超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">高尾山は、霊気満山</span>

2010-08-20 14:59:52 | 無題


5時に起きてインゲンと揚げを食べる。アイスコーヒーを飲み、アンドラーシュ・シフのモーツァルト・ピアノソナタを聞く。7時に家を出て高尾山に向かう。
8時半に高尾山口に着く。朝早いので涼しい。8時45分発のケーブルカーあおば号に清滝駅から乗り、急な勾配を登って高尾山駅で降りる。小雨が降っていて雲行きが気がかりだった。
薬王院の浄心門はいつ来ても霊気満山という銘が掛かっている。霊気満山、いい言葉だ。その他草木萬霊と言う字が書いてあるところもあった。山川草木悉有仏性に通じる。
薬王院の階段を登り御本尊飯縄(いづな)大権現という烏天狗のお顔をした神様に手を合わせて祈る。高尾山はあちこちに天狗の銅像が立っていてなかなか迫力がある。薬王院の階段を延々と登って、山頂に出る。霧深くてとても富士山は拝めなかった。
ビニールを敷いておにぎりを食べる。グレーと白の斑の猫が近寄って立ち去る。山猫ではないようだ。山頂では中学生の集団が軽装でぶらぶらしていた。
霧深い空気がまた妖気というか水木しげる氏の絵のようで、霊気満山でよかった。行きは1号路だが、下りは3号路で帰る。傾斜はなだらかだが、結構、山際の険しい所も通る。霧に曇る霊山も雰囲気がある。
山際の道を歩き、渓流をいくつも渡って、だいぶ歩いて浄心門の脇へ出る。
ケーブルカーあおば号に十一時半に乗り、小説の話をしている大学生が騒いでいる中、山を降りる。土産に高尾せんべいという瓦煎餅を買う。どこかでソフトクリームを食べようと決めていたのだが、結局高尾山のパンフレットに載っているフモトヤというイタリア風の店でジェラートを買って、店の前の椅子で食べる。
無心で山際の道を歩き、渓流を渡っているとき、どこに足を置こうかと夢中で、日々の悩みはすっかり忘れていた。これも霊気満山のお陰だろう。
家に帰ってみると、アウトドア・プロダクツの靴が完全に壊れていた。小学生の頃は毎年登っていたのだが、その時の記憶をたどりながら歩いた。
朝、本堂から聞こえてきた般若心経が、山の霊気にこだまして、忘れていた何かを思い出させてくれた。
高尾山はいつまでも、天狗の守護する修験道の根本道場として、東京人を影で支える異界であってほしい。



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