馬糞風リターンズ

世ノ中ハ何ノヘチマトオモヘドモタダブラリト下ツテモオラレズ

ミツバチ便り。「蜂の一刺し」

2015年02月26日 | 昆虫・ミツバチ
春めいた日が続き、そろそろ我がミツバチも活動が活発になり始めました。ミツバチは冬の間、女王バチは産卵をやめ、ミツバチの数も夏の三分の一以下になります。、ウメの花が咲き始める頃までの越冬生活です。働きバチたちには、体を寄せ合いながら静かに厳しい冬を生き延びます。
 因みにこの時期、何の用事もない雄蜂は巣内には1匹もいません。女王蜂を中心に働きバチが集まり蜂球をつくり羽根を震わせて巣内の温度を25℃以上に保ちます。女王蜂が産卵を始めると巣内の温度は34℃以上に保ちます。そのため巣からは「ブーン」と云う羽音が漏れてきます。このエネルギーは秋口に集めた蜂蜜です。それも消費してしまうと群れの維持はできません。そこで人工的にシロップを与えます。
 女王蜂が産卵を開始する条件は、温度もさることながら日照時間が大きく影響します。「光の春」が到来すると女王蜂は産卵を開始します。そして働きバチたちは幼虫を死滅させないために必死に羽根を震わせて巣内の温度を34℃以上に高めます。
巣から少し離れたところでも「ブーン」と唸る音が聞こえます。我がミツバチたちは元気なようです。シロップが無くなっていないかを確かめようと巣箱の蓋を開けるなり。手の甲を一撃されました。手首から手の甲は見る見るうちに写真のように腫上がってしまいました。今年第1回目の一撃です。
一概に蜂といっても「刺すハチ」もあれば「刺さないハチ」もいます。「刺すハチ」にはミツバチ、スズメバチ、アシナガバチ等(細腰亜目)「刺さないハチ」としてはハバチ、クキバチ、キバチ等(広腰亜目)がいます。一般的に「刺さないハチ」の方が原始的と考えられています。
「刺すハチ」の中でミツバチだけが、1度刺すと死んでしまいます。これはミツバチの針の構造が「トゲトゲ」と突起が付いており、この突起が「反し」となり、抜けるときにミツバチの内臓ごとちぎれてしまうため、刺したミツバチは死んでしまうからです。ですから、「ハチの一撃」と云う言葉は本来ミツバチにだけに当てはまる表現なのです。
蜂に刺されると蜂毒が注入されます。そしてこの蜂毒の作用で、痛み痒み、赤血球の破壊・血圧低下・アレルギー症状、組織障害、などの症状を引き起こします。
蜂毒の主な成分は「ヒスタミン・セロトニン・ドーパミン・アドレナリン・ノルアドレナリン・アセチルコリン」などの(アミン類)、ハチ毒キニン ・メリチン・マストパラン ・MCDペプチド・アレルゲン抗原5・アパミン(低分子ペプチド類)、・ホスホリパーゼA・ホスホリパーゼA1・ホスホリパーゼA2・ホスホリパーゼB・ヒアルウロニダーゼ・プロテアーゼ(酵素類)といわれています。


兵庫県立美術館「ホドラー展」

2015年02月23日 | 日記
兵庫県立美術館で開催されているスイス人画家・ホドラーの展覧会を観て来ました。この事業は「日本・スイス国交樹立150周年記念」の一環なのだそうです。

 ホドラーは彼の人生の節目ごとに画風が変わったそうです。解説パネルや音声ガイドでは随分と難しい美術理論がありましたが「ヘェー、そうなんだ・・」くらいでまったく理解できませんでしたが、各時期の作品を比べて見ると、これが同一人物が描いたのかと思うほどの違いは分かります。

 昨年、嫁さんと息子が1週間スイスを観光旅行して、一番お気に入りだったのがインターラーゲンと云う街だったそうで、その街にある湖を描いた作品が展示されていました。この絵に描かれている湖畔を散策した、と思い出話をしてくれました。ショップで作品のポストカードを購入。

