馬糞風リターンズ

世ノ中ハ何ノヘチマトオモヘドモタダブラリト下ツテモオラレズ

映画「シチズンフォー」&「スノーデン」・・・スノーデンは英雄か?

2017年02月20日 | 映画
映画の話題が続きます。今月初めに映画「スノーデン」を観ました。トランプ大統領が誕生しました。選挙戦でロシアのサイバー攻撃やクリントンの私用メール問題が話題になりました。トランプの下品なし私生活スキャンダルをロシアが盗み見したとか何百万通のメールが情報当局が解読したとかの報道があります。話としては分かるのですが、現実にどうなっているのかは理解の範囲を超えています。そこで、再現ドラマで解説をしてもらうつもりで観ました。が、サイバースペースでの話は理解不能の空間です。
役者が演じるドキュメンタリータッチの「スノーデン」よりスノーデン本人が暴露する過程を記録した「CITIZEN FOUR」をネット配信で観ることにしました。矢張り生の記録映像は作り物でない迫力があります。

印象に残るスノーデンの語り「本来は当選者と有権者のはず」。
 日本ではテロ特措法(共謀罪)でもめています。GPS捜査の適法性が話題になっています。現実にテロや犯罪が身近に迫っています。選挙民に選ばれた人が無差別に個人を監視し世論を操作する・・・・。むつかしい問題・・。

尚、シチズン フォーとは「スノーデンのハンドルネームで、市民4の意味です。これはトーマス・ドレイク、ウィリアム・ビニー、J・カーク・ウィーブに次いで、NSAの不正を内部告発する第4の市民である」ことを表しています。4が潰されれば5、6、・・・なるCITIZENが現れることを期待しているのでしょう。



映画の出来栄え。

2017年02月10日 | 映画
昨年からface bookを開設しています。FACE BOOKとBLOGをリンクしてシェアしています。≪映画「沈黙」を観ました。≫もFACE BOOKにシェアされています。FACE BOOKは閲覧者からのレスポンスが早くて短文ではありますがコメントもたくさん寄せられます。特にチャット機能での投稿で大変参考になります。
 ブログ≪映画「沈黙」を観ました。≫で当ブログは「退屈な映画」と書いたところ、ブーイングです。だけど「おもしろい」とか「よかった」とか「くだらない」とか「退屈だ」・・などは将に個人の率直な感想だからそれ程「とやかく言われる」筋合いのものではないように思うのですが・・・。
TVのグルメ番組で評判の料理でも「嫌いなもの」は「嫌い」で別にそれが問題になったり非難されることになるのか・・?と思うのですが。
所が、「退屈」であろうが「おもしろくなかろう」が「嫌いで」あろうがそれはそれでいいのだが、多くの人が共感しているのならば敢えて「イヤごと」をいう必要もなかろうが・・・、とご忠告いただくのである。「イヤミ」以外の何物でもないそうです。
 映画は「総合芸術」と云われます。映画を語る時には「制作分野と理論分野」があるそうです。その中で映画評論は守備範囲が膨大で且つ方法論も多種多様です。しかし、万人が口を揃えて仰るのは映画評論の基本は「数多くの映画を注意深く鑑賞する事」そして多様な経験と知識、数多くの「引き出し」を持つことだそうです。映画の「良し悪し」の対象は多岐にわたります。「おもしろかった」「たのしかった」「感動した」「映像が美しい」「俳優の演技がよい」「舞台設営が素晴らしい」・・・、などなど。ですから映画界の最高の評価として「アカデミー賞」と云うものがあります。そのアカデミー賞は作品賞・ 監督賞・主演男優賞 ・主演女優賞・ 美術賞 ・撮影賞 ・脚色賞 ・録音賞 ・短編アニメ賞 ・歌曲賞 ・作曲賞 ・編集賞・ 助演男優賞 ・助演女優賞・ 視覚効果賞 ・脚本賞・ 外国語映画賞・ 衣裳デザイン賞 ・音響編集賞 ・短編映画賞・ 長編ドキュメンタリー賞 ・短編ドキュメンタリー賞 ・メイクアップ&ヘアスタイリング賞 ・長編アニメ賞、他特別賞などがあるそうで、評価の対象の多面多様性が分かります。
 今回の当ブログへのブーイングの多くは「映像を追いかけストーリ」の展開を「良し」としたものです。たとえ話が飛躍します。美術館で仏画、例えばお釈迦さんの絵が展示してあるとします。観覧者はそれを見て「巧い!」と思うか「俺の好みじゃない」と感じるか、或いはもう少し技術的な観点から「いろづかいが・・」とか「画面構成が」とかを論じるかも知れません。しかし、お釈迦さんの仏画を見て「お釈迦さんの生涯や教え」などを論じだしたらこれはもう絵画鑑賞から離れています。ブーイングの多くは映画から離れたところの意見が多いように思います。
 「映画の会」での感想がネットにUPされていました。その中に「脚本」と「演出」についての意見、また撮影技術についての意見がありました。このご両者のご意見は卓見で流石です。それよりも当ブログの感じ入ったのは、御両所ともに卓見を述べながら決して作品を貶していないところです。
当ブログに「お前、友達少ないやろ」と忠告してくれたアンタ!その意味がよく分かった・・。 

