馬糞風リターンズ

世ノ中ハ何ノヘチマトオモヘドモタダブラリト下ツテモオラレズ

福寿百字

2016年08月30日 | 日記
「寿」と云う字体100個を書いたものです。(故小田岳堂の揮毫)書体はこれ以外もいろいろあるようでお手本も出版されています。
「壽」

おめでたい文字、例えば福、吉、寿、宝、鳳、・・・などの文字百体を揮毫します。中華料理店にはよく「百福」の扁額が飾ってあります。
「福」

「吉」

「鳳」

「宝」

当ブログも暇に任せて挑戦してみました。が、とても落款を押して完成とはいえる代物ではありませんでした。楷書或いは行書でも一書体すら完全に書けないのに当たり前のことですが時間つぶしには十分楽しめました。
福寿百字「鳳」
福寿百字「吉」
福寿百字「壽」

当ブログの書を指導して頂いた故小田岳堂、その師匠故西田王堂は千字文を六体で書きました。六体千字文を書いた人は日本ではこの二人だけだと思います。
西田王堂・六体千字文(紺紙金泥)
何とか楷書だけでもいいから千字文を書き上げたいものです。


添田啞蝉坊・・・・明治・大正の演歌

2016年08月24日 | 大衆演芸


金々節


金だ金々 金々金だ 金だ金々 この世は金だ 金だ金だよ 誰が何と言おと 金だ金だよ 黄金万能

金だ力だ 力だ金だ 金だ金々 その金欲しや 欲しや欲しやの顔色目色 見やれ血眼くまたか目色

一も二も金 三・四も金だ 金だ金々 金々金だ 金だ明けても 暮れても金だ 夜の夜中の 夢にも金だ

泣くも笑うも 金だよ金だ バカが賢く 見えるも金だ 酒も金なら 女も金だ 神も仏も 坊主も金だ

坊主可愛や 生臭坊主 坊主頭にまた毛が生える 生えるまた剃るまたすぐ生える はげて光るは つるつる坊主

坊主抱いてみりゃ めちゃくちゃに可愛い 尻か頭か 頭か尻か 尻か頭か 見当がつかぬ 金だ金だよ医者っぽも金だ

学者・議員も政治も金だ 金だチップも賞与も金だ 金だコミッションも賄賂も金だ 夫婦・親子の中割く金だ

金だ金だと 汽笛がなれば 鐘もなるなる ガンガンひびく 金だ金だよ 時間が金だ 朝の5時から 弁当箱さげて

ねぼけ眼で 金だよ金だ 金だ工場だ 会社だ金だ 女工・男工・職業婦人 金だ金だと 電車も走る

自動車・自転車・人力・馬力 靴にわらじに ハカマにハッピ 服は新式 サラリーマンの 若い顔やら 気のない顔よ

神経衰弱 栄養不良 だらけた顔して 金だよ金だ 金だ金だよ 身売りの金だ カゴで行くのは お軽でござる

帰る親父は 山崎街道 与市べえの命と 定九郎の命 勘平の命よ 三つの命 命にからまる サイフのひもよ

小春・治兵衛 横川忠兵衛 沖の暗いのに 白帆がみえる あれは紀の国 みかんも金よ 度胸どえらい 文左衛門だ

江戸の大火で暴利を占めた 元祖・買い占め・暴利の本家 雪の吉原 大門うって まいた小判も  金だよ金だ

お宮貫一 金色夜叉も 安田善次郎も 鈴弁も金だ 金だ教育 学校も金だ 大学・中学・小学・女学

語学・哲学・文学・倫理 理学・経済学・愛国の歴史 地理に音楽 幾何学・代数 簿記に修身 お伽に神話

コチコチに固くなった頭へ詰める 金だ金だと むやみにつめる 金だ金だよ 金々金だ そうだ金だよ あらゆるものが

動く・働く・舞う・飛ぶ・走る ベルがペン先が ソロバン玉が 足が頭が 目が手が口が 人が機械か 機械が人か

めったやたらに 輪転機が廻る 金だ金だと うなって廻る「時事」に「朝日」に「万朝」「二六」「都」「読売」「夕刊報知」