 同じくショップではスイス産のハチミツも販売されていました。



背中で泣いてる唐獅子牡丹。

2015年02月21日 | 映画
 BSで「昭和任侠伝・死んで貰います」が放映されました。これぞ高倉 健!映画俳優高倉健の評価はいろいろあるでしょうが、当ブログはこの時代・仁侠映画の高倉健が最高です。
 クライマックスで池辺良が「ご恩返しの花道なんですよ」に対して高倉健「ご一緒ねがいます」そして高倉健と池辺良が雪の降る野道を番傘をさし殴りこみの道行のシーン。映画公開当時の劇場の観客は全員高倉健状態。
バックに流れる挿入歌。
「白を黒だと 言わせることも どうせ畳じゃ 死ねないことも 百も承知で やくざな稼業 なんで今更 悔いがあろ ろくでなしよと 夜風が笑う」
唐獅子牡丹
「親にもらった 大事な肌を 墨で汚して 白刃の下で 積もり重ねた 不孝の数を なんと詫びよか オフクロに 背中で泣いてる 唐獅子牡丹」
 当ブログの少年時代には街の銭湯で「入墨」をした強面のおっさんをよく見かけたものです。最近は温泉や公衆浴場など公共の場では「入墨」の人の入場を禁止しているので見かけることはなくなりました。
最近のニュースとしては、大阪市長・橋本徹が「入墨調査」を拒んだ男性職員を戒告処分したことで、処分は「不当」と云う裁判所の判断が下されました。この頃はファッションとして入墨をする人がいて、それをタトゥーと言うのだそうです。
野球の助っ人外人などにもタトゥーをしている選手がいます。また芸能人でなくても気軽にタトゥーをしている外人を見かけます。ただそれ程嫌悪感も恐怖感もありません。
 当ブログの子供の頃、入墨をしたヒーローは「さくら吹雪」 ご存知「金さん」こと入墨判官・遠山金四郎ガいました。渋いところでは「切られ与三 =お富与三郎」(与話情浮名横櫛)で与三郎の相棒・蝙蝠安は顔に「蝙蝠」の彫り物があります。
蝙蝠安・多々良純 与三郎・市川雷蔵  お富・淡路恵子
 しかし、当ブログは市川雷蔵の「切られ与三郎」は見た記憶がありません。しかし、TVで長谷川伸シリーズと云うのがあり、長谷川伸の名作「蝙蝠安」(歌舞伎の与話情浮名横櫛とは別の設定で長谷川伸が創作した物語)がありました。蝙蝠安を若山富三郎、相手役文字春を浜木綿子が演じました。このTVドラマはどのシリーズも名作で、当ブログは鮮明に記憶しています。
 学校で「入墨」のことを習ったのは、現代国語では谷崎潤一郎の短編小説「刺青」。日本史では魏志倭人伝の「男子は大小と無く、皆黥面文身す」です。「鯨面文身」が「入墨」を指すと言うことです。「鯨」は本来「罪人としての目印として顔に入れ墨をする刑罰」、「文」は「模様」で文身は「全身に入墨する」と解釈するそうです。
 「入墨」は人類社会で古くから広く普及していました。民俗・風俗に興味のある方にはおもしろい対象になう材料かもしれません。日本だけでも「入墨」はいろいろな話題を提供してくれます。
「入墨」のことを「くりからもんもん=倶利伽羅紋紋」と云います。倶利伽羅はサンスクリット語の音写だそうで、不動明王の化身・倶利伽羅竜王」を指し「紋紋」は文字通り「紋」だそうです。この倶利伽羅竜王は背中一面に彫られることから「大きな彫り物(入墨)」を「倶利伽羅紋紋」と云うようになったそうです。
「親にもらった 大事な肌を 墨で汚して 白刃の下で 積もり重ねた 不孝の数を ・・・」とは日本人に根強くある道徳律です。「身體髮膚、受之父母、不敢毀傷、孝至始也」(身体髪膚(はっぷ)、之これを父母に受く。敢あえて毀傷(きしょう)せざるは、孝の始めなり)。これは「孝経 開宗明義章第一」にある一文です。まさに「親に貰った大事な肌」を「傷つけて入墨」をするのは親不孝の始まりの象徴なのでしょう。
 




