京都文化博物館で2月17日~4月15日まで開催されていた
「ターナー 風景の詩」展を観覧したのは、今月の10日でした。
観覧して感動しました。ターナーの水彩技法は、美術史上最高だ
と高く評価されているのですが、実物を見てそのすごく精緻に
そして、美しい描写に驚きました。
美術誌やインターネットで見る画像ではわからない細部まで
はっきりした色彩は本物を見ないとわからないです。
そして版画も実に素晴しく圧倒されました。
ターナーの水彩画、油彩画は日本では初公開のものが多く
それだけでもすごく見る価値がありました。
絵画で68点、版画は112点もありました。版画の多くは、
郡山市立美術館が収蔵しているもので、すごいコレクションの
数々でした。平日でしたがすごい来場者でした。
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
(1775年4月23日 - 1851年12月19日)は、イギリスで最も偉大な
画家であるのみならず、風景画の歴史のなかで最も独創的な画家の
ひとりです。
若い頃には、卓越した技法によって穏やかな田園などその土地の
地形や風景を正確に詳細に描写するとともに、自然の多様な表情を
描いています。
そして海洋国のイギリスでは、海景画は主要なジャンルであり
多くの歴史的な海景画や嵐の海景にも取り組みました。
その後は、古代への憧れからイタリアへ、そしてスケッチの
ためにスコットランドの高地やアルプスの山岳にも訪れ、
その崇高な山の風景を描いています。
光と空気に包まれた革新的な風景表現は、今日においても
多くの芸術家にとってインスピレーションの源になっています。
ちなみにターナーが活動していたのは、日本では江戸時代です。
展示されている作品は殆どが200年以上経過しているものばかり
ですが、たいへんに保存状態がよくこれにも驚きました。
この展覧会は、イギリスの美術研究の第一人者である
クリストファー・ベーカー氏による次の4章からなる構成で
組立られていました。
第一章・・・「地誌的風景画」18点
第二章・・・「海景―海洋国家に生きて」19点
第三章・・・「イタリア―古代への憧れ」14点
第4章・・・「山岳―あらたな景観美をさがして」17点
第5章・・・「ターナーの版画作品」112点
『風下側にいる漁師たち、時化(しけ)模様』(1802年)
『ソマーヒル、トンブリッジ』(1811年)