馬糞風リターンズ

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オリエント急行殺人事件

2018年01月17日 | 映画
ネタばれした手品と同じく犯人が分かっているミステリー・探偵映画程興ざめするものはありません。アガサ・クリスティーの生み出した名探偵ポアロです。その中でもこの「オリエント急行殺人事件」「ナイル殺人事件」「ABC殺人事件」・・・などは広く知られ、映像化もされてきました。

イギリスのTV局製作、デヴィッド・スーシェが演じ「エルキュール・ポワロ・シリーズ」は、映像化作品における決定版と言われています。今でもケーブルTV「ミステリーCH」で放映されています。1989年から2013年にわたりシリーズ13、全70話のロングランで「オリエント急行殺人事件」は第12シリーズ・64話で登場しています。このシリーズはデジタル化されCDが発売されています。当ブログはミステリーCHの愛好者で必ず録画して楽しんでいます。ですから「ポアロ」と云えばデヴィッド・スーシェのポアロ以外はどうも受け入れることができません。
   

劇場映画として話題になったのは1974年公開されたものがあります。この映画は「俳優のカタログ」と云われるほどの豪華な俳優陣でした。この映画も何度かTVで放映され人気を博しました。ポワロ役のアルバート・フィニーはじめリチャード・ウィドマーク、アンソニー・パーキンス、ジョン・ギールグッド、ショーン・コネリー、イングリッド・バーグマン、・・・などが顔を揃えています。この作品はイングリッド・バーグマンがアカデミー助演女優賞を受賞したほか6部門がアカデミー賞にノミネートされたそうです。

 冒頭にも書きましたが物語自体があまりにも有名で多くの人々が結末、犯人を知っている推理ミステリーものでありながら今回も有力な俳優陣が好演し落ち着いたよい作品に出来上がっています。逆にそれだからこそ製作者、演技者ともにハイレベルでなければ成立しない作品です。

 ミステリーの世界では「清張前」「清張後」という言葉があるそうです。リアリティーな社会派推理小説の世界は松本清張が確立しました。それまでの探偵もの、推理小説を「清張前」と云い、それ以後のものを「清張後」と分けているようです。その意味からするとアガサ・クリスティーの作品は「清張前」となるのでしょうが、それ以前に人間の本性を描き出したアガサ・クリスティーの素晴らしさがあるように思えます。ですから「ネタばれ」していても引き付けられるものがあるのです。



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