「おくのほそ道」を読み、描きしてみよう。(9)酒田 

2015年02月18日 | 奥の細道
歳が明けてまだ1ヵ月半しか経っていないのに親族、友人の訃報が立て続けにあったり、テロ集団 ISILの残虐な事件また国内でも連日報じられる悲惨な殺人事件、・・・・。「萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス」と希求する穏やかなこの国であって「など波風のたちさわぐらむ」
 殆ど毎日当てもなく思いつくままドライブを楽しんでいます。大体半径100km~150km程度だと丸1日時間を潰すことができます。それで結構心持がリフレッシュされて「ニコニコ顔」で帰宅できます。
 知人が当ブログにアップされている芭蕉の寸松庵は本当に当ブログが描いているのか?との疑問を持っているようです。別段そんなことに反応する必要も無いのですが、ドライブに出れない雨の日などに「ボチボチ」楽しんでいます。
酒田  元禄二年六月一八日~二五日  陽暦 八月 三日~一〇日

あつみ山や吹浦かけて夕すヾみ

暑き日を海にいれたり最上川




ミツバチ便り。「ハチミツはなぜ腐らないの?」

2015年02月10日 | 昆虫・ミツバチ
ハチミツを扱っていると質問されることが3ツあります。
1、ハチミツを何故乳幼児に与えてはいけないのか?
2、温度が下がるとハチミツが結晶してしまうが品質に問題ないか?
3、ハチミツは腐らないのか?

 朝日新聞「Be]2月7日(土)に「ハチミツはなぜ腐らないの?」と云う記事がありました。そのまま転用します。




道頓堀角座で漫才を・・・・。

2015年02月08日 | 大衆演芸
 協済組合から角座の入場券が届きました。以前あった角座は解体され、随分コンパクトになったライブハウスのような劇場になっていました。
出演者は漫才でトリを務めた海原はるか・かなた以外は知らない芸人でした。因みに漫才・シンデレラエキスプレス、マジック・ビックチツカサ、ギャグ連発・代走みつくに、漫才・ボルトボルズ、漫才・天然もろこし、漫才・ワイルドビッチの皆さんが出演しました。席数が120ほどの小ぢんまりとしているので芸人と観客の距離が近く、演者と客とのやり取りもあり和やかな会場の雰囲気でした。
トリを執った海原はるか・かなた

「トリをとる」という「トリ」は寄席の用語だそうです。興行収入を劇場側と芸人が按分して分け合っていて、芸人のギャラは最後に出る真打が全部受け取り、それを出演した芸人たちに分配をしていたことから、最後に出演した芸人がギャラをとることから「トリ」と言ったとか・・・・。
道頓堀戎橋南詰にある竹本座跡石碑
 道頓堀はその昔から芝居小屋や演芸場が沢山あった興行の街だったそうです。江戸時代には竹本義太夫が創立した人形浄瑠璃の竹本座もこの地にありました。竹本座はその後戎座、さらに浪花座に引き継がれていきます。
 嘗て道頓堀には道頓堀五座といわれる芝居小屋があったそうで、江戸三座と共に日本の大衆演劇のメッカだったそうです。
 当ブログが高校生の頃、昭和30年代中ごろは松竹系の興行が絶頂期で、特に角座の演芸は沸き立っていました。現在は劇場中継自体がなくなりましたが、当時は道頓堀アワーや松竹新喜劇などが週に何本も放映されていました。
 当ブログのような落ちこぼれの不登校学生には角座はまさに保健室のような避難所ででした。ダイマル・ラケット、砂川捨丸・中村春代はじめ当時の金看板の芸人が綺羅星の如く高座を務めていました。余りにも有名芸人が在籍したため、松竹系の若手は頭を抑えられて中々有望な若手が台頭しなかったとも言われています。その内、MANZAIブームが訪れると、破天荒ともいえる型破りの若手芸人が超売れっ子となり、吉本興業に天下を奪われてしまいます。そして、日本一の演芸場を誇った角座も吉本花月劇場チェーンにその牙城を奪われ1984年に閉鎖されることになりました。
 当ブログの記憶に間違いがなければ、高倉健主演の映画「夜叉」で、解体工事中の角座が登場したと思います。


