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美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
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映画『この空の花』

2012-08-19 | 映画
大林宣彦監督作品である『この空の花―長岡花火物語』を見に、京都みなみ会館へ出かけました。

この映画のことを知り、ぜひ見に行きたいと思ったのは、美術評論家である椹木野衣さん(@noieu)が、5月頃からツイッターで猛烈にプッシュされ、それに触発されて鑑賞した人たちの感想が尋常でなかったからです。そこにあるのは「衝撃?!」

当初は上映している映画館も少なく、関西でもほとんどなかったのですが、上映を望む声が静かに力となったのでしょう、この8月から大好きな映画館であるみなみ会館で上映されることになり、とても嬉しかったです。とはいえ、テレビ等のメディアではほとんど取り上げられていないので、ツイッターをしていなければ、また椹木さんをフォローしていなければ、存在すら知らなかったのかもしれませんから、幸運な出会いだったと思います。

ストーリーは複雑に絡み合っていますが、主役は長岡市が世界一と誇る「花火」。長岡市は終戦間際の1945年8月1日にB29による大空襲を受け、町は焼け野原となり、1400人余りの人々が亡くなりました。この方々への鎮魂と復興の願いを込めて、終戦のわずか2年後から花火大会は始まりました。そして2004年の中越地震を乗り越え、さらに2011年の東北大震災で亡くなられた方、被災された方をも慰めている、本当にスペシャルな花火なのです。
この「長岡花火」を軸に、過去と現在、天草・長崎・広島そしてハワイと、時空を超えて繰り広げられるまさにワンダーランド!「映画は、限られた作品の時間の中で、いかに長い時間と広い空間を表現するかに尽きる」とは、わが敬愛する中江裕司監督の言葉ですが、そういう意味では、「この空の花」には無限の時間と空間が広がっているように思いました。
なぜなら、作品の中だけに留まらず、映画を見る私たちの時間と空間にもつながっているからです。

私は、広島生まれ。でもたまたま父の転勤で一時的に住んでいただけなので、ほとんど記憶もなく、成長してからも町を訪ねたことがありません。そうはいっても生まれた町なので、何かのつながりを感じますし、毎年8月には厳かな気持ちにもなります。親の世代は空襲を体験してますし、そんな自分が、今この時代に、原発問題にも日本国民として直面し、未来について思いを馳せる…ここにも物語は続いているんじゃないか?

「まだ、戦争には間に合いますか?」

この映画のキーワードとなる、意味の深い言葉…。不思議な存在である少女、元木花を始め自在に操られる一輪車の群れが、不思議感覚を増幅させます。造り物のようで迫真に迫る空襲シーン。そして最後の花火の場面では、何の涙かよくわからないのだけど、泣いてしまいました。
登場人物がこちらを向いて話しかけてきたりして少々演劇っぽくもあり、でもすごく映画らしい映画を堪能できた気がします。

「長岡花火」見に行きたいです!びわ湖花火も楽しみですが、ちょっとレベルが違うみたい?きっとこの先ずっと、「花火」は私にとって特別な意味を持つでしょう。

京都みなみ会館では、8/31まで上映。機会がありましたらぜひ!

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