馬糞風リターンズ

世ノ中ハ何ノヘチマトオモヘドモタダブラリト下ツテモオラレズ

第2回みのおこうえん寄席

2013年09月21日 | 大衆演芸
「美味しい料理に笑顔があふれ 噺の笑いが月までとどく~ 初秋の箕面公園で落語をたのしみませんか 川床で味わう特製お弁当付き!中秋の名月のころ、まん丸のお月さんも見られるかも・・・」の謳い文句で梅屋敷で落語会がありました。 
  
演者は何れも桂米朝一門の桂しん吉、桂鯛蔵の二人です。「開口一番」と言って落語会などで、その一番最初に演じる者。 多くの場合 前座が務める様ですが、本日は芸歴の若い桂鯛蔵が「動物園」を演じました。「動物園」と言う噺のネタは何とイギリスの話だと言われています。
 桂しん吉は古典の名作「金明竹」と「中入り」を挟んで創作落語「だんじり狸」の二題を演じました。
「金明竹」は話の構成としては前段と後段の二部から成っていて、前段は骨董屋のおじさんに世話になっている与太郎。この丁稚の与太郎は少々頭に霞がかかっていてそれがおじさんの悩みのタネ。その丁稚の与太郎が店番をして引き起こす頓珍漢のドタバタのお話。後段は骨董品7点の購入を依頼していた得意先が「断り」の口上を伝えに来ますが、留守番の与太郎と店主のおかみさんでは、骨董の専門用語を並び立てられても「チンプンカンプン」。骨董店の店主が帰ってきて客の口上を聞きが全く要領を得ません。そして「あいつに道具七品を預けてあるんだが、買ってったか?」「いいえ、買わず(蛙)です」チャンチャン。
「だんじり狸」は古典風に仕立ててありますが、日本でただ一人の落語作家小佐田定雄の創作によるものだそうです。今回初めて聴きました。
 

 4半世紀も前の話です。冷凍食品卸会社をやっていた頃、堺東銀座商店街に「うどん屋」がオープンしました。間口の狭い奥行きのある5階建てのビルで、1回はテーブル席、2階は厨房、3・4階は畳敷きのお座敷席、5階が事務所兼倉庫でした。エレベータが無く納品は狭い階段を5階まで何度も重たい荷物を運び上げなければならない苦労をした店です。3階の座敷席には本格的な舞台が設けられており「利久寄席」が月1回開かれました。
 
故桂喜丸

この利休寄席はその後23年途絶えることなく続いたそうですが、「うどんちり利休」が廃業と共に「利休寄席」も無くなりましたが、長年続いた堺の名物ともなっていた「利休寄席」復活の声に去年場所を変えて「利休寄席」は復活したそうです。
 利休寄席が始まった頃は得意先の行事と言うこともあり随分とお手伝いをしました。当初、利休寄席の中心メンバーは桂喜丸、桂都丸、桂雀々、桂む雀、桂吉朝・・・らの若手連中でした。丁度、今夜のしん吉や鯛蔵のような・・・。
桂喜丸は、若くして鬼籍に入りました。その喜丸の最後の演目が「短命」と言うネタで、喜丸は自分の人生の「オチ」を自分でつけたようです。同じく若くして鬼籍に入ったのは桂吉朝で、今晩出演した桂しん吉の師匠にあたる人です。
また、喜丸と同じく利休寄席で活躍した桂都丸は今や大名跡「塩鯛」を継いだ桂塩鯛師匠です。今晩の開口一番役の桂鯛蔵の師匠です。




「千字文」を書く。・・・付録「劇中のクイズ」解答。

2013年09月15日 | 日記
千字文」については中・高校の日本史で「応神天皇の時代、帰化人和邇が伝えた」と言う程度のものです。
千字文は南朝・梁 (502–549) の周興嗣が,武帝の命を受けて一夜で作り上げたと言われています。周興嗣が皇帝に進上したときには一夜にして白髪になっていたという伝説があるそうです。千字文が成立したのが6世紀ですから古事記が記載している和邇が伝えたという5世紀にはまだ千字文はできていなこったことになります。