捨子・かけおち・詐欺・人殺し 自殺・心中・空巣に火つけ 泥棒・二本棒・ケチンボ・乱暴 貧乏・ベラ棒・辛抱は金だ

金だ元から 末まで金だ みんな金だよ一切・・金だ 金だ金だよ この世は金だ 金・金・金・金 金金金だ

 添田啞蝉坊の「金々節」です。添田啞蝉坊関連の本は沢山あります。その多くなものの中で秀逸は親交のあった小沢昭一の一連の著作及び語りです。
「演歌の明治ン大正テキヤ」を購入しました。
  
添田啞蝉坊の本は「カビ臭く」それでいて「変に理屈ポイ」ものが多いのですが、この本はスマートでストレート。入門書でもエッセンシャルな内容ぎっしりです。
添田啞蝉坊で検索すると沢山ヒットします。また、YouTubeで啞蝉坊の演歌を聞くことができます。
添田啞蝉坊やジャンルは違いますが宮本外骨などはもっともっと注目されていいのではないでしょうか?


「リバティーバランスを射った男」・・・カクタスローズ

2016年08月18日 | 映画
NHK BSで懐かしい映画を放映していました。ジョン・ウェイン主演の「リバティーバランスを射った男」です。当ブログは確か高校時代にアベノアポロで観た記憶があります。(但し、本作品日本公開は日曜映画劇場でTV放映だった?)
 
ジョン・フォード監督,主演がジョン・ウェインと云う西部劇のゴールデンコンビ最後の作品だそうです。西部劇本来の痛快なガン・アクションと云う訳ではなくテーマとしては渋い映画です。日本には映画が好きで好きでたまらない監督、役者、スタッフで「カツドウ屋」と呼ばれる集団が、寝食を忘れ手作りで名作を生み出していました。この時代の西部劇もまさに映画つくりの職人たちの汗の臭いがするものです。
この映画のような正統派の作り手たちの仕事を見ると「ホッ」とする安心感があります。モノクロであってもえも言われぬ陰影、存在感は大したものです。
  

正義感溢れる若き弁護士・ランス・ストッダート(ジェームズ・ステュアート)とリバティ・バランス(リー・マーヴィン)の対決。カメラを引いたアングルにはトム・ドニファン(ジョン・ウェイン)のライフルが火を噴いていた。
ドニファンは愛するハリー・ストッダート(ヴェラ・マイルズ)にカクタスローズを贈ります。何れは二人は結ばれるはずです。若き弁護士ランスがこの街にこなければ・・・。
ドニファンの棺にはハリーによって置かれたカクタスローズが飾られています。「野菊の墓」ならぬ「カクタスローズの棺」?
  
我家の「ウチワサボテン」。放ったらかしで花が咲いたことがありません。これを機会に少し手をかけてみようかと株分けしました。




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江戸時代の妖怪ブーム。「夔ノ神?」

2016年08月13日 | 歴史
酷暑日が続いています。暑さに強いと言われるクマゼミも35度前後になるとあまり鳴かなくなるそうです。人間もしばし仮眠状態。加えて「運転免許を返納しなさい!」と車を乗ると口喧嘩になるのでドライブにも行けず、ストレス100%。爆発しそう・・。
時間つぶしはTVを見るくらいですが、これもオリンピックと高校野球・・・・。
旅番組で山梨県の山梨岡神社が紹介されていました。山梨岡神社は、明治維新後廃藩置県で「甲府県」が最終的に「山梨県」と命名された「山梨」の由来ともいわれています。山梨岡神社は県内にもう1か所あるようですが「式内社調査報告」では笛吹市春日居町鎮目の山梨岡神社を式内登載神社と比定しています。