「おくのほそ道」を読み、描きしてみよう。(8)立石寺・最上川・羽黒・ 

2015年02月05日 | 奥の細道
 ブログをご覧頂いている何人かの方から芭蕉の元もとの発句ではないのではないか、或は変体仮名が間違っている、などのご指摘がありました。当ブログがテキストとして使用しているのは岩波文庫「おくのほそ道」です。

立石寺  元禄二年五月二七日  陽暦 七月十三日

閑さや岩にしみ入蝉の声

最上川  元禄二年五月二八日・二九日  陽暦 七月十四日・十五日


五月雨をあつめて早し最上川

羽黒  元禄二年六月三日~一〇日  陽暦 七月十九日~ 七月二六日

有難や雪をかほらす南谷

涼しさやほの三か月の羽黒山

雲の峰幾つ崩て月の山

語られぬ湯殿にぬらす袂かな



女性の髪形・・・「おたま返し」

2015年02月01日 | 歴史
当ブログ2011年4月1日に「男性の髪型・・丁髷とは」をアップしました。結構アクセスの多い記事です。出典の問い合わせが何度かあります。そこで今回はその出典と参考文献をご紹介します。
   
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  「黒髪の文化史」大原梨恵子著、築地書館株式会社発行。挿絵は大原梨恵子・大原万里子となってます。著者の略歴は、1934年、東京生まれ。1953年、和洋女子短期大学中退。装道きもの学院高等師範科講師(結髪史)。日本風俗史学会会員。
 「男性の髪型・・丁髷とは」では男性の髪型(主に近世以降)を抜き出しましたが、「黒髪の文化史」は古代から現代まで、また時代ごとに男女の髪型をイラストで詳しく紹介しています。大変な労作と思います。
女性の髪型に関するものは比較的多く見られるのですが、全時代に亘ってしかも男女両方を詳しく紹介しているものは「黒髪の文化史」しかないのではないかと思います。
「日本の髪型」と云う大判サイズ、カラー写真の豪華な本があります。「日本の髪型」南ちゑ著、株式会社紫紅社発行。著者の南ちゑは、明治37年京都生まれ、母親の経営していた美容院を引き継ぎながら結髪・化粧・着付けなどの研究を行い、宮中、時代祭、伊勢神宮遷宮祭などの結髪、着付けなどに参加し、伝統行事保存維持に寄与したそうで、昭和56年、長年日本髪の結髪に精進した功績により黄綬褒章を授与されているようです。「日本の髪型」は著者自らが結髪したものを写真撮りしして、結髪の技術伝承が主な狙いのように思われます。そして、女性の髪型で各時代の代表的なものを著者みぅからが結髪して紹介しています。目的が違うので当然内容も表現も異なりますが、「黒髪の文化史」の方が読み物としては優れているように思います。
     
(左)「日本の髪型」  (右)「黒髪の文化史」
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 「日本の髪型」と「黒髪の文化史」から同じ項目「おたま返し」を比較したものです。(冒頭の写真は「日本の髪型」おたま返し)
 尚、「日本の髪型」「黒髪の文化史」は図書館資料室に備えてあると思います。又、インターネットでも数多く出品されているようです。