 習字を始めてから何度となく「千字文」には挑戦しましたが、未だに最後まで書き遂げたことがありません。今までは「半切」(普通みられる掛軸の大きさ)に書いたので、途中で1文字でも書き損じたりするとそれでお終い。また最初から書き直しです。そんな訳で今まで半分くらいまで上手くいくのですが、どうしても最後まで書ききったことがありませんでした。ネットにも同じ経験をしている人が沢山いるようです。
 テレビの人気番組「なんでも鑑定団」に池大雅の千字文が出たことがあります。鑑定額は「400万円」の高額鑑定でした。

 千字文は「天地玄黄」から「焉哉乎也」まで4字を1句とする250個の短句から出来上がっています。色紙に四文字づつ書けば書き損じてもそれ一枚で済みますから、根気さえあれば最後まで書き切ることができるかもしれません。
色紙は一箱に五〇枚入っています。四文字づつ書けば二五〇枚の色紙が必要になります。と言うことで五〇枚入り色紙を五箱、書き損ないや失敗を見込んで六箱を買い込んで「千字文」に挑戦しました。
    
今回の目標は、一日でとにかく一千字を書き切る。その為、上手くとか見てくれなどは気にしない。書き損じや書き間違い以外は目をつぶってパス。何度も言うように一日で色紙二五〇枚、一千字を書き切ることです。
目標の一日では書き切れず、結局三日かかりました。そして、処理に困るゴミの山ができてしまいました。

付録:クイズの回答。
1、ニセ金貨。金貨の入った袋を順番に並べます。一番目の袋から金貨を一枚、2番目は二枚、三番目は三枚、・・・・・・取り出します。
取り出した金貨を一括はかりにかけて目方を量ります。本物の金貨は一枚100g、ニセ金貨は110gです。
 例えば、袋が五つあり、ニセ金貨の袋は三番目とします。それぞれ金貨を一番目の袋から一枚、2番目は二枚、三番目は三枚、・・と抜き取り計量します。その合計は「100g+200g+330g+400g+500g=1530g」全て本物の金貨であれば1500gですが30gの端数が出たのは三枚の金貨を取った袋、即ち三番目の袋がニセ金貨の入った袋と言うことになります。

2、敗北。(無断)借用、外泊、欠勤。(無断)敗北はありません。
3、ASPHALT。他の三つの単語には国名を付ければ意味のある言葉になるようです。



刑事コロンボ「殺しの序曲」・・・・劇中のクイズ?????

2013年09月12日 | 映画
ミステリーチャンネルで深夜毎日「刑事コロンボ」を放映しています。昨日は第40作「殺しの序曲」でした。
セオドア・バイケルが演じる犯人オリヴァーは知能指数がトップから2%と言う天才の設定です。幼馴染で親友、また同僚であるバーディーを射殺し、犯行時間を遅らせるために爆竹と分厚い辞書を使って偽装するトリックです。レコードプレーヤーのオートリターン装置のアームの動きを利用してこうもり傘に仕込んだ爆竹を破裂させ、分厚い辞書を落下させて被害者の倒れる音にします。コロンボシリーズの殺人トリックとしては稚拙で出来のよくないトリックです。この犯人が知能指数の高い天才との設定は寧ろトリックの幼稚さを際立て作品としてはB級。また、銃声に驚き階下にいたメンバーが部屋に飛び込んだ時、同時に部屋の奥の扉が閉まり犯人が逃走したかのように細工をするのですが、この細工の謎解きはされないままになります。
ドラマの中で天才の犯人がコロンボにクイズを出します。
 「ここに金貨の複数枚入った袋が幾つかあります。でも、その中の1袋はニセ金貨の袋です。ニセ金貨は本物より10g重いです。ハカリを1度だけ使ってニセ金貨の袋を見つけてください。」

