四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

河野裕子さんを悼む(その2)

2012-06-29 11:26:29 | 歌の花束
 現代歌人40年の夫婦相聞歌から私が選んだ闘病の短歌をどうぞ。愛別離苦(あいべつりく)は避けられない四苦八苦のひとつです。

夫 永田和宏氏
 ○白まばら紅まばらの梅林に
          ふたりの時の短きを言う

妻 河野裕子さん
 『私がしなくてはならないことは永田和宏という人を一日でも長生きさせること。私の仕事は全部放っておいても、永田が帰ってきたとき、お皿をあたためて少しでもおいしくと思って待っているのです。・・・・子供より永田和宏を大事にしてやってきた』

 (子供は付録だと私たち夫婦も同感です 駿)


妻 ●今ならまつすぐに言う夫ならば
          庇って欲しかった医学書閉ぢて


夫 ○平然と振る舞うほかはあらざるを
          その平然をひとは悲しむ
  ○君とおなじレベルで嘆くことだけは
          すまいと来たがそを悲しむか
  ○がんばっていたねなんて不意に言うから
         たまごごはんに落ちているなみだ

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