セイタカアワダチソウは、キク目キク科アキノキリンソウ属の多年草です。北米原産の帰化植物で、日当たりの良い空き地や河川敷で大繁殖し、一時は勢力範囲を広げ、日本の在来種の植物を全部駆逐してしまうのではないかと思われるほど繁殖しました。また、花粉症の原因になるのではと大騒ぎしたことも記憶に新しい所です。
セイタカアワダチソウの高さは1~ 2.5mですが良く肥えた土地では3.5~4.5m程度にもなります。
中村君が指摘するように、最近巨大なセイダカアワダチソウを見かけることが無くなり、あの毒々しいまでの黄色の花も小さくなってしまったように思えます。その為か、この頃は生花に材料として利用されることもあるそうです。
セイタカアワダチソウが大繁殖できたのは幾つかの要因があるようです。
セイタカアワダチソウは地表から深さ50センチくらいのところにある栄養をとって成長します。日本の地下50cmあたりにはモグラやネズミが生活をしています。モグラやネズミが何年も何年もかかって、生活することによってたくさんの肥料を蓄えていました。日本の植物のなかには、50センチという深いところの肥料を栄養にして成長していく植物が殆どありませんので、①セイタカアワダチソウはその豊富な栄養を独り占めできたのです。②適応性はかなり広く、乾燥地から湿潤地まで多くのところに生育できる。③地下茎により周囲に勢力を拡張する。また種子によっても繁殖する。そして地下茎に蓄えられた養分が多いため、地上部を刈り取っても容易にはこれを絶やすことはできない。④帰化植物であるセイタカアワダチソウは競争相手が無かったのと、地下50cmにある未利用の豊富な肥料によって大きくなりました。
これらの条件に加えて⑤セイダカアワダチソウの根には植物の発芽・成長を阻害する物質が含まれており、それを分泌することによって周囲の植物を攻撃します。この様な作用を「植物の他感作用(アレロパシー・Allelopathy)」 と言うそうで、植物が生産する天然の化学物質が、他の植物・昆虫・微生物などに阻害や促進など何らかの作用を及ぼそようで、その効果を利用し、雑草除去作業を軽減したり、そのもの自身を緑肥として活用するということが、今注目されている。
自然界では、自らを守り優位に導くためにこの様な物質を作り出す能力があるそうで、無農薬農法などを自認していても植物自身が自ら作り出す「自然農薬」を考えれば、ひょっとすれば「無農薬農法」などと言うのは在り得ないことかもしれません・・・。
セイダカアワダチソウの花粉がアレルギーの原因ではないかと?と随分大騒ぎになったことがあります。当時、セイタカアワダチソウの花粉がアレルギーを引き起こすのかどうか知りませんでしたが、セイタカアワダチソウは養蜂業者が一番安定した蜜源植物であることでも分かるように虫媒花なので、風媒花の杉のように花粉を大量に飛散させることが無いのに・・・、本当に花粉症の原因なのか?と素朴に思ったことがあります。それも結果、濡れ衣であったようです。
セイタカアワダチソウが日本に侵入してから大繁殖してから40~50年が経過すると、セイタカアワダチソウが独占していたちか50cmの栄養分も枯渇しだし、また、セイタカアワダチソウ自身が分泌したアレロパシー原因物質が土中に蓄積し、セイタカアワダチソウ自らの生育が阻害されるようになってしまいました。このため、平成に入ったころからセイタカアワダチソウの勢いが徐々に弱まり、また個体自体も小さくなりだしたそうです。
セイタカアワダチソウは根から分泌する毒でススキを攻撃します。 しかしススキもやられっぱなしではありません。最近ススキの逆襲が始まったのです。
それは、ススキの成長速度を上げることで、セイタカアワダチソウの毒への耐性を獲得し、かつてのススキと一味違う巨大化した超ススキを出現させることそして、さらにススキと共同戦線を張っているのが、 日本在来の植物であるクズです。 クズの根はセイタカアワダチソウの毒が届かない深いところまで伸びます。そして成長したクズは、どんどんセイタカアワダチソウを覆っていき・・・ ついには、クズ自身の葉の重さと光の遮断で成長ができなくなり、 セイタカアワダチソウは枯れてしまいます。
一方ススキはどうか? ススキは、クズがつるを伸ばして広がっても 背の高い葉をその隙間から伸ばしているので、 さほどの影響も受けないという訳です。 こういう風にクズとススキが仲良く共生しているのが、昔の日本の風景なのかもしれません。
植物の中で、ススキは植物生育の最後に繁殖するという性質を持つということです。
空き地があるとします。最初の年は、ただの空き地です。翌年になると、そこに背の低い草花が繁殖を始めます。そして何年が経つと、空き地が草でぼうぼうになる。その空き地が、背丈の高い草で、草ぼうぼう状態になった頃、空き地の一角に、ススキが繁殖を始めます。そして、それから数年経つと、その空き地は、ススキでいっぱいになる。
ススキは根が深く、群生するので、何年か経つと、地面が湿気を多く持つようになり、地味が肥えてきます。空き地は全国にいっぱいあるけれど、なかなかそこに樹木は生えてくれません。けれど、ススキが群生を始めて何年が経ち、地味が肥えてくると、そこに今度はアカマツなどの樹木が生えてくるようになります。つまり、ススキは、植物生育の最終段階で群生し、地味を肥やして、次の世代の樹木を育ててくれるという性質を持っている、というわけです。こうして、原野は草原となり、やがて森になって行く。森ができると、そこには動物達も住めるようになるのです。