 オリヴァーは、トリックを解き明かされた後、コロンボの知能指数が高いはずだとして再度クイズを出します。
次の4つの単語で1つだけ共通点が無い単語は?借用、外泊、敗北、欠勤」

日本語吹き替え版で「借用、外泊、敗北、欠勤」と言っていますがオリジナルではどう言っているのか知りたくて仕方がありません。世の中にはマニアがいるもので、コロンボのマニア本にはきっちりとそのことが調べて書かれていました。
原語では「LEAVE,UNCLE,DELIGHT,ASPHALT]だそうです。

皆さんも暇つぶしに考えてみてください。

NHKドラマ「夫婦善哉」・・・「妾にしたろ!」

2013年09月08日 | 大衆演芸
付けっ放のテレビで「夫婦善哉」を放映していました。何回かのシリーズ仕立てのようですが、たまたま観たので何とも言えませんが、画面もすっきりしていて面白そうでした。蝶子役の尾野真千子が好演しているように思いました。
織田作之助生誕百年と言うことで一寸したブームになっているそうです。僕は原作の小説「夫婦善哉」は読んだことがありませんが、淡島千景と森繁久弥、野川由美子と藤山寛美の「夫婦善哉」を観たことがあります。
  
蝶子としては淡島千景、野川由美子よりも尾野真千子が役柄にぴったりとはまっているようです。恐らく役者・尾野真千子の生涯の代表作になるのではと思えるくらいの適役です。
 一方、柳吉役は、何と言っても森繁久弥です。藤山寛美は彼の私生活とキャラがダブってしかも船場の老舗のお店の「ボンボン」という育ちの良さに欠けるのは致し方のないことです、が柳吉のキャラとしてはミスマッチと言わざるを得ません。今回の柳吉役は森山未来ですが、柳吉のキャラである自己破滅型の放蕩三昧で自己規制ができない「あかんたれ」の「ノー天気」ではなく、文士崩れのニヒリストのようで柳吉の稚気愛すべきキャラとは程遠いもののように思われます。
夫婦善哉のある法善寺横丁の東西の出入口に木造看板がかかっていて、西側は藤山寛美、東側は三代目桂春団治が揮毫したものです。面白いことに西側にある藤山寛美の看板では「善」の字の横棒が1本足りません。
「風立ちぬ」で喫煙シーンにクレームがついたそうですが、ドラマでは「たばこ」を吸うシーンもあります。同じNHKのドラマで戦前戦後が舞台になった「おひさま」「梅ちゃん先生」「カーネーション」などでは嫌味なくらい「たばこ」は排除されていました。
 また、セリフでも「妾にしたろ!」のような非難の的になりそうなものもボンボン飛び出しています。
4組のHP「阿倍野星迷・川柳塾」で塾頭の作に「年相応 酒も女も 2合(号)まで」 と言う迷句が投稿されています。

 「二号」「手掛け」「めかけ」など何れも「妾」と表記されるようですが・・・・。
桂米朝が復元し復活させた落語のネタに「算段の平兵衛」と言うのがあります。その枕の部分で「てかけ」というのは、「二号さん」「妾」の関西弁。関東の「めかけ」と同意語で、「手をかけるか、目をかけるかだけの違い」と解説しています。
大阪弁では「○○さん」と言うのを「○○はん」と言います。「女将さん」は「女将はん」「お妾さん」は「お妾はん」と言います。「二号さん」は「二号はん」となります。
 古い大阪の商家の隠語で「二号はん」のことを「こなから」と言うそうです。
一升枡の半分は五合枡。その五合枡の半分を「半枡(なからます)」。更にその半分を「小半枡(こなから)」と呼ぶ。つまり、五合の半分は二合半。即ち「小半(こなから)」=「二合半(にごうはん)」と言う判じ物です。詳しくは桂米朝「算段の平兵衛」を聞いて下さい。