東京駅。千代田区丸の内1。1986(昭和61)年6月1日
誰もがご存知のように、現在、東京駅は1914(大正3)年に完成した姿に修復する工事のため、工事用のフェンスに覆われている。この大建築が取り壊されて無くなるというのも考えにくい話だったが、完成時の姿に復原されるとはうれしい話だ。どうせ保存するなら、とぼくも思ったものだ。しかし保存されるなら慣れ親しんだ現在の姿であってもかまわない。あるいは、東京空襲の記録として現在の姿をそのまま残す(今や東京空襲を目に見える形で残っている現物はほとんどない)というのでもいい。
とはいえ工事は始まっているのだし来年には復原された東京駅が見られるわけだ。霞が関の 法務省赤レンガ棟も近年、1895年に完成したときの姿に修復された。三菱1号館の場合はどう考えればいいのだろうか。
東京駅丸の内北口。1984(昭和58)年11月
東京駅は辰野金吾の設計によって1914(大正3)年に完成した。新橋-横浜間に鉄道が開通したのは明治5年だから、そこから40年以上も経っている。もっとも建設が決定したのは明治23年。工事の着工はまた18年経った明治41年。どうしてこうも工事が遅れるのかと思うが、完成したときは鉄筋コンクリート造も出てき始めて、赤レンガの建物はやはり明治の建築物である。
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