを研究のテーマとしている私が、今回 国の魅力について考えてみました。生物界での魅力は子孫繁栄を目的に、配偶者を惹きつけるためのものです。ライオンのたてがみも、孔雀の羽もそれが立派であるほど異性を呼び寄せることは証明されています。人間とくに現代社会ではそう単純ではありませんが、同姓であれ、異性であれ、相手に好感を持たれ、魅力的であることは 関係を潤滑にし、相互理解高める助けになることは間違いないでしょう。魅力の重要性を国際社会の中で国に当てはめた場合も同じことが言えるでしょう。ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が提唱したソフトパワーはまさに、国家戦力としての国の魅力の必要性でした。

 国の魅力をはかる調査として英国の‘世界に良い影響を与えている国’というアンケートがあります。日本は2年連続でトップでした。国のブランド価値の試算でも日本はGDP比224%に対し、韓国は37%でしかありません。国の魅力の要素には、文化、歴史、政治、国民意識など多くのものがあり、それをさらに対外的にアピールできる手段が必要です。一朝一夕でなるものではないでしょう。しかし、ある程度の経済成長を遂げた今、これからの為に最も急務かもしれません。

 魅力的な顔の第一歩は、誰かに見られているということ、そしてそれを意識して行動することだと考えます。国においても同じではないでしょうか?

『東洋経済日報 2008.9.19掲載』

アジアン美容クリニック

 

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不老長寿とがん

2008-10-06 13:50:50 | Weblog

 

不老長寿とがん

 医学の最終的な目標は、全ての人に健康と長生きを提供することでしょう。勿論、戦争、貧困、環境など様々な社会的な問題の解決なしには不可能な部分もありますが、少なくとも病気、損傷、老化による体のダメージから解放できるすべを医学は追及しています。

 日本、韓国で平均寿命が急激に伸びたのは、わずかここ数十年の間です。特に韓国においては、1960年度で、平均寿命は、わずか52.4歳ですから現在約77歳として25歳近く伸びたことになります。今では世界一の長寿国、日本でも第二次大戦直後は、平均寿命52歳前後でした。これは、革新的な医学の発達というより、衛生面と栄養面の充実が大きいものです。

 ここ数年は寿命の伸び率も鈍化してきており、よりいっそうの寿命延長には現在死因のトップであるガンの征圧が必要でしょう。ここで長寿とガンについて考えて見ます。現在日本では、年間30万人がガンで亡くなっています。もし、ガンが完全に制圧されたら、寿命は約3.5歳延びると予想されています。わずか、3.5年と考える方もいるかもしれませんが、人間の平均寿命が生物学的限界に近づいてきた結果だとも言えます。またガン自体が老化現象と深い関連があるため、多くの罹患者が既に高齢であることが飛躍的な平均寿命の延長につながらない原因とも言えます。

 がんの発生には様々な遺伝子が関与していることが分かってきました。その中には、勿論ガン抑制に関与していると思われるものもあります。しかし、マウスにおいて、その遺伝子だけを活性化させると今度は老化が進んで寿命が短くなってしまったと報告されました。がん研究の難しさの一例です。

 体に良いというものは何でも試してみる人が「健康の為なら死んでもいい」と言ったという笑い話がありますが、長寿とは何かを考えさせられるものです。

『東洋経済日報 2008.掲載』

 

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大きいことはいいこと?

2008-10-06 12:52:21 | Weblog

 

大きいことはいいこと?

 韓国経済は日本に追いつき追い越すことが一つの目標として、戦後日々努力してきています。半導体や液晶・造船など日本を凌駕する分野もありますが、全体的な規模、構造では残念ながらまだ追いついたとはいえないかも知れません。しかし、90年代に既に追いつき追い越し、さらに差を広げている分野があります。青少年の平均身長です。

 1993年に男女高校生の平均身長は0.2センチ差で逆転し、その後も差を広げ、現在は3センチ近く上まっています。(男子173.9cm 女子161.1cm)元来、半島の民族は体格的に恵まれており、戦後、栄養的に恵まれず、十分に成長できなかったのが、経済成長と共に本来の身体的特徴を取り戻したとも言えるでしょう。それだけに、高身長を良しとする価値観は、日本以上のものです。(日本はむしろ、小さいもの、細かいものに対する美意識があり、李御寧教授が‘ 縮み志向‘と表現しました。)実際、私が韓国を訪れた1980年代当時は、まだそれ程背が高いというイメージはなく、肥満者も少なかったように思います。しかし、身長を尋ねると、どうみても私より低いと思われる男性が、本人の申告では私より高いというのが珍しくありませんでした。女性も、顔以上に高身長の男性を好む傾向があり、男性陣の‘水増し‘もそのためだったかも知れません。

 動物の世界では体の大きいものが、支配的な立場になることはむしろ一般的な現象ですし、村のリーダーはやはり体格の立派な、力の強いものがなることが多いでしょう。アメリカ大統領選で背の高い候補が、背の低い候補に負けたケースは1968年までなかったそうです。(このときの勝者はニクソンです。)アメリカ大統領=パワー=長身であることの象徴でしょうか?しかし、最近、女性のほうが背の高いカップルが以前より多くなってきた気がするのは、男性以上の女性の発育のせいか、パワー関係の変化かはわかりませんが・・・・・

『東洋経済日報2008.掲載』

アジアン美容クリニック

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