本と映像の森(第3) 14 細川貂々『ツレがウツになりまして』幻冬舎文庫、2009年 20210209
135ページ。マンガ。10年後に第31版に達するベストセラー。
漢字の「貂」が一太郎ソフトでなかなか出てこなくて、結局、途中で気がついて、ネットの『ツレがウツになりまして』にアクセスして細川「貂々」をコピーしてきました。
細川貂々(てんてん)さんは主婦でマンガ家で(らしい)です。家族は「ツレ」という夫とイグアナとカメ。
そのツレがスーパーサラリーマンだったのだけど「うつ病」になり退職、うつと2人でつきあった約2年間のマンガです。
うつ病というものを知らない人は読みましょう。
ボクも30年前、軽い「うつ症状」になり、浜松市平和委員会事務局長と浜松市原水協事務局長をダブルでしていたのを2つとも解任してもらったことがあります。だから他人事(ひとごと)ではありません。
『ツレがウツになりまして』を読んで、同じようにボクも思うこと。
家族もうつと一緒にすごして生活を楽しめばいいんです。お金のことはありますけど、死んじゃうよりはいいんです。
でも、うつとの過ごし方って、いまコロナウイルスとの過ごし方と似てるんじゃないかと思います。
「コロナと戦ってうち勝つ」と言う人がいるんですね。
うつと戦ったりしてはいけません。
ついでにうつ病になって何もできない「ツレ」さんは、右半身不随になって何もできないボクときわめて似ている。
「ツレ」さんとボクの違いは、「ツレ」さんのうつ病はいずれ治るが、ボクの右半身不随は死ぬまで治らないってことかな。
この本の巻末を見ると『その後のツレがウツになりまして』『7年目のツレがウツになりまして』というタイトルの文庫が出ているので、少なくとも2回は再発したらしい。
うつ病ともコロナともボクの右半身麻痺とも、末永くつきあいなさいってことかな。
「危機を乗り越えて復活」とか「破局を乗り越えて復興」とかいうことばは、どこかにウソが混じっているのかも知れません。