馬糞風リターンズ

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カメムシが多い年は雪も多い

2020年06月03日 | 昆虫・ミツバチ

昔から農村では「カメムシの多い年は大雪になる」と言い伝えられています。この分によると今シーズンは豪雪になる気配です。
当ブログは平成22年1月に「カメムシが多い年は雪も多い」と云う記事を掲載しました。12月に夏日を記録する異常な気候ですが、年末から年明け以降果たして言い伝え通り大雪になるか?興味がるところですので再度当時の記事をUPし直します。

 昨年(平成21年=2009年)10月、舞鶴に「新米」を貰いに行った時「今年はカメムシが多いので、この冬は大雪になる」と農家さんが云っていました。
その頃の長期予報では「暖冬」といわれていました。
年末からの寒波襲来で新年早々から日本海側各地は例年になく大雪で、積雪も可也のもののようです。
古くからの諺の方が気象庁の予報より当たっているようです。

 研究室の同級生が「メクラカメムシ=現在はカスミカメムシと云うそうですが」の生態、特に発生予察で卒論を書きました。
この卒論は間もなく「単行本」で出版された優秀な論文でした。
彼を指導した先生は「カメムシ」研究で学会賞を幾つも受賞した「カメムシ」の権威です。
この2人から「カメムシと雪の関係」の話を聞いたことがありません。

 しかし、カメムシと雪の諺は結構ポピュラーで民俗学の本ではよくお目にかかります。
ネットでも多くのサイトがありますが「カメムシと積雪量の関係」がお勧めです。

 ところで「カメムシ」「カメムシ」と言いますが、昆虫図鑑などには数百種類の「カメムシ」が載っています。
大体「カメムシ」と云う「昆虫」が居る訳ではなくカメムシ目(半翅目)・カメムシ亜目(異翅亜目)に属する昆虫のうち、カメムシ科など陸生昆虫の総称です。「カメムシ」と云う「昆虫」はいません。

 ネットなどで「カメムシと積雪量の関係」などとあっても「学名」で云うどの種類なのかの特定がありません。
また、多い少ないの判定の仕方も明確ではありません。
「カメムシ」や「テントウムシ」は越冬のため秋口になると一か所に集まる習性があります。
その現象を見て「多い」と判断するのは危険です。

これ以上書くと長くなりますのでまたの機会に・・。

もう1項目「昆虫と雪」について
積雪量が多い年にはカマキリの卵嚢の位置は雪の中に埋らないように高い位置にあり、積雪量が少ない年には低い位置にあるというのです。

写真は「アカスジキンカメムシ」(キンカメムシ科)