夔ノ神という1本足の珍獣が祭神として祀られているそうです。彫物及び掛軸は江戸時代に入ってからのものとされていますが、この「夔ノ神」の言伝えは太古の昔からのものと思われます。甲斐1国が天領となった江戸時代に領内調査を行った際にこの「夔ノ神」が江戸城内でも評判となり、天変地異と飢饉で世情が不安定となったこともあり江戸庶民に一大妖怪ブーム訪れました。この時「夔ノ神」が大いに持て囃されたそうです。

とは「殷代に信仰された神で、夔龍とも呼ばれる龍神の一種であった。一本足の龍の姿で表され、降雨に関わる自然神だったと考えられていた」ものの本によると「鳴き声が雷鳴の如し・・」と云われ「雷除けの神」となったようです。
 当ブログはこの「夔ノ神」が山梨岡神社に社伝として伝承されたのは以下のように推察しています。
古代においてこの地域は今での「高麗郡」などの地名が残っているように渡来人を移住させたところです。その移住した渡来人の中に「夔ノ神」の進行を持ち込んだ人たちがいたのではないかと思っています。そして悠久のかなたの記憶が脈々と化石のように残ったのではと・・。




風天・渥美清の俳句。

2016年08月03日 | 映画
NHK BS ザ・プレミアム 「寅さん、何考えていたの? ~渥美清・心の旅路~」を観ました。渥美清という役者は「私生活」を全く語らなかったと言われています。俳句を嗜むということは聞いていましたが今迄その俳句は全く知りませんでした。
「うつり香のひみつ知ってる春の闇」
渥美清、俳号風天が句会で初めて詠んだそうです。当ブログは俳句を嗜みませんので「上手いか下手か」など分かりません。が、チョットした衝撃です。
 番組の反響も大きい様でネットには多くの書き込みがあります。
番組によると風天・渥美清は生涯に270首の俳句を詠んだとのことです。
番組では46首が関係者の選評と共に紹介されていました。番組一押しの作品は「蟹悪さしたように生き」だったようです。

ひとり遊びなれし子供のシャボン玉
遠くでラジオの相撲西日赤く
コスモスひょろりふたおやもういない
着ぶくれた乞食じっと見ているプール
好きだからつよくぶっつけた雪合戦

マスクのガーゼずれた女や酉の市
赤とんぼじっとしたまま明日どうする
ポトリと言ったような気がする毛虫かな
初めての煙草覚えし隅田川
日暮里の線路工夫や梅雨の朝

金魚屋生れた時から煙草くわえたよう
ひるがをなに思いさくすべてむなしく
鮎塩盛ったまま固くすね
いみもなくふきげんな顔してみる三が日
テレビ消しひとりだった大みそか

村の子がくれた林檎ひとつ旅いそぐ
汗濡れし乳房覗かせ手渡すラムネ
毛皮着て靴ふるきはな水の女
いま暗殺されて鍋だけくつくつ
台所誰も居なくて浅利泣く

麦といっしょに首ふって歌唄う
蓋あけたような天で九月かな
朝寝して寝返りうてば昼寝かな
花冷えや我が内と外に君が居て
やわらかく浴衣着る女のび熱かな

おふくろ見にきてるビリになりたくない白い靴
月ふんで三番目まで歌う帰り道
少年の日に帰りたる初蛍
むきあって同じお茶するポリと不良
はえたたき握った馬鹿のひとりごと

貸ふとん運ぶ踊子悲しい
ステテコ女物サンダルのひとパチンコよく入る
秋の野犬ぽつんと日暮れて
冬の蚊もふと愛おしく長く病み
山吹キイロひまわりキイロたくわんキイロで生きるたのしさ

蓑虫こともなげにいきてるふう
雨蛙木々の涙を仰ぎ見る
げじげじにもあるうぬぼれ生きること
草しげり終戦の日遠く飛行雲
天皇が好きで死んだバーちゃん字が読めず

どんぐりのポトリと落ちて帰るかな
お遍路が一列に行く虹の中
花道に降て春雨や音もなく