竹田城跡での「セイダカアワダチソウが減った」と箕面ウォークでの「曽爾高原のススキの穂が痩せた」という話題は決して誤解や錯覚ではないようです。
セイタカアワダチソウの高さは1~ 2.5mですが良く肥えた土地では3.5~4.5m程度にもなります。
中村君が指摘するように、最近巨大なセイダカアワダチソウを見かけることが無くなり、あの毒々しいまでの黄色の花も小さくなってしまったように思えます。その為か、この頃は生花に材料として利用されることもあるそうです。
セイタカアワダチソウが大繁殖できたのは幾つかの要因があるようです。
セイタカアワダチソウは地表から深さ50センチくらいのところにある栄養をとって成長します。日本の地下50cmあたりにはモグラやネズミが生活をしています。モグラやネズミが何年も何年もかかって、生活することによってたくさんの肥料を蓄えていました。日本の植物のなかには、50センチという深いところの肥料を栄養にして成長していく植物が殆どありませんので、①セイタカアワダチソウはその豊富な栄養を独り占めできたのです。②適応性はかなり広く、乾燥地から湿潤地まで多くのところに生育できる。③地下茎により周囲に勢力を拡張する。また種子によっても繁殖する。そして地下茎に蓄えられた養分が多いため、地上部を刈り取っても容易にはこれを絶やすことはできない。④帰化植物であるセイタカアワダチソウは競争相手が無かったのと、地下50cmにある未利用の豊富な肥料によって大きくなりました。
これらの条件に加えて⑤セイダカアワダチソウの根には植物の発芽・成長を阻害する物質が含まれており、それを分泌することによって周囲の植物を攻撃します。この様な作用を「植物の他感作用(アレロパシー・Allelopathy)」 と言うそうで、植物が生産する天然の化学物質が、他の植物・昆虫・微生物などに阻害や促進など何らかの作用を及ぼそようで、その効果を利用し、雑草除去作業を軽減したり、そのもの自身を緑肥として活用するということが、今注目されている。
自然界では、自らを守り優位に導くためにこの様な物質を作り出す能力があるそうで、無農薬農法などを自認していても植物自身が自ら作り出す「自然農薬」を考えれば、ひょっとすれば「無農薬農法」などと言うのは在り得ないことかもしれません・・・。
セイダカアワダチソウの花粉がアレルギーの原因ではないかと?と随分大騒ぎになったことがあります。当時、セイタカアワダチソウの花粉がアレルギーを引き起こすのかどうか知りませんでしたが、セイタカアワダチソウは養蜂業者が一番安定した蜜源植物であることでも分かるように虫媒花なので、風媒花の杉のように花粉を大量に飛散させることが無いのに・・・、本当に花粉症の原因なのか?と素朴に思ったことがあります。それも結果、濡れ衣であったようです。
セイタカアワダチソウとススキの仁義なき戦い
セイタカアワダチソウが日本に侵入してから大繁殖してから40~50年が経過すると、セイタカアワダチソウが独占していたちか50cmの栄養分も枯渇しだし、また、セイタカアワダチソウ自身が分泌したアレロパシー原因物質が土中に蓄積し、セイタカアワダチソウ自らの生育が阻害されるようになってしまいました。このため、平成に入ったころからセイタカアワダチソウの勢いが徐々に弱まり、また個体自体も小さくなりだしたそうです。
セイタカアワダチソウは根から分泌する毒でススキを攻撃します。 しかしススキもやられっぱなしではありません。最近ススキの逆襲が始まったのです。
それは、ススキの成長速度を上げることで、セイタカアワダチソウの毒への耐性を獲得し、かつてのススキと一味違う巨大化した超ススキを出現させることそして、さらにススキと共同戦線を張っているのが、 日本在来の植物であるクズです。 クズの根はセイタカアワダチソウの毒が届かない深いところまで伸びます。そして成長したクズは、どんどんセイタカアワダチソウを覆っていき・・・ ついには、クズ自身の葉の重さと光の遮断で成長ができなくなり、 セイタカアワダチソウは枯れてしまいます。
一方ススキはどうか? ススキは、クズがつるを伸ばして広がっても 背の高い葉をその隙間から伸ばしているので、 さほどの影響も受けないという訳です。 こういう風にクズとススキが仲良く共生しているのが、昔の日本の風景なのかもしれません。
植物の中で、ススキは植物生育の最後に繁殖するという性質を持つということです。
空き地があるとします。最初の年は、ただの空き地です。翌年になると、そこに背の低い草花が繁殖を始めます。そして何年が経つと、空き地が草でぼうぼうになる。その空き地が、背丈の高い草で、草ぼうぼう状態になった頃、空き地の一角に、ススキが繁殖を始めます。そして、それから数年経つと、その空き地は、ススキでいっぱいになる。
ススキは根が深く、群生するので、何年か経つと、地面が湿気を多く持つようになり、地味が肥えてきます。空き地は全国にいっぱいあるけれど、なかなかそこに樹木は生えてくれません。けれど、ススキが群生を始めて何年が経ち、地味が肥えてくると、そこに今度はアカマツなどの樹木が生えてくるようになります。つまり、ススキは、植物生育の最終段階で群生し、地味を肥やして、次の世代の樹木を育ててくれるという性質を持っている、というわけです。こうして、原野は草原となり、やがて森になって行く。森ができると、そこには動物達も住めるようになるのです。
竹田城跡での「セイダカアワダチソウが減った」と箕面ウォークでの「曽爾高原のススキの穂が痩せた」という話題は決して誤解や錯覚ではないようです。