映画「沈黙」を観ました。

2017年02月07日 | 映画
今月の「映画の会」は「沈黙・サイレンス」です。12月は、音痴の金持ち女がカーネギホールでリサイタルを夢見て、その夢を実現させるため狂奔する夫との物語「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」、1月は百田尚樹のベストセラー小説「海賊と呼ばれた男」。「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」はチョット酷ですが「金返せ!」と云いたくなるようなひどい映画・・。「海賊と呼ばれた男」も根性物なんでしょうが何ともTVドラマの様なチャチな出来栄え。嘗ての花登 筺の「どてらい男」の比でもない駄作。
今回の「沈黙」は事前の観覧希望でも圧倒的な人気で決まった作品で久々に映画の醍醐味を期待しました。元々「陰気臭い内容」とは小説を読んでいたので覚悟をしてはいましたが、残念ながら途中で何度退席しようかと・・・。映画なんだからもう少しエンターテインメントを!
原作者の遠藤周作は西宮市の夙川カトリック教会で洗礼を受けたそうで、当ブログの近い親族が夙川に住んでおり、夙川教会で親族の冠婚葬祭を行うこともあり、何となく遠藤周作には親近感を感じています。小説「沈黙」が世に出たのは確か昭和41~2年だったと記憶しています。その数年前、スエーデン映画「沈黙」が話題となりました。この映画は濃密な官能描写で我国初めての成人指定を受けたことでも話題になりました。「神の不在」三部作の終章とのことでしたが他の二部「鏡の中にある如く」「冬の光」を当ブログは知りません。北海道の場末の映画館で友人達と鑑賞し、その晩はルンペンストーブを囲みながら夜を徹して議論した記憶があります。主人公姉妹の生き方がカフカ的と云う評論が魅力だったのかもしれません。丁度実存主義の旗手ジャン=ポール・サルトルがノーベル賞を拒否し、世界の知識階級で議論百出、大きな関心事となりました。
当時の学生の流行は「ニーチェ、フッサール、サルトル」などの哲学書を抱え、ブラックコーヒーをすすり乍らダンモ(モダンジャズ)を聴く・・・そんな訳のわからない生活スタイルでした。スエーデン映画「沈黙」は難解な映画の代表のようなものですが、そんな映画「沈黙」が話題になっていた頃に日本人小説家・遠藤周作が同名の小説「沈黙」を発表しました。取扱うテーマから日本での評判より海外での評価が高かったようです。遠藤がノーベル文学賞にノミネートされたとかされるとか言われたのもその作品群の中に「沈黙」があったからだとも言われています。
今回映画化もアメリカ人マーティン・スコセッシが製作監督となっています。日本人が扱い辛いテーマであることは確かで、また日本人がリァリティーを感じるのもむつかしいものと思われます。
 余談ながら、当ブログが小説「沈黙」を読んだのを知った当ブログの母親が「あんな本は読まない方がよい」と非常に不愉快がりました。それは映画「沈黙」の噂をそれとなく聞いていたので、それと混同したようです。しかし、遠藤周作の殉教のことが書かれていたことが分かり多少誤解も解けたようです。しかし、遠藤周作及び内容がカトリック系であるため矢張り「形式的、権威主義は信仰をゆがめる」とあまり快く思っていなかったようです。