風のように吹き過ぎる時の流れ
その一瞬、その一時が輝きを見せる
その一瞬、その一時が輝きを見せる
大切な時、大切な思い、大切な人…
三十一文字に閉じ込めたちょっと以前の風のうた
稚拙なところが思い出を呼んだりだりして…
大宇宙(おおぞら)に大祈願の声こだまする満月(つき)待つ人の心結びて
三十年の学びの道に想い馳せふと仰ぎ見る青紅葉かな
若葉道登り詰めれば神護寺の御仏の笑み何故か身に染む
コンチキチン秋刀魚の刺身突付きつつ祭談義に夜は更けゆく
宵山の京の熱風髪に受け団扇片手に鉾町巡る
函谷鉾上りて眺める人の海祇園囃子の波打ち返す
空近し乗鞍岳の残雪と白を競いてチングルマ咲く
真夏日や早蕨の道巡りつつ遠き昔の風の声聞く
この指に星よとまれと天仰ぐ流星群に時を忘れて
韃靼の轟き渡る二月堂炎巻き上げ春を呼ぶなり
一瞬の、一時の、風を捉えた風のうたを
詠っていければと思う今日
吹き過ぎる風の豊かさを、その色を、その香りを
感じ取れることを願う
感じ取れることを願う